「あなたの唇に咲き始めた

呪文にあなたの身を任せるのよ

ナナナナ ナナナナナ ハ!」

唇に咲くという詩的なラインが素敵でしょう。

いよいよ呪文について語り出します。

「ちちんぷいぷい」や「アブラカタブラ」などの呪文が日本では有名です。

また宗教から派生する様々なマントラや祈祷の言葉があります。

しかし「Zimzalabim」という呪文の出自は何でしょうか。

実はヨーロッパで派生した呪文のようです。

しかし「アブラカタブラ」ように全世界でメジャーな呪文とは違います。

特に東アジア諸国では新鮮に感じられる呪文ですから造語かと疑われました。

まったくの創作ではなく歴史に根付いたものだということに気付かされます。

しかしヨーロッパでの呪文を世界に知らしめたのがK-POPアイドルグループというのは不思議です。

旧くからのヨーロッパの呪文の世界デビューのきっかけはRed Velvet。

K-POPはますます世界を席巻してゆくのでしょうから、この先にメジャーな呪文になるかもしれません。

制作チームはマイナーな呪文に響く新しさに目を付けました。

「Zimzalabim」という呪文について何の予備知識もないリスナーをターゲットにします。

マーケット戦略としては大成功でしょう。

いよいよサビです。

呪文が画面いっぱいに登場します。

試しに唱えてみよう

Red Velvet【Zimzalabim】歌詞を和訳して意味を解説!呪文を唱えると何が起こるの?の画像

Zimzalabim zim-zimzalabim
Zim-zimzalabim zim-zim
Zimzalabim zim-zimzalabim
Zim-zimzalabim zim-zim
Zimzalabim zim-zimzalabim
Zim-zimzalabim zim-zim
Zimzalabim zim-zimzalabim
Zim-zimzalabim zim-zim

出典: Zimzalabim/作詞:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee 作曲:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee

訳出は不可能ですので原詩だけをご紹介します。

ビートに合わせて「Zimzalabim」という言葉を千切ってゆくようなスタイルです。

意味を解説することはナンセンスでしょう。

しかしこのサビ以外で展開される歌詞の中から意味を掴み取ることは可能です。

本当のあなたを解き放って楽に生きましょうよ

そんな願いをこの呪文「Zimzalabim」に込めているはずです。

ただここでは難しい解釈を抜きにして言葉の響きの楽しさやリズムやビートを感じましょう。

「Zimzalabim」は人生を楽しむこと自体を目的とした楽曲なのですから。

呪文の不思議さは訳の分からなさを自覚しながら願うという点にあるでしょう。

意味なんかないのだろうけれどすがってみたい想いが滲んでいます。

誰にでも窮地に陥ったときに思わず口にする言葉があるはずです。

思わず「ナンマイダ」などの言葉に頼るときがあります。

実際に呪文を唱えて苦境を乗り越えたという人は少ないはずです。

しかし何かの呪文を口にしてしまう苦境を自覚することで次の行動に移れたという人は多いでしょう。

願う気持ちまでなくなってしまうような状況はもはやデッドエンドです。

絶望しないで生きるためには呪文を唱えてみましょう。

呪文の効果

キラキラしてまぶしいものばかり

Red Velvet【Zimzalabim】歌詞を和訳して意味を解説!呪文を唱えると何が起こるの?の画像

어머 어머 어머 활짝 웃는 널 봐
너무 너무 너무 깜짝 놀라진 마
그게 바로 너야
주문을 외는 순간 누구든 행복해져
Nananana nanananana higher

出典: Zimzalabim/作詞:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee 作曲:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee

「あら、まあ 驚くほど輝くようなあなたの笑顔を見て

あまりにもびっくりして驚かされないでね

それこそまさにあなた自身の姿

この呪文を唱えればたちまち誰でも幸せになるのよ

ナナナナ ナナナナナ より高くへ」

ジョイとウェンディのパートです。

ここでも同じ言葉を三回繰り返すパターンが現れます。

原詩を見ると最初の二行に同じ言葉の繰り返しがあることが分かるはずです。

「あら」のような言葉と「とても」という言葉がそれぞれ三回繰り返されます。

このまま日本語にすると不自然ですので訳出は意訳で行いました。

すでに「Zimzalabim」という呪文が唱えられた直後です。

その後にすぐ呪文の効果が顕れたからよく見なさいというニュアンスを感じてください。

呪文の効果はてきめんであなたは輝くような笑顔を魅せています。

ここでのあなたはリスナーのことを指すのでしょう。

実際に「Zimzalabim」というのは聴いているうちに自然に笑顔になれます。

特に公式MVなどを鑑賞するとRed Velvetの可愛さでこちらも嬉しくなるのです。

笑顔こそがあなたの本当の姿なのというラインは勇気が獲られるものでしょう。

困難や不安を抱えたシチュエーションでは人は笑顔になれません。

しかしそうした負の感情から解放された後に自然に浮かんだ笑顔は大切でしょう。

両親から無条件に庇護されて愛されている子どもは笑顔です。

その先の人生で思い通りにならないことが増えると人は不機嫌な顔付きになってしまいます。

しかしその人にとって本来の自然な表情とは笑顔なのです。

「Zimzalabim」を聴いて実際にこの呪文を唱えてみること。

たとえばRed Velvetのライブでこの曲を大合唱するファンは笑顔であるはずです。

魔法は本当にあるのだということを知る思いがします。

ガールズ・パワーに訴える

Red Velvet【Zimzalabim】歌詞を和訳して意味を解説!呪文を唱えると何が起こるの?の画像

틀에 박힌 세상 속에서
길들여진 넌 매일 마냥 덤덤
날 따라 해봐 뭐 더 필요해?
Hey girls! (a-ha!)
You ready? (oh yeah!)
너 몰래 자취를 감춘 꿈을 찾아서
달려볼까 함께해줘 boys

出典: Zimzalabim/作詞:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee 作曲:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee

「型通りの世界の中にあって

手懐けられたあなたは毎日ひたすら平々凡々と過ごしているのね

私を真似してみなさい あなたは他に何が必要なの?

ヘイ、ガールズ (アーハ!)

準備はいいかな (オーイエー!)

あなたは消えてしまったり諦めた夢を探し求めてね

走り出してみましょうよ   一緒にいてね ボーイズ」

結構辛辣なラインが登場します。

型にはまった社会の中ですっかり飼いならされているような人々をチクリと刺すのです。

毎日を淡々とやり過ごせることだけに汲々としていては人生の歓びを享受できません。

社会の中でハブられることはとても恐ろしいことでしょう。

ときに仕事を失いかねない可能性もあります。

しかしそうした閉塞した社会自体を変えてゆかなくてはいけません。

社会の矛盾から目をそらして生きることこそ危険なことなのです。

Red Velvetはここでティーンエージャーやその少し上の世代のボーイズ&ガールズに訴えます。

その順列がまずはガールズであることが素敵です。

ボーイズについては一緒について来てねくらいの扱いなのですから時代は変わりました。

ガールズ・アイドル・グループがまずガールズ・パワーに訴える時代になったのです。

Red Velvetがガールズに訴えるのは夢を探し求めることになります。

韓国も日本も女性の社会的地位が世界の水準の中では相対的に低いです。

これは東アジア諸国が極端なジェンダー・ギャップを抱えた社会である事情があります。

韓国でのジェンダー・ギャップの問題を市民的な力で改善したいという思いが滲んでいるのです。

日本でK-POPに夢中な若いリスナーにもこうした切実なメッセージが届くといいでしょう。

日本社会にこうした影響がフィードバックされることはとても大事です。

隣国・周辺国の文化を摂取することで日本社会にいい影響が授けられる可能性を信じましょう。

かつて東欧諸国が監獄のような全体主義国家であったときがありました。

東欧諸国の市民は西側の文化を密かに摂取しながら自由を勝ち取ったのです。

隣国・周辺国からのよき文化の伝来はとても大切なものでしょう。

「Zimzalabim」のマジック

ライブでこそ映える歌

Red Velvet【Zimzalabim】歌詞を和訳して意味を解説!呪文を唱えると何が起こるの?の画像

장난스러운 목소리로
마음껏 외쳐 모두 잊고

出典: Zimzalabim/作詞:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee 作曲:Daniel Caesar,Hayley Michelle Aitken,Ludwig Lindell,Olof Lindskog,Seu Ran Lee

「ふざけたような声で

思いっきり叫びまくって すべてを忘れましょうよ」

そろそろ終盤です。

いよいよパーティー・ソング的な側面が全開に花咲きます。

Red Velvetにとってのパーティーとはライブかもしれません。

ライブ会場でこの「Zimzalabim」を思いっきり叫んで楽しさを得ましょうという思いを伝えます。

元々のヨーロッパでのこの呪文の使い方は違うものでしょう。

呪文はつぶやくものであり叫ぶものではないですから。

それでもガールズ・アイドル・グループのライブでの楽しみは歓声を送れることでしょう。

周囲の迷惑にならなければライブの楽しみ方は比較的に自由です。

ショーに来て日頃のストレスを発散して欲しいという願いを伝えてくれます。

このラインの後に「Zimzalabim」を連呼するサビが登場するのです。

リフレインですので掲載は割愛しました。

ラストのラインを見ていきましょう。

自然な笑顔が大事だから