化学では証明できないものを歌う「Un-science」
今回は2016年2月3日にリリースされたSHE'Sの3rdミニアルバム「She'll be fine」より、アルバムの1曲目を飾る「Un-science」を紹介します。
「Un-science」というタイトル、最初は「フランス語かな?」と思ったのですが(フランス語では、名詞の前に「un」を付けることがあります。)どうやらヴォーカル、井上竜馬の造語のようです。
SF映画のセリフに感銘を受けたタイトル
「Un-science」は、「非科学」を意味するもので、井上がSF映画のセリフに感銘を受けて作られた造語だといいます。
「人と人との間には、科学や心理学では証明できないものがある」
この曲にはそんな意味が込められています。
言葉に出して言わなくても、思っていることが伝わることや、相手の感じていることがなんとなくわかることってありますよね。
それはまさに科学では証明できないことで、人と人だからこそ起こり得る現象でしょう。
「科学では証明できない」
この一言だけで、奇跡を思わせるような、壮大なイメージが沸いてきませんか?
優しく心に訴えかけてくる楽曲内容を紹介
MVの内容は、登場する可愛らしい女性を巡るもの。
前半は彼女が普通の日常を送っている様子が描かれますが、途中誰かからの手紙を開封するシーンから、物語が動き出しました。
楽曲解説
軽やかなストリングスに、春めいたイメージのピアノ、そして淡々と脈打つドラム。
川のせせらぎをイメージさせるようなイントロからこの曲は始まります。
続いてのAメロで聴ける井上のヴォーカルワークは、どことなく洋楽の雰囲気が垣間見えるもの。
彼はELLEGARDENに憧れて音楽を始めたらしく、日本人離れした英語の発音はELLEGARDENのヴォーカル、細美武士からの影響ではないでしょうか。
ELLEGARDENを勧めてくれたのがお母さんだというのも、なんだか微笑ましいエピソードですね。
世代が違っても同じ音楽に共感できるというのは素敵なことです!
母親に勧められたELLEGARDENをきっかけにバンドに憧れ14歳でギターを始める。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/SHE%27S
続いて、リズムの要素を押さえた静的なBメロを展開。
それを経て、緩やかながらも感情が溢れ出すような高ぶりを見せるサビへ。
ここでの緩急が楽曲の壮大さを後押ししていますね!
声の反響するようなCメロから、ドラマチックなギターソロへの流れも絶妙で、感動を誘います。
MVの最後に「愛は奇跡の中に生きている」という言葉が登場しますが、まさにその言葉にピッタリの、優しく心に訴えかけてくるような1曲です。
「Un-science」の歌詞を紹介
オーディエンスに向けて
高鳴るフロアで聴いた
幾つもの声 飾らない表情で 歌ってみせてよ
Catch a wave of your heartbeat
You got it
出典: Un-science/作詞:井上竜馬 作曲:井上竜馬
まずは1番Aメロから見ていきましょう。
ここでは、ライブ会場でのオーディエンスに向けた言葉が見られます。
「みんなそれぞれに楽しみ方があって、それは自分たちにも伝わっている」
聴く人ありきだというような、彼らの演奏スタイルが伝わって来ますね。