【ごめんね】に込められた想いとは
「ごめんね」という言葉を口にするのはどんな場面でしょうか。
悪いことをしてしまったとき。
まわりに迷惑をかけてしまったとき。
相手を傷つけてしまったときでもあるでしょう。
謝りたい気持ちがあっても素直に口に出せない言葉かもしれません。
今回ご紹介する【ごめんね】は米津玄師の9thシングル「Flamingo」のカップリング曲です。
独特な浮遊感と前衛的なサウンドに溶け込んだ日本文化を感じさせる「Flamingo」。
内なる衝動がバンドサウンドに乗って解き放たれる「TEENAGE RIOT」に続き、シングルの最後を飾る楽曲です。
光のあたたかさに包まれるようなサウンド。
そしてそこに置くように紡がれていく歌詞。
優しい言葉でまっすぐに綴られていく【ごめんね】の歌詞の意味を紐解いていきます。
“君”という存在
“君”に話したいこと
バカみたいな夢を 笑わないで聞いてほしい
日が暮れる前に 話しておきたい
出典: ごめんね/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
シンプルな表現で続く言葉からは主人公の真剣さが窺えるようです。
これから話したいのは主人公にとって大切なことなのでしょう。
二人はいくばくかの時間を共に過ごしていた様子。
しかし日が傾くまで主人公はずっと言い出せなかったのかもしれません。
“バカみたいな夢”と前置きされていることからあまり自信を持っていないようにも感じられます。
こんな話をしたらおかしく思われてしまうだろうか。
不安な気持ちを抱えながら主人公は会話を切り出したのです。
優しい“君”
君みたいに優しく なりたいだけ
祈る声は激しく あと少しだけ
心の底から触れ合うまで
君と繋がっていたいだけ
出典: ごめんね/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
主人公が“君”に対して持っているさまざまな感情が読み取れます。
それは単なる好意に止まらず“君”を心から大切に想い、憧れに似た尊敬の念も抱いているのでしょう。
誰に対しても思いやりを持って優しく接する“君”。
優しさだけでなく凛とした強さも持っているようです。
自分もそんなふうになれたらどんなにすてきだろう。
もっと近づきたくても躊躇してしまうほど主人公にとって“君”は眩しい存在なのです。
仲良くなりたいと思う気持ちに比例して嫌われたくないという感情も生まれてしまいます。
だからこそ優しい“君”の本心を聞くことを恐れているのかもしれません。
お互いに本音をさらけ出して本当の意味で理解し合いたい。
心を通わせることを願ってもなかなか一歩を踏み出せないようです。
“君”と繋がっていたい理由
弱い自分
泣きじゃくるだけじゃ 何もないとわかったから
傷つけたことを 謝りに行こう
出典: ごめんね/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
主人公は最初はただ“君”のそばにいられるだけで満足だったのかもしれません。
しかし一緒にいるうちに“君”の優しさに触れ、“君”は特別な存在になっていきました。
自分の甘えから“君”を不用意に傷つけてしまったこと。
後悔して自分を責めて泣いてもなにも解決しません。
余計に弱い自分がみじめになってしまうだけです。
“君”が大切だからこそ謝りたい。
謝って自分の気持ちを素直に伝えようと主人公は勇気を出したのでしょう。
“君”がいてくれたら
いつまでも近くに いてほしいだけ
さよならが言えなくて 恐ろしいだけ
溢れる光に手が震えたって
君となら強くなれるだけ
出典: ごめんね/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師