クリープハイプ【NE-TAXI】歌詞解説！昔の恋人に未練…投げやりになってタクシーに乗る前に聴こう！

過去と今と未来の間で行ったり来たりしている、自分を捨てた彼への気持ちと未練…。

ここではそんな厄介な感情をさらにこじらせてしまっている彼女の苦悩を歌っています。

彼には捨てられたけど、結局自分は彼を捨てることができないという現実に途方にくれているのです。

「左に曲がって！」と言った意味とは？

曲がった先には果たして何が待っているのでしょう？

彼女は自分のこじらせた気持ちにケリをつけることはできるのでしょうか？

振られた相手からの優しさは、時にはどんなに小さな優しさでも嬉しくて、大切にとっておきたいものです。

メールを送ったら必ず返してくれたりとか、会いたいと言ったら会ってくれるとか…。

彼のその優しさの形は実に多彩で巧みなのでしょう。

そして、「もしかしたら…」と淡い期待を抱いてしまうもの。

相手にそんなつもりがないと分かっていても、愛情からの優しさなんだと思い込んで何度も求めてしまうのです。

でも、そうじゃないってもう知っている。

いっそのことばっさりと断ち切ってしまえたらどんなに楽だろう…。

だけど寂しいのよ…。

そして今日も彼の優しさを求めてしまうのでしょう。

彼の優しさに甘えすぎて、溺れてしまうのはダメだと彼女はわかっているのです。

彼はもう自分の所には戻ってこないことも、痛いほどわかっているのです。

きっと一度彼女は立ち止まったのでしょう。

「左に曲がって！」

「左」つまりは「反時計回り」。

その意味するものは、やはりまだ過去の彼への未練を捨てることはしないということなのです。

いけないとわかっていても、無駄だとわかっていても、虚しいと知っていても…。

過去の彼を追い続けることはもはや彼女の脳に深く刻まれた、本能のようなものとなっているのでしょう。

もしもここを「右」に曲がれば彼女の時計は新しい時間を刻み、動き出すのはわかっているのです。

だけどまだ彼を忘れられない、忘れたくない、彼にも自分のことを忘れてほしくない…！

でも、あんなヤツ、早く忘れてしまいたいのよ！でも忘れられない…。

そしてまた同じ場所で堂々巡り。

2行目の歌詞から痛いほど伝わってくるもの。

それは厄介な自分の気持ちにどうケリをつけようか苦悩している彼女のため息なのではないでしょうか。

「NE-TAXI」は独特のハイトーンボイスのボーカル、尾崎世界観が歌ってこその一曲です。

恋から生まれる酸いや甘いや、喜びや哀しさ、そしてなんだか滑稽な可笑しさ。

彼のあの中毒性のあるどこか飄々とした何かを感じる唯一無二の歌声。

だからこそ、その全てを一曲の中で表現できるのではないでしょうか。

2分26秒にぎゅっと凝縮された、濃厚すぎる恋人へのある意味どストレートな未練の気持ち。

堂々とそんな気持ちを言えない人の代わりに曲中の彼女がタクシーに向かって語っているようにも感じます。

ふと今の恋に疲れたとき、昔の恋人への未練を断ち切れないとき。

哀しい失恋ソングと見せかけて、実はなんだか癒されてしまう…！

そんな不思議な2分26秒をぜひ体感してみてはいかがでしょうか。

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