生きるために死ぬか もしくは
死ぬために生きるか
答えならば後者 それが私たちの宿命だ、
だが、身を削る意味を履き違えて、
この身を滅ぼす民を
この目で何人も見てきた。
犬や猫にだって勿論、痛みは存在する。
愚かな人間によって支配されたこの地球、
自由な現状にこそ縛られ、幸せを見定め、
自らの力では生きることは到底不可能だ。
出典: 迷宮壁/作詞:GADORO 作曲:横山克
どんな人であれ、いつかは必ず死にます。
いつか訪れる死に向かって、残された時間を毎日過ごしているのです。
生きている以上、その宿命から逃れることはできません。
人生は有限だからこそ、毎日を一生懸命生きないといけない。
ただ、中には一生懸命頑張りすぎてしまい、自ら命を絶ってしまう人も数多くいるのです。
寂雷先生はそのことを深く悲しんでいるのでしょう。
そして、おかしな今の世の中のことを「愚かな〜」と表現しています。
深く傷ついて命を絶ってしまう人が絶えないこの時代に失望しているようにも見えますね。
最後は笑いながら眠りにつきたい
表現すら音楽。
変わり映えの無い明日を 待ち望むか恐れるか
どちらにせよ時計の針は左には進まない。
わかってる、街並みは騒いでる。
雑踏に紛れ込んだ民たちもいずれ息絶える。
明日かもしれない。
いや今かもしれない。
だとすりゃ笑ってられない。
黙ってはいられない。
正解はない、だが追い求め走りたい。
嘲笑いも仕方ない、命は儚い、
ならばこの身一つで死ぬ直前には笑いたい。
出典: 迷宮壁/作詞:GADORO 作曲:横山克
どんなに昔に思いを馳せても、過去に戻ることはできません。
だから、今この瞬間を一生懸命生きるしかないのです。
たとえこの先に待っている未来が絶望的なものだったとしても、ひたすら前に進むしかできません。
自分がいつ死ぬのか。それは誰にも分かりません。
明日かもしれませんし、今日かもしれません。
はたまた遠い未来という可能性だって大いにあります。
終わりがいつ来るか分からないからこそ、有意義な人生を過ごしたいと寂雷先生は考えているようですね。
そして、どんな未来が待っていたとしても、最後は笑顔で人生を締めくくりたいと思っているようです。
寂雷先生が抱えている疑問
(※)なあ?死んだら何処に向かうんだろう。
生きている私らに分かりはしない場所。
地球は何故丸いのに尖っているんだろう。
憎しみを抱き、啀み合いを繰り返すの?
出典: 迷宮壁/作詞:GADORO 作曲:横山克
この4行に書かれている内容は、恐らく寂雷先生が常に抱いている大きな疑問なのでしょう。
死んだらどこにいくのか。
地球の形は丸いのに、なぜ争いやいがみ合いがなくならない(=尖っている)のか。
その答えは、寂雷先生でも出すことはできません。
寂雷先生だけでなく、多くの人間が抱えている大きな疑問といえるのでしょう。
絶望的なこの時代に生きる寂雷先生は何を思う…?
「幸せ」や「生きる意味」って何だろう?
生きることが生きがいか?
幸せとは何か?
探してるつもりなのに分からないままなんて、
笑わせてくれるな。
嘲笑って見てる奴。
誰かが逝けば また騒ぎ立てるんだろう?
出典: 迷宮壁/作詞:GADORO 作曲:横山克
この世に生を享け、厳しい時代を生き抜いているというのに、多くの人は「幸せ」や「生きる意味」を見失っています。
寂雷先生自身も、きっと「幸せ」や「生きる意味」の答えを探し続けているのでしょう。
しかし、いまだにその答えは見つかっていないようです。
「アイツ」って誰のことを指している?
いつしか繋がれたチェーンで身動きも取れず、
塞がれた鼓膜でも 伝えたいリアルがある。
12色の色彩じゃ収まりきれないほどの
何種類の声や表情がある。
一筋の光明、手を伸ばす、
記憶にも残るの?
今も尚、蔓延ってる、世の不条理、
誰だって笑いたい。誰だって夢見たい。
なあ 息絶えたアイツだって
生きたかったはずだろ。
(※くりかえし)
出典: 迷宮壁/作詞:GADORO 作曲:横山克
「12色」とは、シンジュク、イケブクロ、シブヤ、ヨコハマのチームメンバーのことを指しているのでしょう。
この曲がリリースされた当時は、この4つのディビジョンしか登場しておらず、メインキャラクターも12人だけでした。
そのため「12色」といっているのだと思われます。
この世の中に絶望している寂雷先生。
でも、だからといって、人生を諦めたわけではありません。
各ディビジョンにいるラッパー達を通して、この世の中に様々なことを訴えかけることができる!と信じているのでしょう。
寂雷先生にとってラップは「一筋の光明」なのです。
そして、ここで登場する「アイツ」とは、恐らく今まで関わってきた多くの死んだ患者を指しているのでしょう。
元殺し屋という設定もあるので、自分が過去に殺してしまった人も含んでいるのかもしれません。
また、寂雷先生が軍医をしていた時、神奈備 衢(かんなび よつつじ)という後輩と一緒に働いていました。
衢の生死についてはリリース時点では明かされていませんが、寂雷先生にとって特別な存在であったことは間違いないでしょう。
そのため「アイツ=衢のことでは?」と考察している意見もわりと見受けられます。
人の愛や優しさがなくなってしまうことはない
誰も教えてくれる訳なんてなく。
孤独でも身を削り追い求める術を知る。
足掻いても生きてやれ。
疑いも必要だ、
傷の舐め合いはせず、自らで血を洗え。
時代が変わろうと、
人の真心は変わらないから。
苦い経験も甘い蜜にきっとなる。
嫉妬や妬み 誹謗中傷に
敗北を喫する負けざまなど
私はこれ以上は見たくない。
出典: 迷宮壁/作詞:GADORO 作曲:横山克