アルバム「ホームタウン」収録の暗い曲
「モータープール」は2018年12月リリースのアルバム「ホームタウン」収録曲です。
ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)にとってセルフカバー「ソルファ(2016)」から2年ぶり。
「Wonder Future」からは約3年半ぶりとなる、9枚目のオリジナルアルバムです。
ウィーザーのリヴァース・クオモやブッチ・ウォーカーを作詞作曲に迎えるなど気合い満点!
そんな全10曲のうち、陰陽の陰に振り切った最も暗い曲といわれているのが「モータープール」。
いわゆる地味曲ですが中毒性があり、MVはコエのオーディション作品として制作されています。
「モータープール」MV
株式会社コエはクリエイティブカンパニーです。
映像作家の関和亮さんとグラフィックデザイナーのユキマユコさんが2017年に設立しました。
「モータープール」MVはコエのオーディションにより、新人映像作家の榎園乃梨恵さんが監督。
男性が紙飛行機を破いて叫ぶ!という斬新な映像です。しかも男性は万華鏡のように増殖します。
しかしここまでは想像でしょう。破れていなかった紙飛行機を飛ばすと、本物の旅客機に……。
男性は再び叫びますが、その顔には笑みが浮かんでいます。
負け犬の遠吠えから活力に満ちた雄叫びに変わった模様。陰に振り切ると陽になるわけですね。
その辺りが「モータープール」という楽曲からイメージされたテーマになるでしょう。
駐車場のこと?
タイトルの「モータープール」って何?と思った人もいるでしょう。泳ぐプールではありません。
実は駐車場のことです。車が集まる場所を意味する和製英語のようです。
ただ駐車場のことをモータープールと呼ぶのは主に関西、西日本や中部地方の一部だけだとか。
作詞をした後藤正文(ゴッチ)さんは静岡出身なので、違和感がなかったのでしょう。
ところが駐車場にもいろいろあります。モータープールというと一般的には民間駐車場のこと。
道路沿いにある感じです。しかし「モータープール」という楽曲でイメージされているのは……。
港に停まった船の中の駐車場だそうです。ゴッチさんは車が集まる場所を意図したのでしょう。
そこで船内に集まった車を想像しながら、「モータープール」の歌詞の意味を解説していきます。
歌詞を考察!
フェス帰り?
スウィンギングバック
鄙びて沈み込む薬局
睡眠薬はいらない
夜はこれからさ
出典: モータープール/作詞:Masafumi Gotoh 作曲:Masafumi Gotoh
「モータープール」の歌詞はかなり抽象的で、具体的な意味を理解するのが難しそうです。
そのため個人的な想像のまま解釈。こんなイメージなのでは?というところで話を進めます。
まず冒頭の歌詞からして「誰がどこで何をした」がまったくわかりません。それでも想像!
歌物語の主人公はこれから船に乗り、どこかへ戻ろうとしている……そう仮定してみましょう。
たとえば本州に住んでいる人が北海道や四国、九州、あるいはその他の島のフェスに参戦。
そこから本州に戻るというタイミングです。移動手段は車ですが、フェリーも利用します。
そのフェリーに乗り込むため、列をなして乗船を待っている感じ。船の外、車の中です。
シートを倒してくつろいでいると、港の外にある道路沿いの薬局が目に飛び込んできます。
時間帯は既に夜ですが、まだ眠るつもりはない……という物語。もちろん個人的な想像です。
ゴッチさんはフェスの出演者として、車&船移動がありそうな気がします。
フェスを楽しむ観客として、車&船移動の経験がある人もいるでしょう。
仲間を思い出し笑い?
哀愁がただよう
綻んだ顔を見なくなって久しい
目一杯 笑った
人の目もあるのに
出典: モータープール/作詞:Masafumi Gotoh 作曲:Masafumi Gotoh
独自の想像上の物語を続けます。
フェスでよく会い、笑い合う仲間がいたのでしょう。
しかし、その仲間としばらく会っていない……と考えると、何だか笑いたくなったということ。
端から見ると、急に思い出し笑いをする人でしかありません。ギョッとされることでしょう。
そこまで客観的にわかっていながら、思いきり笑ったわけです。仲間と笑い合うかのように……。
なぜか哀愁がただよいます。