永遠の「アイドル」
松田聖子という永遠
1980年に「裸足の季節」で鮮烈なデビューを果たした松田聖子。
デビューから30年以上が経過した今でも「アイドル」として活躍しています。
その歌唱力はデビュー時から超一級品。
1980年に引退した山口百恵さんは、デビュー後に力をつけた、「進化するアイドル」でした。
それに対して聖子さんは、デビュー時からすでに完成されていました。
少しだけハスキーな高音を操る歌声。可憐な仕草。
どこをとっても完璧な「アイドル」だったのです(もちろん、今でも)
「渚のバルコニー」
今回紹介するのは「渚のバルコニー」です。
ちなみにこの前のシングルは「赤いスイートピー」。
この時点で「チェリーブラッサム」「夏の扉」などの数々の名曲が生まれています。
「渚のバルコニー」の作詞は「はっぴいえんど」の松本隆さん。
まさしく黄金コンビです。
セブンスコードが多様されたコード進行がユーミンらしいですね。
今でも、名曲として親しまれています。
歌詞を考察!
いじらしさ全開!
少女の「企て」
渚のバルコニーで待ってて ラベンダーの
夜明けの海が見たいの そして秘密
出典: 渚のバルコニー/作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂
歌詞の主人公は1980年代当時の聖子さんのような少女でしょうか。
少女は意中の相手と共にバルコニーがあるコテージを訪れる。
コテージのそばには静かな海が広がっている。
そして丘にはラベンダー畑。辺りにはかぐわしい香りが漂っている。
少女は海の近くで夜明けを待っている。
黒く深い海が、朝日に照らされて輝く姿を見ようとしています。
でも、少女の本当の目的は海なのでしょうか?
もしかしたら、相手の男性を焦らしたいという思惑があったのかもしれません。
バルコニーの手すりにもたれながら、男性は少女を見つめる。
朝日に照らされた海と少女の姿は、それは美しいに違いありません。
少女は、朝日に照らされた海を見たいと言いながら、朝日に照らされた自分を見せたいのかも。
しかし、この部分は後の歌詞を見てみると違った姿に見えてきます。
お楽しみに!
少女と男性の距離感
右手に缶コーラ 左手には白いサンダル
ジーンズを濡らして泳ぐあなた
あきれて見てる
馬鹿ね 呼んでも無駄よ
水着持ってない
出典: 渚のバルコニー/作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂
この部分で気になるのは二人の「距離感」です。
少女は手にコーラとサンダルを持ちながら、泳ぐ男性を見つめています。
そして、男性が呼んでも「水着を持っていないわ」と言って少女は泳ごうとはしません。
男性の呼びかけをあしらう少女には、いたずらっぽい笑顔が浮かんでいたのでしょう。
近づきそうで近づかない。
でも、まったく離れるわけではない。
バルコニーで少女を眺める男性も、似たような距離感を持っています。
この二人の不思議な距離感がとても印象的ですね。
少女がどうして男性と距離を保とうとするのか。
その理由はあとで解明しましょう。