「君の名前を呼んだら素敵な名前と気付いた」ということは今まで気付いてなかったということですよね。
どんな状況でしょうか。気軽に名前を呼べない関係ということは、やっぱり怪しい関係です。
普通の恋人同士なら名前で呼びあってますよね。それができない関係性なんですね。
本当に会う機会が少なくて、名前を呼ぶ機会が少ないのかもしれません。
「僕は君を誰よりも上手に愛せてるかい?」と不安な僕の心情を告白しています。ますます怪しいです。
「君には旦那さんや恋人がいるけど、そいつらよりも僕は君を愛せているかい?」という気持ちを歌っているようにも解釈できます。
「誰よりも」と比べるということは、比較の対象がいるということですから僕は夫や君の恋人に嫉妬しているのでしょう。
比べる人がいなければ「僕は君を愛している」で済むわけですからね。
恋の炎に燃え盛った主人公
主人公の男性にとってこの女性は、恋の炎を燃え盛らせてくれるに十分すぎる存在でした。
だから出会ってからしばらくは相手の素性など頭にありません。
会えばお互いの恋の炎が燃え盛って逢瀬を楽しむばかりでした。
禁断の恋がこれほど主人公を燃え上がらせるとは、本人も想像できなかったのでしょう。
しかし、何回も会っているうちに主人公は徐々に落ちつきを取り戻しました。
「僕の愛し方は君を幸せにしているのかい」?
ある時、主人公は女性に聞いたのです。
その時からです。女性の名前に今まで感じなかった愛おしさを感じたのは。
女性のことを「君」と呼び合うような間柄に終止符を打ちたいとはっきり悟ったのです。
この女性を誰にも渡したくないと死ぬほど思い焦がれたのでしょう。
今は人目をはばかるけれど
今夜君のこと誘うから空を見てた
はじまりはいつも雨星をよけて
出典: はじまりはいつも雨/作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼
密会する予定の夜です。
「雨=障害=不倫という関係」で2人は会わなければいけません。
好きになってしまったら不倫だろうが浮気だろうが自分の心に嘘はつけません。突き進むか、やめるかしかありません。
2人は会う時はいつも雨が降っています。その障害を承知で逢引を重ねているのでしょうね。この2人の関係はどうなってしまうのでしょうか。
そして歌詞は1番のサビに入ります。
主人公の思いははっきりしてきましたが、まだ思い切った行動はとれません。
今まで通り、人目をはばかって逢瀬を楽しむだけです。
しかし、主人公の思いはこのままズルズルいくわけにはいきません。
機会をみて自分の意志を女性に告げるタイミングを窺います。
そして主人公の思いは2番の歌詞に表れてくることになってきます。
徐々に訪れてくる不安
部品とは?
君の景色を語れるくらい抱きしめ合って
愛の部品もそろわないのにひとつになった
君は本当に僕を愛してるかい愛せてるかい
誰よりも誰よりも
出典: はじまりはいつも雨/作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼
短い密会の時間の間に君の歩んできた人生のことについて色々話したのでしょう。君の想い出と僕の想い出を共有するように。
「愛の部品」とはなんでしょうか?
おそらく、「愛の部品」=「婚姻届」=「結婚している状況」ということはですね。
「愛の部品」を持っていないのにひとつになって愛し合ってしまった。やっぱり禁断の愛ですね。
許されない恋ですが2人は後戻りできません。すでにひとつになってしまったから。
ここでも「誰よりも君は僕を愛しているかい?」と不安の言葉を吐き出していますね。
惹かれ合っている2人ではありますが、非常にもろくて不安定な関係に不安がつきまといます。いつ、この関係がバレないかとハラハラしています。
しかし、その不安という感情が2人の気持ちを盛り上げているのが、さらにやっかいです。
不安が禁断の恋を燃え上がらせていますから。
もう誰にも渡したくない
主人公の男性は完全にこの女性の虜になってしまったようです。
愛しているときの一挙手一投足が全て絵のようになって記憶されます。
なのに、どこかに不安な気持ちがよぎってくるのです。
こんなに愛し合っていると思っていたはずなのに。
女性の気持ちがだんだん、つかめなくなってきているのでした。
「どうしてだろう?こんなに幸福感に浸っているのに」
主人公の脳裏に、フッと浮かんでくる悪魔のような囁きに恐怖します。
女性の心が段々、遠くへ行ってしまう恐怖感に耐えられない主人公なのでした。
そんな思いが最後の歌詞に凝縮されていきます。
交錯する希望と不安
はじまりはいつも雨
わけもなく君が消えそうな気持ちになる
失くした恋達も後をつけて
はじまりはいつも雨
出典: はじまりはいつも雨/作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼
禁断の関係ですから、いつ君が消えてしまっても不思議ではありません。
君の夫に不倫がばれてしまって慰謝料を請求されるかもしれませんよね。
この2人はこの関係を続けるのであれば、ずっと不安の中で過ごしていかなければなりません。
非常に苦しい心持ちですが、しかし、その一方でとても甘美な2人だけの快楽の世界も味わうことができます。
いつまで続けるつもりでしょうか。
別れて元のさやに戻るのか?ひとつになるのか?2人の未来を想像してみましょう。
最後の言葉の「はじまりはいつも雨」とはこういう恋しかできない自分の性格を嘆きつつも、受け入れている心情をうあっているのかもしれません。
「はじまりはいつも雨」の歌詞の世界はいかがだったでしょうか。
あなたはどの様にこの歌詞を感じましたか。
様々な解釈の可能性を考えながらこの曲を再び聴いてみるとさらに大きな世界が広がります。