"優しい言葉ひとつも聞けずに
明るい部屋で身をまかせる夜"
突然 こんなところは嫌いかい?
あいつのこと 忘れてみるつもりなら
"素敵だと 耳もとでささやきを 聞かせてよ"
そんなムードなんて 今日は無くっていい
"抱きしめて" 背中の手が
"くるわせて" 腰をなぞる
"こんなふうにもっと 変になっちゃっていい?"
寄り添ってもっと 声を出したっていい
出典: 目を閉じておいでよ/作詞:いまみちともたか 作曲:いまみちともたか
サビ以外の後半の歌詞は、さらに過激な内容を含んでいます。
強引な企みを押し通した「俺」と、不埒(ふらち)な誘惑に流されるままの女性。
もはや、女性の口から「あいつ」を意識した言葉は出てきません。
歌詞に映し出されているのは、ハードなまでに歪んだ男女関係。
バービーボーイズの作品には、いわゆる平板な恋愛とは程遠い男女関係を描いたものが多く存在します。
先述したように、彼らはなぜ、高いポピュラリティーを獲得することができたのでしょうか。
「いまみちともたか」という存在
作詞・作曲の大半を手掛けた才能
バービーボーイズの作品の大半を生み出したのがギタリスト、いまみちともたか(イマサ)。
バンドリーダーを務めた彼は、細面の鼻に引っ掛けた丸目のサングラスがトレードマークでした。
バービーボーイズの音楽を語るとき、彼が果たした役割に触れないわけにはいきません。
ロックバンドのギタリストとしては当時、日本でトップクラスの人気を誇った存在だったのです。
例えば、BOØWYの布袋寅泰、RED WORRIORSの小暮"shake"武彦といった人気ギタリストたち。
彼らと同様、いまみちともたかも毎月のように、ロック雑誌の表紙やグラビアを飾っていました。
当時のギターヒーローに共通していたのが、個性あふれるプレイスタイルを持ち合わせていたという点です。
ステージングを含めたビジュアルはもちろん、エフェクターやコードの使い方、ビートを奏でるストローク。
どれを取ってみても、自分だけしかできないスタイル、自分だけしか出せない音を確立していました。
さらに共通していたのは、バンドの作品の大半を手掛ける卓越した作曲能力。
いまみちともたかも、プレイヤーとしてばかりではなく、コンポーザーとして辣腕(らつわん)を振るいます。
しかも、いまみちともたかには、サウンド面だけではない才能が備わっていました。
日本語に対する独特の感性を発揮した、優秀な作詞家としての才能でした。
言葉のセンス
バービーボーイズの音楽性を決定付けた、いまみちともたか。
彼が好んで描いたのは、「目を閉じておいでよ」に代表されるような、一筋縄ではいかない男女の恋愛。
一筋縄ではいかないコード展開や変拍子のサウンドとともに、彼らのカラーとなりました。
屈折したシチュエーションをあっけらかんと表現する言葉のセンスは、曲のタイトルにも表れています。
例えば「でも!?しょうがない」(1985年)、「もォやだ!」(1985年)、「負けるもんか」(1986年)。
「わぁい わぁい わい」(1987年)、「ごめんなさい」(1987年)、「さぁ どうしよう」(1989年)など。
どのタイトルにも、何気ない日常会話で聞こえてくるフレーズが使われていることが分かります。
歌詞によくある気取った、まどろこしい言い回しではなく、身近な話し言葉をテンポよく掛け合わせるスタイル。
そこに、男女ツインボーカルならではの面白さやリアリティーが生まれたのです。
ロックシーンへの影響力
オリジナリティーとクオリティー
サウンド、歌詞、バンドスタイルの全てが斬新だったバービーボーイズ。
彼らの影響を受けたアーティストは、公言しているだけでも少なくありません。
ポルノグラフィティは杏子のスペシャルステージで、彼女とともにバービーボーイズの曲をプレイ。
椎名林檎も自身がボーカルを務めたロックバンド、東京事変の公演で「C'm'on Let's go!」を披露しました。
1992年に解散したバービーボーイズの5人もまた、彼らを待ち望むファンの気持ちに応えます。
2003年に初めて再結成されると、デビュー25周年の2009年、2010年にはそれぞれ全国ツアーも敢行。
2015年にはデビュー30周年を迎え、2018年にはBS放送の音楽番組で一夜限りながら、8年ぶりに復活しました。
オリジナリティーとクオリティーが高いレベルで融合していた、バービーボーイズというロックバンド。
日本のロックシーンを照らしたその輝きは、決して色あせることがないのです。
まとめ
杏子の新たな魅力が
同じ事務所に所属していた杏子、スガシカオ、山崎まさよしが始めたスペシャルユニットの福耳。
杏子のソロ曲をリメイクしたのが「星のかけらを探しに行こう Again」です。
バービーボーイズ時代の杏子とは異なる魅力がたっぷり詰まったこの曲。
心温まる歌詞の意味も考察した、OTOKAKEライターの記事です。
ぜひ、目を通してみてください!
【星のかけらを探しに行こうAgain/福耳】豪華メンバーによる名曲がアイマスで再注目?!歌詞の意味も - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
豪華アーティストたちが集結して作られたグループ「福耳」によるファーストシングル「星のかけらを探しに行こうAgain」の魅力について紹介します。
シンガー杏子の足跡を
バービーボーイズがデビュー30周年を超えた後、福耳も結成20周年に到達。
2018年8月にリリースされたのが、福耳初のオールタイムベスト盤です。
「星のかけらを探しに行こう Again」も収録され、杏子の足跡がしっかりと刻まれた作品。
OTOKAKEライターが、詳しく紹介した記事をどうぞ!
【福耳/八月の夢】少し悲しい歌詞の意味を徹底解釈!MVにはゴールデンレトリバーのゼウス君が登場! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
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