TWICEが突破すると誓った困難。
その先にあるのは彼女たちが思い描く未来像です。
韓流ガールズグループのメッセージを紐解く上で注視したいのは韓国独自の文化。
いわゆる“家父長制”と呼ばれる伝統です。
現在韓国から発信されるフェミニズム運動は世界を巻き込んで変化を促しています。
日本でも増刷を重ねる「82年生まれ、キム・ジヨン」の人気を支えるもの。
それは女性の地位の正常化です。
テーマは「成長」?
時間は無限にあっても 巻き戻しはできない
「私」という名前のStory たった一度しかないから
出典: Breakthrough/作詞:Yu Shimoji 作曲:Jan Baars,Rajan Muse,Ronnie Icon
ここでTWICEは過去の自分たちを振り返っていると考えてみましょう。
彼女たちのブレイクの一因は“現象”ともいえる『TT』ブームです。
ここではあえてブームという言葉を繋げさせていただきました。
ブームには寿命があるため必ず終焉が訪れることを彼女たちは自覚しているのです。
同時に『TT』の独自のポージングは女性のかわいらしさを表現しています。
そこには「性の消費」の対象としての女性をはらんでもいるのです。
『FANCY』以降のTWICEは自らの成長をテーマに活動を据えているように感じられます。
ここで歌われているように時間は元に戻すことはできないことを自覚しているのです。
そして2行目で歌われているのは一度きりの人生を悔いのないように生きる決意だといえます。
ここに『Breakthrough』のテーマに至る動機を見ることができるのです。
殻を突き破ろう!
悔いのない人生を
Everybody Break Break Breakthrough
迷いを突き抜けGrowing up
ほらNowからFutureへ LinkするMy heart
BeatがHeating さぁMovin' on Movin' on
出典: Breakthrough/作詞:Yu Shimoji 作曲:Jan Baars,Rajan Muse,Ronnie Icon
よりストレートにメッセージを投げかけるのがラップ・チームのパートです。
語感が強調されている言葉を見てみましょう。
それは成長であり前進です。
今、この瞬間が未来の自分を形作るから後悔のないよう生きていこうと歌われています。
そのために大切なのは成長を躊躇わないことです。
敵は自分自身の弱さ
弱さとFighting 心で 強さをGet重ねたら
きっと限界なんてBreak Baby突破して行こうLet go
出典: Breakthrough/作詞:Yu Shimoji 作曲:Jan Baars,Rajan Muse,Ronnie Icon
成長を阻害する一番の要因。
それは自分の中に存在する弱い心です。
「疲れたからもういいや」
「誰も見ていないから大丈夫」
心の中の言い訳は誰にも聞こえません。
だから自らの弱さと向き合うのは容易なことではないのです。
しかし弱さを克服することでしか成長を遂げることはできません。
だから彼女たちは自分に言い聞かせるように『Breakthrough』と歌うのです。
前進あるのみ!
今はまだ通過点だから…
誰かと比べられても 自分を叫び続けたい
私が目指したMilestone この胸にある限り
出典: Breakthrough/作詞:Yu Shimoji 作曲:Jan Baars,Rajan Muse,Ronnie Icon
ラップパート後に展開されるCメロ。
そこで歌われるのは自身が牽引するK-POPシーンの現状です。
次々ブレイクしていく韓国のボーイズ&ガールズグループ。
TWICEが所属するJYPエンターテイメントにも後輩グループが次々とデビューしています。
すでに日本でも人気が爆発しているボーイズグループのStray Kids。
2019年8月には妹分と称されるITZY(イッジ)もデビューしています。
様々なK-POPアイドルと比較される対象、それがTWICEの現在の立ち位置です。
しかし『Breakthrough』でTWICEは歌います。
私たちには理想の目的があり、今はそのマイルストーン・通過点なのだと...。