さっき彼が近づいてきたのは偶然なのでしょうか?
それとも向こうも意識して近づいてきた?
恋人になる前の、お互い照れ隠ししている様子が描かれています。
ここまでは乙女心を歌った純情な歌でした。
ここからが一気にPerfumeらしさ、近未来感が出てきます。
そろそろ帰らなきゃ
きらきら回る常夏 のんびりしたいけど
そろそろ未来に帰らなきゃ
出典: ナナナナナイロ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
Bメロ最後のフレーズで彼女が現代の人ではないことが明かされます。
彼ともっと思い出を作りたいけど、時間は待ってはくれません。
帰らなくてはいけない夏が、もうそこまでやってきています。
「彼の想いを聞きたいけど、このまま聞かずに終わりたい」
「好きって言ったら、私のこと嫌いになるかな」
何ともいえない彼女の心の揺れが伝わってきます。
未来の人も今の人も、いつの時代も恋は変わらないですね。
ナナイロに輝く
雨上がりにかかる虹
ナナイロ 広い空に 昇るキラメキ キミのヒラメキ
かわい色 にもなるかな きっと何にだってなれるはずの
出典: ナナナナナイロ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
ここでタイトルの「ナナイロ」が出てきます。
七色とはすべての色を含んでいる虹であり、想いなのです。
歌詞を紐解くと、二人は旅先で通り雨にあって雨宿りしているのでしょう。
雨が上がると空に大きな虹がかかります。
そして空に掛かった虹には、私の想いだけでなくキミの想いも乗っているのです。
二人はどんな色に染まるのでしょうか?
それは彼女たちで決められるはずです。
だって虹は七色なのだから。
私はナナイロになれる
旅して 恋もして 行きたい場所に 会いたい人に
トキメク いつも自由 ナナナナナイロ
出典: ナナナナナイロ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
彼女はこの旅でいろいろな人、物、場所にときめいていくでしょう。
そしてその度に彼女はかけがえのない経験をして、いろんな色の自分を知っていきます。
切なく甘酸っぱい青春の1ページとともに彼女の成長を感じることができます。
恋物語のなかにSF的な要素を混ぜ込んだ歌詞は、常人には真似できません。
このあたりが中田ヤスタカが持つ、独特な世界観を象徴していますね。
聴き終えただけで名作を見たような、そんな充足感があります。
旅を振り返る
楽しかった思い出
染まる この旅色に 染まる この秋色
染める この旅色に 染める この冬色
最終列車に飛び乗って キミと一緒にラララララ
染まる この旅色にさ
出典: ナナナナナイロ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
今度は秋と冬が出てきました。
しかし、彼女が夏に帰ることを考えると、これは1番の歌詞よりも過去の話であることが分かります。
彼女とキミは長いこと友達の関係であったようです。
ギリギリで電車に駆け込む二人の姿はとても楽しそうですね。
予定通りに行かない、旅のトラブルであり醍醐味ですね。
楽しい思い出を振り返りつつ、キミとはもう会えなくなると思うと胸が絞めつけられますね。
このあとはサビが繰り返され、二人のこれからは切なくも楽しそうなまま終わりそうです。
彼女の「旅」とは
歌を聴いていると、ここであれっと思った人もいるかもしれません。
恋人同士になる前なのに、この二人意外といろんな場所に出かけています。
友達だからと思えばそこで終わりなのですが、ここでは違う解釈を考えてみます。
歌詞の中で彼女は未来の人であることが語られています。
それを考えると「旅」とは、私たちと彼女の間では少し意味が変わってきそうです。
もしかしたら彼女の「旅」とは、未来から現代に来る時間旅行。
私たちの日常生活を体験することなのかもしれません。