Do you think about your dream
When no one believes you
I can help you spread your wings

出典: Middle Of Nowhere/作詞:Takeshi Hosomi 作曲:Takeshi Hosomi

和訳

君自身の夢について考えたことはあるかい?

君のことを信じる人が一人としていないとしても

僕は君の翼を広げる手助けができるんだ

【考察】

「君」と対比されていた「彼ら」は、「君」についてどう感じているのでしょうか。

何を作っているのか分からないけれど没頭していて声もかけられない「君」。

輪に入ろうとしない「君」を信用していないかもしれませんね。

今あるひび割れを直す、という彼らのタスクに加わろうとしないのですから。

しかし「僕」は、夢を叶えたいという強い思いを抱いているなら協力するよと歌います。

荒野に取り残されている「君」の背中に、しっかりとした翼が生えていることに気づいているのです。

誰もが個性を持っている

Though you claim
Though you claim you're not anyone
Anyone like me
Are you scared
Are you scared of me

出典: Middle Of Nowhere/作詞:Takeshi Hosomi 作曲:Takeshi Hosomi

和訳

君は主張するけれど

他の誰とも違うんだって主張するけれど

僕に似ている人だっていない

君は怖いのかい?

僕を恐れているのかい?

【考察】

「君」は個性的に生きることと孤独に生きることを混同しているのかもしれません。

自分は特別な人間だと思い込み、実はそれを盾にして孤立な自分に言い訳をしているだけなのです。

「僕」の言葉がとても深く、強いですね。

誰もがオンリーワンであり、似ている人など存在しないのです。

自分とは異質の人を拒むということは、「君」は「僕」のことも拒むということ。

しかし「scare」=恐れるという言葉が使われていますね。「deny」=拒むではないのです。

つまり、受け入れないフリをしているけれど、本当は受け入れるのが怖いのでは?と問いかけているのでしょう。

個性を見せること・受け入れることの大切さ

「僕」は「君」に随分とこだわっているように思えます。

それには理由がありました。

両手を広げて待つ「僕」の優しさ

Think about your situation
Understand your refusal

出典: Middle Of Nowhere/作詞:Takeshi Hosomi 作曲:Takeshi Hosomi

和訳

君が置かれている状況について考えるよ

君の拒絶を理解するよ

【考察】

「君」がなぜ周囲の存在を受け入れようとしないのか、「僕」は何となく分かっているのです。

その理由は「理解されたい」「受け入れられたい」という願望が強すぎるからなのです。

自分の願望が叶わず誰かに否定されて傷つくのが怖いから、「理解して」と言えないのではないでしょうか。

「僕」はそんな「君」に優しく声をかけています。

「君」の理解者、あるいは理解したいと思っている者が近くにいるよ、と。

「僕」は「君」を傷つける気は毛頭ないのです。だから恐れなくても良いよと伝えます。

両者の感情がぶつかる

Disagreement disappointment
Disapproval discontent
Your conviction your stubbornness
Your emotion your confusion

出典: Middle Of Nowhere/作詞:Takeshi Hosomi 作曲:Takeshi Hosomi

【和訳】

意見の食い違い 失望

非難 不満

君の信念 君の頑固さ

君の感情 君の戸惑い

【考察】

ここに並ぶ言葉はどれも、行き過ぎると他者との間に軋轢を生むものばかりです。

前者四つについては、「彼ら」から「君」に向けられる感情がメインでしょうか。

お互い相容れないからこそ、両者はお互いを拒絶しています。

自分の理想とは違う人間だと分かった途端、勝手に失望します。

個性を受け入れようとせずに「変わり者」扱いをし、ひび割れの修復に協力しない「君」を責めるのです。

一方、後者の四つは「君」の中に生まれる思いです。

個性を貫きたいという思いは一貫していて素晴らしいものかもしれません。

しかしその裏に、自分の個性とは異なるものを認めようとしない頑固さも持っています。

「彼ら」に否定されたことで「君」の心の中には怒りや悲しみがこみ上げたことでしょう。

それは「君」が持って然るべきものです。

しかし、自分とは違う者として拒絶してきた「彼ら」に感情をかき回されているからこそ怒るし、悲しい。

相手にしなければ良いのに、いちいち腹を立ててしまうのです。

「君」は強くて美しい

I won't deny you I won't ignore you
Do you hear me as I sing here

出典: Middle Of Nowhere/作詞:Takeshi Hosomi 作曲:Takeshi Hosomi

【和訳】

僕は君を否定しないよ 僕は君を無視しないよ

僕が歌っているのがそのまま君に届いているかな

【考察】

「君」は「彼ら」との間に大きな壁を置いているつもりですが、実はその壁を置いたのは「彼ら」なのかもしれません。

「彼ら」は「君」の頑なな態度に呆気にとられ、距離を置くことに決めたのです。

そのことを「僕」は分かっていますし、その原因が「君」にあることも分かっています。

本来であれば自業自得として放置しても良いぐらいでしょう。

でも「僕」は、「君」を見捨てません。

なぜならば、「君」の個性は素晴らしいものだと認めているからにほかなりません。

集団から外れてもなお自分の思う通りに行動を続けるには、心の強さが必要とされます。

ですから「君」は強い人なのです。

何より、「君」の背中には立派な翼が生えています。そこに「僕」は可能性を感じているのでしょう。

傷つけたりしない、あざけ笑うこともしないよと、切々と歌って伝えようとします。

最後の歌詞に含まれている「as」は重要な意味を持っています。

「as」は、それを挟んだ両者がおよそ等価であることを示すために使われます。

つまり、「君」の耳に届いている歌と「僕」が歌っている曲がイコールかな?と問いかけているのです。

分かりやすく訳すと、「僕」の思いが届いているかな?という意味になるのでしょう。

いつだって一人じゃないと思える『Middle Of Nowhere』