第10位『浪漫非行』
今回はラップ・シンガーDAOKOのおすすめ曲ランキングTOP10を発表させていただきます。
そもそもDAOKOは全曲おすすめではあるので困り果てました。
そこで今回は歌詞に焦点を絞りランキングを独自に発表いたします。
さっそく第10位は「浪漫非行」です。
童謡からインスパイアされた歌詞がすごい!
赤い靴履いた
少女が入っていった
アヤカシの道
誤ちの陣地
電信柱に寄っかかって
少年少女囲んだら
かごめかごめ 『遊んで?』 「後で。」
じゃんけんぽん ケンケンパ
出典: 浪漫非行/作詞:DAOKO 作曲:DAOKO、DJ6月
「浪漫非行」は童謡「赤い靴履いていた女の子」と「かごめかごめ」をモチーフにしています。
2曲とも童謡ながら悲しい結末を暗示させることは周知の事実ですね。
往年のヒット曲名をパロディにしたタイトルからも当時のDAOKOのダークサイドが垣間見えます。
でっかい声の宣伝カー
永遠ダラダラ 言ってたから
おもいッきり 蹴ってやった
名声ばっか欲しいのは馬鹿
裸のがまだ付してるから
逆さまなあんたにアレンジしたんだ
地団駄 異端者=サブカルチュア
数ある量産型は 散々だ
降参します わたし境界線を横断します
河川敷に放おってあった本を読んだ
おとなになった もうわたし
こどもじゃないんだ
出典: 浪漫非行/作詞:DAOKO 作曲:DAOKO、DJ6月
ここで歌われる宣伝カーは嘘くさい政治家=欺瞞ばかりの大人を暗喩しています。
そんな大人に唾を吐きつける少女から大人になりつつある葛藤が表現されています。
残酷な物語を子供に平気で歌わせることができる大人たちへの嫌悪感。
でも自分もいずれ大人と言われる年齢に達してしまいます。
サビで歌われる「アヤカシの道」と「誤ちの陣地」は大人の世界のことなのですね。
大人=嘘と同調圧力の世界
誤解を解する愛すべきなんて素敵な作り話
真っ赤っ赤で笑っちゃつた
右?左? 君、なにしたい。
気にしない 耳塞いでウェッティなノイズ
ペッしなさい! え、聴かない。
コメント禁止 じゃ一生冷凍トレード
此れ以上おなかいっぱい
終わらしたい ってかまず始まってもない
出典: 浪漫非行/作詞:DAOKO 作曲:DAOKO、DJ6月
大人は嘘はいけないと子供に教えながら平気で嘘をつきます。
「コメント禁止」は空気を読んでの行動を同調圧力で強いられることへの嫌悪感。
「終わらしたい」のは死にたいのか、そんな大人にならない決意表明か?
意見が分かれそうな歌詞ですね。
この曲の描く世界観は同じ女性ラッパーのRUMIの「A.K.Y」に近いですね。
「浪漫非行」はDAOKOのインディーズ時代の作品「Gravity」に収録されています。
当時のDAOKOはラッパーとして認知されていました。
しかし明確な意味でのヒップホップカルチャーとは出自が異なります。
「自分に自信がなかった」と語る彼女はまた自己承認欲求も抱えていました。
その表現の手段として当時のDAOKOにはラップが一致していたのでしょう。
内向的な方は心の中に溢れ出すほどの「言葉」を内包しています。
DAOKOの当時の気持ちが素直に綴られているのが初期の楽曲の特徴なのですね。
第9位『ニルバーナ feat.Jinmenusagi』
続きまして第9位は「ニルバーナ feat.Jinmenusagi」です。
この曲は3枚目のアルバム「Dimension」に収録されています。
インディーレーベルLOW HIGH WHO? PRODUCTIONからの最後の作品です。