Every Little Thing【good night】

2004年リリースの両A面シングル

Every Little Thing【good night】歌詞の意味を考察!少女はなぜ涙を流した?の画像

長年邦楽界をリードし続けているユニット、Every Little Thing(以下、elt)。

今回は、彼ら史上最も泣ける楽曲【good night】をご紹介します。

この楽曲は2004年にリリースされた両A面シングルの1つ。ラブソングの【恋文】と共に収録されています。

実は、【good night】にはある誕生秘話があるのをご存知ですか?

その秘密を知ったら、きっと歌詞に綴られた言葉がより胸に沁みるはず。

誕生秘話と歌詞を合わせてご覧ください。

【good night】の誕生秘話

亡くなった友人に贈る歌

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今回ご紹介する【good night】はボーカル持田香織の友人に向けて制作された楽曲

実は楽曲を制作する直前に、その友人が急死してしまったのです。

歌詞には持田の深い悲しみや、それを受けての決意が綴られています。

その友人とは一体誰なのでしょうか?

ファンの間で【五月雨】という楽曲との繋がりが噂されています。

もう1つの秘話

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【good night】を語る上で、もう1つご紹介したい楽曲があります。

それは、アルバム『commonplace』に収録されている【五月雨】

こちらにも秘話があり、実は筋ジストロフィーという病気を患っていたファンに向けて制作された楽曲です。

筋ジストロフィーとは難病の1つで、徐々に筋肉が衰え、身体を動かすことが困難になる病気。

「こもちゃん」と呼ばれるファンの男性も病気のためにライブに行くことができませんでした。

その旨をファンレターにしたためたところ、eltの2人は2003年6月に病院を訪れたのです。

病院ではこもちゃんとバンドを組んでいる、同じくeltファンである患者の男性とも2人は触れ合いました。

彼は呼吸器をつけているため喋れませんでしたが喜んでいる顔を見せてくれたそうです。

その姿に2人はショックを受けると共に、この出会いを曲にしようと決意。

まるでこもちゃんやその男性に向けた手紙のような【五月雨】が完成したのです。

しかし、残念ながら訪問の4ヶ月後にその男性が亡くなったことが朝日新聞の取材記事で判明。

時期的に【good night】を贈った友人は、彼もしくはこもちゃんのことなのではないかと噂されています。

ぜひ、その秘話も念頭に歌詞をみていってください。

悲しみと願い

それでは早速、歌詞を考察していきましょう。

大切な友人を亡くした持田は何を感じたのでしょうか。

友人が抱えていた恐怖

どんな別れなら 悲しまずに いられるだろう...
「冗談だよ」って いつもみたいに
戯けて 笑ってみせて
誰にも言えずに 長い夜を ただ ひとりで
どんな想いで、どんな想いでいただろう

出典: good night/作詞:持田香織 作曲:Hikari

1〜2文から伝わってくるのは、持田の衝撃。

友人との別れは本当に突然だったのでしょう。

持田が別れを覚悟する時間もなかったことが想像できます。

友人の死を受け止めることができない持田の気持ちが溢れていて、胸が締め付けられる箇所です。

更に持田を苦しめるのは、友人が抱えていたであろう死への恐怖。

それは想像もできないくらい大きな恐怖でしょう。

考えれば考えるほど、やりきれない気持ちになるのは想像に難くありません。

もっと何か自分にできることがあったのではないのか、もっと伝えるべきことがあったのではないか…。

身近な人が亡くなると、そういった後悔の念に苛まれるのです。

変わらない笑顔

あぁ 黒い空に 散りゆく星のひかり
きっと 今もどこかで 微笑んでいますように...

出典: good night/作詞:持田香織 作曲:Hikari

悲しいことに、どんなに後悔してもどんなにまた会いたいと願っても、亡くなった人は帰ってきません。

そのことに気づいた時、人は持田が2文目に綴っているような願いを込めるのでしょう。

亡くなった後に人はどこに行き着くのか、天国が存在するのか。

それは誰にもわかりません。

それでも、最初から何もなかったようにすべてが消え去るなんて人は信じたくないのです。

だから星を眺めては、亡くなった人たちが自分たちのことを見守ってくれていると思うのでしょう。