朝焼けが必要だ
すこしゆっくりしたいな
何を始めよう
わくわくがますような
いつか必ず僕は君に答えて
出典: Lucky Ending/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
ここの歌詞では、主人公が大切な人と歩む人生を想像している様子が表現されています。
大切な人に何かしてあげたい。
けれど、こんなに不器用な自分に何ができるんだろう。
そんな不安と期待が入り混じった複雑な感情です。
不器用だけれど主人公は本当に心から相手を大切に想っているのでしょう。
大切な人と向き合うこと
別れへの恐怖
大事な話もすぐに茶化すような
僕は危なっかしくて心配したでしょう
切り変えが必要だ うまくやってみたいが
泣きたいな また散々だ 泣きたいな
いつか必ず立派な言葉を持って
出典: Lucky Ending/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
2番の歌詞では、楽曲の主人公がこれまでの自分を振り返っている様子が描かれています。
きっと今までは大切な人と向き合う勇気がなかったのでしょう。
一度きちんと向き合ったら、絆がどんどん深まってしまったら…そのぶん別れが怖くなるから。
けれど、これからも一緒に過ごしていくために向き合う決意をしたのです。
ただ最初から上手くはいきません。無意識に傷つけてしまったり、また話をそらしてしまったり…。
不器用な主人公は、その度に向き合うことに面倒臭さも感じているようです。
それでも最後には「いつかはきっと…」という主人公の諦めない姿勢を見ることができます。
『フルーツバスケット』を見ている人は「あの登場人物も不器用だったなあ」と想像して微笑ましくなるでしょう。
変わらない気持ち
誰だってわからないんだ
疲れた時には 宙に浮かんでいたい
君のもとへ流れてゆくから
everything faded
everybody faded
変わらないでいてずっとここにいて
出典: Lucky Ending/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
この世のすべては色褪せていきます。
どんなに誰かを大切に想っても、大切な思い出ができても「変わらない」ということはあり得ません。
けれど、主人公にとって「変わる」ということは何よりも怖いことなのです。
自分の気持ちは変わらない。
どんな時でも大切な人の側にいたい。
その気持ちはある意味、自分を苦しめる執着にもなってしまうでしょう。
『フルーツバスケット』でも、変わらないことに対して執着している登場人物たちがとても多いのです。
別れに対する恐怖からの解放
Cメロから最後のサビにかけては、主人公の別れに対する恐怖からの解放が描かれています。
主人公と大切な人の物語には、どんなエンディングが待ち受けているのでしょう。
それでは歌詞を解説していきます。
出会えた幸せ
さよならって言葉はこの世から
すっかり消えた
残るのは隣でふざける僕だけ
君が笑わない日はもう来ない
出典: Lucky Ending/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
1行目〜2行目の「さよならが消える」とは一体どういうことなのでしょうか?
それは、別にずっと大切な人と永遠に一緒にいられるという意味ではありません。
離れたくない、別れが怖いといった感情から解放されたという意味なのです。
実際には私たちの世界からさよならが消えることはありません。
互いが生きていても会えなくなる時もあるし、命が尽きて永遠に会えなくなることもあります。
けれど、別れを怖がってばかりでは心から幸せになることはないでしょう。
それよりもこの世界で大切な人に出会えた幸せを噛みしめること。
それが大切なのだと、主人公はわかったのです。
だから、これからはちゃんと大切な人と向き合うことができる。
相手を幸せにすることができる。そう、確信したのでしょう。
絆は切れない
ここにいてわかったんだ
まもりたい気持ちは勘違いじゃない
つなぐものを絆と言えたら
everything changes
everybody changes
違う世界にいても決して違わない
everything changes
everybody changes
変わらないでいてずっと
ここにいて ここにいて
出典: Lucky Ending/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
最後のサビ。ここで注目したいのが6行目です。
この一文は、インタビューでビッケブランカ自身も最強だと語っている歌詞。
なぜなら、そのたった一文にアニメの世界観をギュッと詰めることができたからだそうです。
主人公と関わる草摩一族は同じ人間ではありますが、かなり違う世界で生きています。
けれど抱える感情や孤独はみんな同じ。
そして、登場人物たちが互いを大切に想う気持ちも一緒です。
そこには、たとえ離れたとしても決して切れない絆があるのでしょう。
これはアニメの登場人物ではなくとも、楽曲の主人公にも、現実に生きる私たちにもいえること。
季節や自分を取り巻く環境も、人の感情もすべて移ろいゆく世界。
けれど心を通わせた人との絆は変わらず、あり続ける。