冬の風 帆を広げ
それはまるで 遠き日のあなたの様に
今夜 背を押してくれる様な 愛の唄を歌おう
出典: Sailing/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大
次に描かれるのは、厳しい冬の風景。
冷たく厳しい風が吹いています。
しかし、船を進めるためには帆に受ける風が必要なのです。
歌詞の主人公は、その風が「あなた」のようであるといっています。
「あなた」は誰を指しているのか考えてみましょう。
その「あなた」の直前、2行目「遠き〜」という部分から、昔出会った誰かを指していると分かります。
恐らくそれは、主人公の昔の恋人なのではないでしょうか。
3行目「愛の〜」といっていることからもそれが分かります。
どれだけ厳しい環境でも、過去の「あなた」を思い出して進むことができる。
それは、共に過ごした幸せな思い出があるからでしょう。
それが主人公の背中を押しているのです。
2番
Aメロ(2番)
かみしめた唇で そっと確かめていたのは
選んだ日々の正しさよりも暖かさ
出典: Sailing/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大
2番のAメロでは、過去の選択について振り返っている様子が描かれています。
今までの自分が選んできた道が、どのような結果になったのか。
それは自分が一番知っています。
しかし、その道が正解だったかどうかよりもまず、そこにあった日々の大切さ。
過ぎてしまった日々のかけがえのなさを感じているのでしょう。
冷たい海の上でひとりぼっち。
そんな中でも、過去を振り返って心に感じるのは、思い出の暖かさです。
それが彼女の航海の支えになっているのでしょう。
灯台を目指して
Shining like a lighthouse
夜凪の向こうで いつからそこに佇んでいたの?
風が来れば行ったり来たりで ここがどこか わからなくなる
それでも今は 北を目指し続ける
出典: Sailing/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大
ここからはBメロに入ります。
1行目を和訳すると、「灯台のような輝き」という意味です。
2行目「夜凪〜」というのは、風が止んだ夜の海を表しているのでしょう。
3行目では、人生という航海の中で、様々な出来事により、船が揺られている様子が浮かびます。
進みたい方向とは違うところからの風に吹かれているのでしょう。
そのせいで船の進路が変わり、自分の居場所さえ分からなくなってしまいます。
しかし、主人公はどんなことがあっても進み続けているのです。
そして、4行目「北を〜」という言葉が表しているのは空に輝く「北極星」のことでしょう。
ここまで読むと、1行目が表していた「輝き」の正体が「北極星」であると分かります。
このパートでは、人生を夜の海での航海に例えているのです。
見上げた空に輝く「北極星」を目指して、主人公はその光を頼りに進み続けます。
それは彼女にとっての「希望の光」を意味しているのでしょう。
迷っても夜空に光る「北極星」が行き先を照らしてくれるのです。
自分だけの航海
Sailing miles away 誰のため?
枯らした声で高く遠く響け この海を越え
後悔や戸惑いに消えた言葉たちを乗せ
出典: Sailing/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大
ここから大サビに入ります。
ここで描かれているのは、航海を続ける主人公の姿です。
元いた場所から何マイルも離れ、航海を続ける彼女の姿があります。
2行目「枯らした〜」が表しているのは、その海の上で歌う主人公でしょう。
声が枯れるほど歌い続け、どこか遠くで同様に航海を続ける誰かに向けて、歌を届けようとしています。
3行目「後悔や〜」という歌詞では過去の自分が言えなかった言葉のことを指しているのでしょう。
その言葉を歌として誰かに届けようとしています。
このパートの歌詞によって、主人公とAimer自身が重なるのです。
歌を届けることを使命として、航海を続けるAimer。
私たちに届くように、彼女は海の上から声を枯らすほど歌い続けています。
夢の果て 船の上
空はまるで 笑っている 「朝はそこに!」
今夜 手に取ったオールを置いて すこし眠ろう
出典: Sailing/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大
このパートが、この曲の最後の歌詞です。
歌をうたい、ふと空を見上げると、そこには夜明けが見えていました。
もうすぐで朝が訪れることを喜んでいます。
それは希望の朝のことを意味しているのでしょう。
辛く長い航海を乗り越え、希望が見えてきています。
主人公はその希望を目の前にして、船の上で久しぶりの眠りにつくのです。
ずっと握りしめていたオールから手を離し、これからの日々を夢見ながら。
少しの安心感とこれからへの期待を胸に、束の間の休息を得るのです。
この歌詞の中で描かれている主人公は、新たな未来を掴み取ろうとしています。
運命に頼るのではなく、自分の将来を自分で選択していこうとしているのです。
歌詞中で描かれるその勇気は、私たちにも力を与えてくれます。
この楽曲は私たちに、自分自身で未来を勝ち取ることの大切さを教えてくれているのです。