ただ遠くはなれても
君が笑うため
どこ吹いた風でした
くるりかざぐるま
待つことも恋でした
くるりかざぐるま
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
2人の失恋から、その後の僕の覚悟が分かる部分です。
遠くという言葉から、2人はもう再会も叶わない手の届かない場所へ離ればなれになってしまうことがわかります。
何よりも彼女の幸せを願い続ける僕。
そして、今まで彼女を想い焦がれていた日々を大切な恋の思い出として心に刻んだ僕。
恋の苦しみを思い出として封印したのですね。
幻想だった夢に見切りをつけ沈んでいく
君が沈むまで
僕と沈むまで
幸せな夢の中で
きれいに泳げたの
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
最後の歌詞。
沈むとはどういう意味でしょうか。
これは死をも予感させる永遠の別れのような響きを持っています。
しかし、死以外で考えていくと、今まで吹いていた風が静む=沈むという解釈もできます。
風がおさまると、今までの風とかざぐるまの心地よい関係も消滅し、かざぐるまの動きも止まります。
想いあっているがどっちつかずの2人の淡い恋心は消え、夢見ながら泳ぐこともできなくなります。
静かに2人の恋物語、夢物語は幕を閉じたのでした。
映画「蝉しぐれ」のイメージソング
歌詞と重なる蝉しぐれの物語とは?
かざぐるまは、2005年に東宝系で公開された『蝉しぐれ』という映画のイメージソングになっています。
『蟬しぐれ』(せみしぐれ)は、藤沢周平による日本の長篇時代小説。
藤沢作品の中でも代表的な小説のひとつである。
出典: http://ja.wikipedia.org/wiki/蝉しぐれ
イメージソングであることから、非常に歌詞と物語はリンクしています。
若き日の初恋から物語は始まる
15歳の牧文四郎は、市中の剣術道場と学塾に通い、親友である小和田逸平や島崎与之助との友好を温めながら、隣家の娘小柳ふくに淡い恋心を抱いている。
出典: http://ja.wikipedia.org/wiki/蝉しぐれ
「かざぐるま」の冒頭歌詞の十四、五のという年齢と、上記の蝉しぐれに登場する文四郎の年齢は一致します。
さらに、隣の家のふくに密かに抱く恋心は、歌詞に綴られている「照れ隠し」とリンクします。
しかし、彼女は藩主の奉公人として江戸へ行ってしまいます。
歌詞冒頭の気持ちを伝えることができないままの2人の別離と心境が重なります。
身分の差ができてしまった2人
ただお目にかかるため
君がまわるため
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志