静かな情熱を感じられる、中毒性のある楽曲

『Dr.STONE』の世界観とリンク

フジファブリック【楽園】歌詞の意味を考察!僕が牙を剥く理由は?歪んだ世界と願った世界を読み解くの画像

今回ご紹介する楽曲は、フジファブリックの『楽園』。

燃え滾る炎を連想させる情熱的な楽曲で、中毒性のあるメロディーに引き込まれます。

フジファブリック楽曲の中でも「大人の色気のあるダークな世界観が魅力的」という声もありますよ。

穏やかでスローテンポな楽曲も素敵ですが、また違った魅力があります。

また、TVアニメDr.STONE第2期のOPテーマで、物語の世界観とも絶妙にリンクしています。

物語の舞台となるのは、謎の現象により全人類が石化した世界。

石化から目覚めた主人公、千空が、化学の力によって文明を取り戻していくストーリーです。

そして、そんな千空に立ちはだかる霊長類最強の高校生・獅子王司との関係性も見どころですよ。

ぜひ、アニメと併せて楽曲の世界観を堪能してみてください。

キャラクターの背景や物語を知ると、歌詞に込められた想いをより深く感じられますよ。

ミステリアスなMVも注目!

エモーショナルな楽曲にぴったりの、ミステリアスで情熱的なMVも注目です。

こちらは、有名アーティストのMVを数多く手掛けている田辺秀伸さんとタッグを組んで制作されています。

黒い羽根や色とりどりの花など、楽曲にぴったりの独特な演出で、終始不思議な魅力が漂っていますよ。

雨の中歩みを進める姿や力強い眼差しなど、主演されている渡邊圭祐さんの表現力にも圧倒されます。

楽曲やMVから感じる、何か大きなものが迫りくるような圧倒的な感覚が溜まらない、という声も多いです。

歌詞をピックアップ!

目的はただ1つ

右へ行くか左行くか どうだいどうだい
僕と違うならばここで さよなら
あっちの蜜こっちの蜜 うんざり
味見してるような そんな暇はない


先へ急げ 未開の楽園

出典: 楽園/作詞:金澤ダイスケ 作曲:金澤ダイスケ

楽園に誘われるかのような、魅力的な歌い出しのパートです。

そしてこのパートでは、目標のために邁進する、千空の姿が思い起こされます。

突然未開の地に放り出され、右も左も分からない状態なのでしょう。

その中でも、自分の目的のため進んで行こうとする強い意志を感じます。

成し遂げたいと進む中で意見が衝突しても、その考えは変わらないのでしょう。

そして意見が衝突する描写は、千空と司の考え方のすれ違いを表しているようです。

先へ進んでいく過程では、どんな魅力的な誘いにも応じている暇はないのです。

手段は選ばない

灼熱の衝動 どこにある
掴みたけりゃ 手を伸ばせ
枯れ果てた 楽園(ここ)にとどまるなら
君だとしても 僕は牙を剥く

出典: 楽園/作詞:金澤ダイスケ 作曲:金澤ダイスケ

燃え滾るような衝動や情熱は、何かを成し遂げようとする強い心を表しているのでしょう。

0からスタートして、夢や目標を実現しようとするには、ただひたすら手を伸ばすしかないのです。

絶望的な世界にとどまって生きるのであれば、例え誰であろうと立ち向かうということでしょう。

自らの手で、夢見る世界を作り出そうとしているのです。

相反する2つの世界

からまって 紐解いて 飛び越えて 歪んだ世界
終わって 始まって 這い上がって 願った時代

出典: 楽園/作詞:金澤ダイスケ 作曲:金澤ダイスケ

このパートでは、千空と司、それぞれが願う理想の世界を表しているように思います。

千空が願うのは化学が発展した世界、司が願うのはその化学の発展を阻止し、自然と調和した世界

そしてお互いにとって、相手が願う世界は歪んで見えている、ということなのでしょう。

石化した世界で相反する2つの意志や願いは、大きく対立していきます。

それぞれの目的のために、不必要なものは排除して、戦っていくしかないのです。

理想を願う故に対立した感情が絡み合って、大きな歪みを生み出しているように感じられます。