誰しもが価値ある人間です。

しかし若いうちは自分に自信が持てないという人も多いでしょう。

自分は大それた夢を持っていいのかどうかさえ分からなくなっている人もいるはずです。

周囲の視線や評価ばかりを気にしてしまい、いつの間にか萎縮してしまう男の子たち。

私はこうした男の子たちに自分の魅力を再確認するように促します。

自分の中で感じている熱い心臓の鼓動こそが君を突き動かしている根拠です。

心臓のビートにだけ集中力を傾けて大志を抱きなさいと発破をかけます。

「The Girls」から「The Boys」へのメッセージという構造を一貫させているのです。

若いうちこそ自分という存在がどんなものなのか謎でしょう。

成長して実績を積むうちに自信の根拠ができあがってゆきます。

しかし若いゆえにまだ何ごとも成していないうちは色々と不安でしょう。

大きな夢についてもコミュニティの中での人間関係でも自信がない人もいるはずです。

解決方法は何でしょうか。

少女時代私たちのカッコよさについてきてみて欲しいと歌います。

彼女たちの勇姿から学ぶことは男女問わず多いでしょう。

少女時代を追いかけてゆくうちに自分の夢も見つけられたら最高かもしれません。

実際に少女時代は世界中で躍進してスターダムを駆け上がりました。

彼女たちの大成功から何ごとも大志を抱いてやってみることだという教訓は獲られるでしょう。

「九人十色」とは何か

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

Girl's Generation make you feel the heat!
九人十色の中毒性 (B, Bring the boys out)
Hey boy ねぇ DAN DAN 弾けそう in my mind
本気出そうよ you know the girl? (B, Bring the boys out)

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany

英文が登場しますので意訳を添えましょう。

少女時代が君に情熱を抱かせる」というニュアンスの言葉です。

実際に世界中を熱狂させるにいたるのですからこのラインは夢の話ではありません。

不思議な言葉が登場するのもこのラインです。

九人十色

十人十色という言葉は旧くからあるものです。

人が十人も集まれば人それぞれの好みや可能性があるという意味になります。

しかし「九人十色」では一人欠けているでしょう。

九人というのはもちろん少女時代のメンバーの数です。

このラインは元になっている十人十色という言葉自体が日本固有のもの。

韓国語・英語バージョンではまったく登場しないワードなのです。

九人にそれぞれの色があるという意味を無理やり言葉にするならば九人九色になります。

そこにプラスアルファする意味は何でしょうか。

ここに歌詞の中で働きかけている君の色も反映しているというのが普通の解釈かもしれません。

もしくは九人のメンバーの色とワンチームとしての少女時代の色を合わせたのかも。

韓国語バージョンではこの箇所は世界が君に注目しているという内容です。

日本語バージョンは韓国語を翻訳したものではありません。

しかし伝えたい想いまで日本のクリエイターが捻じ曲げたとは考え難いでしょう。

こうした経緯を追うとやはり少女時代の活躍に君の力が加わっているという解釈が考えられます。

そしてその「The Boys」を少女時代が引っ張ってゆくと歌うのです。

君が代表する「The Boys」はあくまでも少女時代に付け加えられた色に過ぎません。

しかしそれでも大切な一色なのです。

その後も徹底して君を煽る言葉が続きます。

煽られた世界中の男子が少女時代のファンになったのですから言葉の力はすごいものです。

男女問わない人気

日本市場でのリアクション

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

半信半疑? とにかくついてきて
どんな夢だって叶うわdreaming again
ココ来て (yes fly high!) 前見て (you fly high!)
すべて そう 君のセカイ

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany

少女時代の活動開始から四年が経ったとはいえ日本進出からは一年。

本格的な世界進出は本作「The Boys」からです。

まだまだ無限の可能性を持ちながら活動していた頃でしょう。

そのため不動の信頼を少女時代に預けるという雰囲気は日本の市場にはまだなかったかもしれません。

そうした初々しさの自覚のようなものが半信半疑という歌詞に反映されています。

しかし日本ではすぐにBoAが持っていたセールス記録を塗り替えてしまいました。

実際にミリオン・セラーになるのですから「The Boys」は敏感に反応して少女時代についてゆきます。

実際に日本市場での成功という夢を叶えた少女時代の言葉ですから勇気の根拠としては十分なものです。

君を盛んに煽る言葉を信じてみたいと思うリスナーも多くいたはずでしょう。

ただ少女時代に反応したのは男子だけではありません。

少女時代は最先端の流行に敏感な多くの日本女性の支持も獲得しました。

「The Boys」は男子を煽る歌ですが、前提にある女性上位の発想が受け入れられたのです。

文化・芸術にできることは何か

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

君はただ一人 地上の fantasy
時代変えそうな smile
シビれさせて トリコにさせて
壮大なスケールで boy go ahead!
(B, Bring the boys out)

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany

韓国語バージョンでは世界を変えるのよみたいに非常に力強く君を煽ります。

しかし日本語バージョンではもっと柔らかくて詩的なニュアンスを魅せるのです。

君の魅力に気付いて欲しいという思いを最初に歌います。

その笑顔で私を刺激してという風に君をアゲてくれるのです。

実際に自信がない人には時代を変えるだけの力は宿らないでしょう。

少女時代の歌は自信がないと歌えないものが多いです。

記憶に残る彼女たちの立ちふるまいはどれも自信ありげなものばかりでした。

恵まれた容姿やプロポーションとダイナミックなダンスで人々を魅了します。

あれほどの美脚というものを私たちは少女時代で初めて目撃しました。

韓国と日本は近くて遠い国などといわれた時期も長くあります。

そこには哀しい歴史問題が横たわっていました。

いまでもこの歴史問題は解決されていません。

しかしそうした問題を乗り越えてダイレクトに感動を伝えてくれたのがK-POPの登場でしょう。

さらに進化を遂げる韓国映画の勢いなども日本の文化の中で定着します。

文化・芸術は人間の根本を揺り動かすものですから国境を超えるのです。

少女時代は国境を超えて日本の「The Boys」「The Girls」を勇気付けてくれました。

こうした文化交流は政治という次元を超えて響いてくれます。

このポジティブな力を信じたいと思わせてくれるのです。

そして少女時代の活動はボーダレスになってゆきます。

世界中でアジアンポップスへの認識を一新してくれました。

なぜ享楽的な歌詞なのか

少女時代【The Boys (JAPANESE ver.)】歌詞の意味を解釈!「九人十色」とは?の画像

Girls bring the boys out!
I wanna dance right now 願い込めて lucky star
Set up! 負けられないラウンド No.1以外は興味ない check this out!
いっそ楽しんだ者勝ちよ 分からないわ やってみなくちゃ
いざ結集 咲き乱れよ
ガールズ・ジェネレーションwe won't stop! (B, Bring the boys out)

出典: The Boys (JAPANESE ver.)/作詞:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany/Hidenori Tanaka,Nozomi Maezawa,agehasprings 作曲:Teddy Riley,DOM,Tesung Kim,YOUNG-JIN YOO,Richard Garcia,Tiffany

非常に力強い言葉が並んでいます。

韓国語バージョンでは私が女神アテナになって「The Boys」を導くと歌うのです。

日本語バージョンになるとこの設定は失われます。

知性と芸術の女神がアテナですが日本ではギリシャ神話への馴染みが薄いと判断されたのかも。

日本語バージョンでは知性の女神よりも享楽的な印象を強く抱かせます

上述したとおり日本語バージョンとはいえ、韓国語バージョンの翻訳ではありません。

日本の市場を見据えて大幅に書き直しています。

2011年は日本では東日本大震災があった年です。

世相が暗かった分、創作物の中では覇気というものを大切にしたのかもしれません。

結集という言葉にはこの年に再発見された「絆」というワードの語り直しの側面もあります。

日本での大規模ツアーの直前に3月11日の東日本大震災が発生しました。

少女時代の日本へ赴く気持ちはここでワンクッション置かれるのです。

「The Boys」に自信を取り戻して欲しいというメインテーマもこの文脈で考え直すことが必要でしょう。

もちろん裏面で「The Girls」の主導権を高らかに宣言します。

日本の「The Boys」「The Girls」どちらにとっても勇気になる歌にしてくれたのです。

少女時代はこの勢いのままにアメリカ合衆国を席巻します。

アメリカ合衆国での良好なチャート・アクションがK-POPへの理解を世界中に広めました。

止めることができない勢いというものが2011年の少女時代にあったのです。

少女時代がクリエイトしたもの

歴史というものと未来