「The Boys」が投げかけたテーマ

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

2011年10月19日発表、少女時代の通算3作目のアルバムThe Boys」。

このアルバムのタイトル・チューン「The Boys」の日本語バージョンをご紹介します。

この楽曲は元々韓国語バージョンが存在し、さらに英語バージョンなども創られているのです。

どのバージョンでも近未来的なサウンドに仕上がっています。

ボーカルにたくさんのエフェクトをかけて加工されたボイスがサウンドの要です。

K-POPは先進的でユニークなサウンドなのだということを世界中が認知するきっかけになりました。

韓国語・日本語・英語バージョン、それぞれ歌詞の内容は変わっています。

今回の記事では日本語バージョンについて解説いたしましょう。

各言語バージョンでの細部の違いはその国の市場を意識したもので非常に興味深いです。

脱線にならない程度に違いについても触れてみます。

ただ、大事な決めのセリフはどの言語でも一貫しているのです。

女の子が男の子を引っ張ってゆくのよと歌っています。

新時代のガールズ・パワーと呼応する要素がたくさんあるのです。

日本語の習得を始めたばかりの少女時代固有の不思議な発音の仕方。

こうした事情が日本語バージョンにいい意味での不思議な雰囲気を醸すようになっています。

「The Boys」の歌詞は情報量が多いので覚悟してください。

それでは実際の歌詞をご覧いただきましょう。

「The Girls」の魅力を歌う?

K-POPの本格始動は少女時代から

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

髪をかきあげる合図から スベテが始まるの
銀河も飛び越えて君となら 歴史を変えられそう

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany

歌い出しの歌詞になります。

登場人物は語り手の「I(私)」と男性を指す「君」が主要なものです。

ただし、主語はGirl's Generation、The Girlsになったりします。

また目的語としてタイトルにもなっている「The Boys」が盛んに登場するのです。

単なる私と君ふたりだけの関係を超えた、大きな社会性を感じさせる歌詞になっています。

君は「The Boys」の代表として私と対峙するのです。

長い髪をかきあげる仕草は女性ならではのものでしょう。

こうした女性の魅力が引き立つ瞬間こそがすべての始まりになります。

アルバム「The Boys」は実際に驚愕するほどのセールスを誇る作品になりました。

世界中の視線が少女時代に注がれました。

特にタイトル・チューンのこの「The Boys」のサウンドの先進性は人々を驚かせたでしょう。

ここで私の宣言のとおりに少女時代はK-POPの歴史を変えました。

もしくはK-POPの歴史を本当に創り始めたといっても過言ではないのです。

韓国語バージョンでは怖れないで始めましょうと君を奮起させるような内容でした。

制作チームのクレジットを見ていただくと作詞に日本のクリエイターの名前を発見できるでしょう。

各国の市場に合わせてニュアンスを変えてみたのです。

社会の舵取りは女の子がする

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

Bring the boys out (yeah you know)
B, Bring the boys out (we bring the boy out, we bring the boys out yeah)
B, Bring the boys out

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany

英文ですので意訳ですが和訳を添えましょう。

男の子たちを引っ張ってゆくわよ(私たちが男の子たちを引っ張ってゆくのよ)」

こんな内容になっています。

この箇所はどの言語バージョンでも共通しているのです。

もちろん私たちが男性ファンを魅了するという意味もあるでしょう。

しかし基本的にはガールズ・パワーの文脈で読んだ方が的確です。

社会全体の舵取りについて女の子が男の子を牽引してゆくということを歌っています。

東アジア諸国は男尊女卑の傾向が根強い男性社会です。

しかし旧い固定観念を打破してガールズ・パワーによって社会を切り拓く意志を歌いました。

「The Boys」というタイトルでありながら、歌詞を読み込むと「The Girls」の魅力を誇示しているのです。

私たちが社会を牽引してゆくから男の子たちも勇気を出して自分の魅力に気付いてという内容になります。

表現の仕方は韓国語・英語バージョンではキツめの言葉で展開しました。

日本語バージョンでは婉曲的な表現でドラマを紡いでゆきます

こうした差は市場の傾向と、実際の作詞に関わるクリエイターの資質の違いに応じたものです。

少女時代の挑発

もう、男子はもっとしっかりして

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

誰もがそうね きっと羨むほどに catch your dream (get up)
半端なプライド 蹴っ飛ばして もっと前に (that's funny) catch your wish

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany

私は君を煽ります。

まずあなたという二人称ではなく君というよりフランクな呼び方を採用したことが大事でしょう。

男女の関係性を平等か、あるいは女性上位の立場で描こうとします。

こうした描き方に男性からの反発があるとしたら哀しいことです。

この「The Boys」は現実社会の男尊女卑の傾向に挑発を企てたもの。

なぜ女性がこうした挑発を選択するのかということに想像力を羽ばたかせて欲しいです。

その先にジェンダー・ギャップを解消できる男女同権の社会が生まれるのですから。

私は君を挑発して夢を掴みなさいと歌います。

最近の男子にはどこか覇気が欠ける面があるでしょう。

恋愛に関しての若い男性の草食化などが社会問題にすらなっています。

野望をギラギラむき出しにして生きることを躊躇する風潮もあるでしょう。

いつだって周囲の視線が気になって仕方がないという男子が増えたような気がします。

若い人が保守的な傾向を持つ社会は発展のしようがありません。

こうした現状に対してキックをするような勢いで私は君を煽ります。

少女時代がまぶしく見えるのはこうしたカッコよさにあったのではないでしょうか。

少年よ大志を抱け

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

君はただ一人 価値ある mystery
夢見ていいんじゃない?
迫る気持ちに 撃ち抜く鼓動に
身を委ねて boy... my boy
(B, Bring the boys out)

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany