この箇所は、ふくが藩主の妾となっており子どもを身ごもっている立場からわかる言葉でしょう。
ふくにも気持ちはあるとはいえ、2人には歴然とした身分の差ができてしまいました。
ところがふくの身に危険が迫ったため、文四郎は一時的な逃亡に手を貸し彼女を救います。
しかし、藩主に逆らって彼女と結ばれることは叶いません。
二度と会うことはない最後の別れ
ただ遠くはなれても
君が笑うため
どこ吹いた風でした
くるりかざぐるま
待つことも恋でした
くるりかざぐるま
君が沈むまで
僕と沈むまで
幸せな夢の中で
きれいに泳げたの
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
最後の儚い恋心が幕を閉じた歌詞は、ふくと文四郎が再度再会し、別れるシーンにつながります。
藩主は亡くなり、ふくは出家の道へ進むことを彼に伝えます。
出家=尼になるということは、もう結婚はせず、俗世にも出ず、寺の中でずっと生きていくということ。
もう二度と2人は会うことがないということがわかります。
せめてもの救いは最後の別れの前に2人が愛し合うことができたという事実でしょう。
ここで風は止み、かざぐるまも止まります。
このように、一青窈の「かざぐるま」の君と僕は「蝉しぐれ」のふくと文四郎を基にしていることがわかります。
なぜかざぐるまなのか?
なぜこの曲を一青窈は「かざぐるま」というタイトルにし、風とかざぐるまを2人の関係に例えたのでしょうか。
これは2つの意味を予測することができます。
1つ目は、かざぐるまは日本に古来から伝わる物。
武家の子どもたちの幼年時代から青年期までを綴った、昔の日本の物語である蝉しぐれ。
そのイメージと重ね、古風なかざぐるまを曲として使ったのではないでしょうか。
2つ目は、かざぐるまは幼い子どもが昔から遊んでいたおもちゃ。
息を吹きかけるとまわるだけで、子どもは楽しめます。
こうしたかざぐるまの要素が、14歳~15歳の幼い子どもたちの淡い恋心の始まりを表しているとも考えられます。
一青窈の魅力が詰まったベストアルバム
2006年に発売された一青窈初のベストアルバム「BESTYO」。
こちらに今回紹介した「かざぐるま」も収録されています。
ハナミズキやもらい泣きなどの数々のヒット曲も収録されており、一青窈の魅力が伝わる一枚となっています。
ぜひ聴いてみてくださいね。
最後に
哀愁にひたれる一青窈のおすすめ曲ランキング - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
2002年のデビュー以来第一線で活躍し続けるシンガー・一青窈。今回は一青窈のおすすめ曲をランキング形式で紹介します。一青窈のおすすめ曲はどの曲も哀愁たっぷりで、聞けばあなたも、もらい泣きしてしまうこと間違いナシ?
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