ヒップホップドリームの実践方法
口よりも先に手が出る方だ
確実に的は狙えるフロウ
好きなことして金生もう
やめとけ誰かと比べること
調子どう?の答えは絶好調
死んでからぐっすり眠ろうよ
夢は三つ叶える神龍なしでも俺ならやれる
出典: The Professional feat. IO/作詞:ANARCHY,IO 作曲:KM
このバースで語られるのはヒップホップドリームを掴むための3ヶ条です。
1つ、仕事と遊びを混同すること。
2つ、人のマネはするなかれ。
3つ、死を迎えるまで常に努力を怠らないこと。
一流のビジネスマンは成功者の著作を読み漁ります。
ANARCHYの書くリリックは今や日本中のBボーイ達のバイブルとなっているです。
ヒップホップドリームを掴みたいなら7つのドラゴンボールを探すような他力本願はやめよう。
その時間を生活に根差した歌詞を書く時間に割り当てればいいのです。
これが王者たるANARCHYの信条なのでしょう。
Kandy boysのエリアに近づくな
I don’t need a new friend
I got my new chain
don’t need a new friend
欲に溺れてる奴ら見てる横目で
俺を知らない フリをしている
俺は稼げねえ キテるから近づくな (Stupid)
出典: The Professional feat. IO/作詞:ANARCHY,IO 作曲:KM
ここからはANARCHYからマイクを託されたIOのバースに入ります。
KANDYTOWNではメロウなトラックを使用することが多いIO。
この曲ではKM作のトラップビートに乗せANARCHY寄りの攻撃的なフローを聴かせてくれます。
IOがこの曲に乗せるメッセージは概略するとこうです。
「俺たちは仲間と勝手に稼ぐ、だから気安く近づくな」
どのような業界にも必ず存在するであろうお金に群がるハイエナのような人たち。
IOは彼らを「愚者」と見切りつつも、あくまでもクールに突き放します。
“オレは新たな鎖(で繋がれた兄弟)を手に入れた、お友達募集はしてねぇんだよ”と。
プロフェッショナルの流儀
Kandy boysのエリア
one for da familiar
比べるなよ俺と 落ち込むのはお前の方さ
常に狙うbetter 破壊しては変化
0時過ぎに暗い部屋で走り出すぜ
出典: The Professional feat. IO/作詞:ANARCHY,IO 作曲:KM
1行目が表すエリアとはKANDYTOWNのお膝元である地元の世田谷区。
同時に5行目の部屋、つまり彼らのパフォーマンスを行うステージに掛かっています。
その名もズバリなEP『LOCAL SERVICE』を久しぶりにクルー名義で発表したKANDYTOWN。
そのリリース日は逝去したKANDYTOWNの仲間YUSHIの命日でした。
“1人は家族のために”の家族はもちろんクルーを指します。
それほどまでに仲間との繋がりを大切にしているからこそ対人関係に明確な線引きをしているのでしょう。
またラッパーにとってマウンティング・ワードをいかにクールに決めるかは腕の見せ所です。
3行目でさらりと牽制し、4行目で鮮やかな押韻と共にその根拠を示します。
その根拠とはプロフェッショナルの流儀、つまり明確な目標と努力の桁が違うということです。
だから「KANDYTOWNに気安く近づくな」とIOは言い放ちます。
欲深い街で今日もサヴァイブ
まさかの子煩悩パンチライン
俺の息子お前より高い服を着てる
勝つために仲間と今もここにいる
お金だって大事 綺麗事は言わない
努力見せつけっか全て物語る
出典: The Professional feat. IO/作詞:ANARCHY,IO 作曲:KM
「仲間と家族を大切に」
この一見道徳の授業で習いそうなメッセージを格好良く聴かせてくれるのがIOなのです。
IOのお子様が何歳なのかは分かりません。
子供服にお金をかけるというのはある意味一番の贅沢です。
Chloé、GIVENCHY、Pucciなどのハイブランドの子供服は大人も羨むデザイン性に富んでいます。
そして1年後にはサイズもトレンドも変わっているので着られません。
この1行目のフレーズは誰もが認める『The Professional feat. IO』でのパンチライン大賞です。