それでも続いてく

出典: 雨/作詞:塩塚モエカ 作曲:塩塚モエカ

このことから、石塚モエカさんが過ぎ行く時間について訴えたいことがあるのは間違いないでしょう。

落ち込んでいる人へ

主人公と境遇は違えど、多くの人が様々な苦しみを抱えています。

【雨】という曲は悲しい出来事に落ち込んでいる人に向けたメッセージが歌われているのです。

どんなに深い心の傷も、時間が経てば自然と癒されていくから安心してほしいという想いが感じとれます。

雨という現象に対して、時間心情の二つを重ねるという捻ったアイデアが面白いですね。

ひらがなと漢字の使い分け

歌詞を見る際に漢字ひらがなの使い分けにも目を向けてみましょう。

アーティストが作詞をするとき、そういった使い分けには何らかの意図が込められていることが多いからです。

一番のサビの部分ではほとんどがひらがなで綴られています。

漢字で綴られている部分と何が違うのでしょう。

これは主人公の心の状態を表わしているのだと思います。

まだ決心がついていないのに、強がりを言っている様子をひらがなに置き換えているのではないでしょうか。

それゆえに文章も細切りになっており、かたことな印象を感じさせます。

さらに、ひらがなが持つ子供っぽさから想像できる描写は、泣きながら話している主人公の姿です。

このように、ひらがなと漢字の使い分けにも注目して歌詞考察を行うとさらに楽しむことができます。

バンドサウンドで表現する雨

【雨】は曲の始まりと終わりは雨が降り、そして止む様子を意識して編曲されています。

始まりはギターのアルペジオからです。

その後、「フッ、フッ」というコーラスが重なると共に音数が増えていきます。

この部分では雨がポツポツと降り始め、土砂降りになる予感を表しているのではないでしょうか。

そして一瞬ブレイクが入り、堰(せき)を切ったように歪みの強いギターが鳴り響きます。

まさに雨が降りだした様子とリンクさせているのです。

歌が入っている部分では、雨の様子よりも歌詞解説で紹介した感情に沿って編曲されているように感じます。

そして、曲の終わりです。

ギターの余韻が完全に消えるまで収録されています。

雨がだんだん弱まり、そして止んだ様子を表しているのではないでしょうか。

このように曲全体で考察を深めると、より歌詞への理解が進むと思います。

ぜひ、意識して聴いてみてください。

まとめ

羊文学【雨】歌詞の意味を徹底解釈!だれに向けたメッセージ?言葉の真意と雨に溶け出す感情を紐解く...の画像

今回は羊文学の【雨】の歌詞解説をいたしました。

主人公の心情と時間という二つのテーマから解釈を進めてみましたが、いかがだったでしょうか?

【雨】は編曲から歌詞の構成まで、細かくこだわって作られた素晴らしい楽曲だと思います。

もし、これから悲しい出来事に直面することがあったら、ぜひこの曲を思い出して聴いていただきたいです。

最後に、羊文学についての他の記事を紹介させていただきます。

まずは、羊文学の恋愛曲【ロマンス】の歌詞解説記事です。

ただの甘い恋愛曲ではない羊文学らしい一曲になります。

ぜひ、チェックしてみてください。

3ピースバンド羊文学の中では明るい曲調の「ロマンス」。ただ、歌詞にはちょっぴり毒が含まれています。どのような恋愛模様が描かれているのでしょうか。歌詞の理解を深めます。

もう一つは1stE.P.に収録された【Step】の歌詞解説記事です。

彼女たちが躍進するきっかけとなった楽曲ですので、ぜひチェックしてみてください。

ゴリゴリのバンドサウンドと透き通る歌声のギャップが魅力!男女混成の3ピースバンド羊文学が新たな「Step」に進んだ、この曲の歌詞に注目します。

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