2番の歌詞をチェック
夢が進化した
小さな頃に見た 大きな羽のカイト
思い出よりとても古く
小さい姿でいた
憧れた未来は
いつもの右ポケットに
誰も知らない物語を
密かに忍ばせて
出典: カイト/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
さらに2番Aメロの歌詞へと解釈を進めていきましょう。
ここでは大人になって思い出した凧を、改めて実際に見てみた様子が描かれています。
そのときに感じたのは、想像していたより古く小さかったということ。
この具体的な描写によって大人になった今、抱いている感情との対比が浮き彫りになっています。
つまり子どもの頃に描いていた未来は、大人になってみると古く小さいものに感じられたのでしょう。
大人になった今は、子ども時代より大きく新しい夢を抱いているようです。
希望を抱き続けることをやめなかったから、夢が進化したと捉えることもできるでしょう。
その進化した夢の内容はポケットにしまわれていて内緒という話ですね。
友との繋がり
友は言った「忘れない」と
あなたは言った「愛してる」と
些細な傷に宿るもの
聞こえて来る どこからか
出典: カイト/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
こちらは2番Bメロです。
ここでは友との絆が描かれています。
恋人も含まれるかもしれませんが、大雑把にまわりにいる仲間と捉えればいいでしょう。
たとえ傷つくような出来事があっても、誰かが存在を思い出し、愛情を注いでくれているということ。
このあと1番Cメロのサビが繰り返されます。
そのため実際にこの歌物語の主人公が凧を思い出し、風、歌、夢へと愛をふくらませる状況も重なります。
3番の歌詞を見よう!
凧に乗せた想い
嵐の中をかき分けていく
小さなカイトよ
悲しみを越えてどこまでも行こう
そして帰ろう
その糸の繋がった先まで
出典: カイト/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
2番のあとはこれまでに登場していない新たなメロディーが展開される、3番Dメロが続きます。
そのあとは「風が~」のサビを繰り返して幕を閉じますので、解釈する歌詞はここが最後です。
国民的アイドルグループ嵐については皆さん募る想いがあることでしょう。
ただ嵐そのものは一般的な言葉です。
雨が強く降る激しい風、そんな気象の「嵐」が歌詞に登場しています。
嵐というグループが歌詞の情景描写の一部として「嵐」という言葉を歌っているわけです。
非常にエモーショナルでしょう。
そのため「凧→風→嵐」という流れを描きたかったのでは?と解釈することができます。
凧は風がなければ飛びませんが、逆に風が激しすぎても順調に飛ばし続けるのは難しいですね。
気象の嵐のような状態を人生にたとえるなら、悲しみで心が満たされた時期になるでしょう。
どんなにつらい状況に陥っても、凧を飛ばし続けようという話です。
つまり、この凧に乗せた想いとは子ども心=夢ではないでしょうか。
糸の繋がる先はどこ?
凧にとっては風だけでなく、糸もまた重要な存在です。
糸がなかったり切れたりすると凧はどこかへ飛んで行ってしまいます。
凧を順調に飛ばすことができるのは、糸という繋がりがあるから。
この具体的な表現に重ねられたニュアンスを読み取ってみます。
「夢を実現できるのはまわりの人々との絆があるから」になるでしょう。
これまでに「父、母、友」という言葉で描かれていましたね。
ここには家族や兄弟姉妹、親戚、職場の同僚、学校の先生、仲間や恋人など様々な人間関係が含まれるでしょう。
凧の糸は嵐のような状態のときもあなたを忘れずに思い出す、まわりの人々に繋がっているという話でした。
最後に
いかがでしたか?
嵐×米津玄師「カイト」は繋がりがテーマの心にしみる名曲でしたね。
生きていれば無風状態のような停滞期も、嵐が吹き荒れるような大変な時期もあるものです。
それでも、この歌自体が皆さんにとって忘れられない愛情そのものとして長い人生に寄り添ってくれるでしょう。
そんな嵐の忘れられない曲といえば「Turning Up」を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。
OTOKAKEでは同楽曲の歌詞解説記事もご用意しています。引き続きお楽しみいただいてはいかがでしょうか。