華原朋美【夢やぶれて-I DREAMED A DREAM-】
華原朋美の復帰作
音楽プロデューサーの小室哲哉に才能を見初められ、1995年に華々しくデビューした華原朋美。
誰もが憧れる美しい容姿と、圧倒的な歌声で瞬く間に人気アーティストの仲間入りを果たしました。
しかし、1999年頃からは体調不良が続き2007年には芸能界を長期休養することに。
様々な報道と憶測が飛び交う中ついに2012年、テレビ番組『FNS歌謡祭』で復帰しました。
その後、2013年に復帰作として発売されたのが【夢やぶれて-I DREAMED A DREAM-】。
この作品はミュージカル『レ・ミゼラブル』の劇中歌を日本語訳したもの。
日本版ミュージカル『レ・ミゼラブル』で岩崎宏美が歌っていた訳詞と同じです。
また、ジャケットに映る、こちらを一点に見つめた華原朋美の姿には意味があります。
ジャケット写真の意味については以下の通り。
ジャケット写真は、「レ・ミゼラブル」へのオマージュも込め、“傷つきながらも希望を捨てず生きる女性像”を描こうというコンセプトのもと制作された。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/夢やぶれて_-I_DREAMED_A_DREAM-
楽曲は『レ・ミゼラブル』のヒロインの心情を表したもの。
しかし、華原朋美自身の活動休止中の想いも同時に読み取れます。
彼女だからこそ歌える切ない楽曲に感動すること間違いなしです。
その辺ともリンクさせながら歌詞の解説を見てみてください。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』とは
華原朋美が日本語カバーした楽曲【夢やぶれて】はミュージカル『レ・ミゼラブル』の主題歌。
フランスの小説家ヴィクトル=マリー・ユーゴーによる同名の小説が原作です。
1980年に初めて、ミュージカルの前身となる作品がパリで公演開始。
その後は国内外問わず上映され、日本では1987年に帝国劇場で初演されました。
この作品の舞台は、1815年から1833年までのフランス。
作品の内容について、Wikipediaでは以下のように記載されています。
原題 Les Misérables は、「悲惨な人々」「哀れな人々」を意味する。
1本のパンを盗んだために19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描く作品である。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/レ・ミゼラブル
かつて人々から冷酷に扱われていた主人公がある司教に出会います。
初めて愛を持って接してもらったことで正直に生きることを決めた主人公。
その後ヒロイン・ファンティーヌに出会い彼女の悲惨な状況を救おうとします。
しかし、物語中盤で彼女はお金のため売春婦になることに。
【夢やぶれて】は、そんなヒロインが初めて身体を売った後に歌われる楽曲。
美しく綺麗な楽曲ですが、伝わってくる絶望感に胸が締め付けられます。
この楽曲はアメリカのオーディション番組で、ある出場者が歌唱したことでも話題に。
出場者の名前は、スーザンボイル。
日本でもニュースとなったため、この時に初めて楽曲を知ったという人もいるのではないでしょうか。
また、彼女だけでなく海外でも日本でも多くのアーティストにカバーされています。
若く未熟な自分
愛があれば救われる
夢を見ていたわ
望み高く生きて
愛がすべてだと
神は許し給うと
若く勇気溢れ
夢は輝いてた
自由にはばたき
歓び追いかけた
出典: 夢やぶれて-I DREAMED A DREAM-/作詞:Herbert Kretzmer 訳詞:岩谷時子 作曲:Claude-Michel Schonberg
大切な自分の身体をついに男性に売ってしまったヒロイン・ファンティーヌ。
そんな絶望の中、自身の若い頃を思い出します。
汚く悪意に満ちた世界など知らず、無邪気に生きていたあの頃。
人に優しく愛を持って接すること。
綺麗な心で自分の夢へと真っ直ぐ生きること。
そんな自分をきっと神様は見てくれていると信じていたのです。
彼女には働いてお金を稼ぐため、ある夫婦へと預けた1人娘がいます。
女工として厳しい環境下で働いている彼女は娘に会うことだけが希望だったのでしょう。
きっといつか会える。
そう思っていたのに、彼女は工場をクビになったのです。
ヒロインを襲う絶望
人々の悪意
夢は悪夢に
狼の牙が
望み引き裂き
夢喰いちぎり
出典: 夢やぶれて-I DREAMED A DREAM-/作詞:Herbert Kretzmer 訳詞:岩谷時子 作曲:Claude-Michel Schonberg