星野源「プリン」
今回紹介するのは星野源さんの「プリン」です。
子供に人気のプリン。だけど食べているところを見てしまうと、大人もついつい手を出したくなってしまうのではないでしょうか?
曲名はプリンですが、楽曲の中にプリンという単語は一切出てきません。これから深く考察、解釈してみましょう。
楽曲イメージはプリンス
この曲のイメージはアメリカのミュージシャンであるプリンスのようです。
特に初期の頃のプリンスの質感が似ていて、意識されていることが分かります。
プリンスから紐づけられてついたタイトルが「プリン」でした。
思わぬ事態、プリンスの死
プリンの楽曲制作が終わりリリースするまでの数ヶ月の間で、思わぬ事態が発生しました。
それがプリンスの死です。これは本当に残念な出来事でした。星野源さんのファン層だと、プリンスを知らなかった人も多いと思います。
今回プリンスを意識した楽曲を作ることで、プリンスという偉大なミュージシャンを知るきっかけとなった人もいるでしょう。
また、プリンスへのリスペクトだけでなく、追憶の意味も込めらているように感じられます。遊び心のある曲に仕上がっています。
歌詞を解釈!
曲中にプリンという言葉は出てこないので、どのようにプリンを表現するのか期待が高まります。
恋人に対して使う言葉が沢山出てくるので、恋人に向けた曲なのかな?と思ってしまうかもしれません。
ですが恋人ではなく、プリンのことを恋人同然に感じ、愛してやまない人の歌だと思います。
「身」「揺れて」などプリンらしい言葉で隠すように表現されていて、焦らされているような感覚にもなります。
「大好きなものを誰にも取られたくない!」という気持ちを経験した人には、理解できるのではないでしょうか?
瞳に映るもの
冷蔵庫の中にあるプリン
瞳に 瞳に 愛を語りかける
瞳に 瞳に 君の欲しさ募る
出典: プリン/作詞:星野源 作曲:星野源
瞳に映るもの、それは正しくプリンです。
黄色いカスタードにカラメルがまとわり付いて舌を向いています。
愛を語りかけたところで返事はありません。誰にも理解してもらえません。プリンへの思いはそんな一方通行なものでもいいのです!
プリンは逃げも隠れもしませんし、誰に取られることもありません。
そんなプリンはこの曲の主人公にとって、独占欲を満たしてくれる大切なものなのでしょう。
生々しさを感じる歌詞に注目!
冷えた体の水滴が 垂れてるけれど
出典: プリン/作詞:星野源 作曲:星野源
冷蔵庫で保存されているプリン。常温よりも冷えたプリンの方が、口に入れた時の味わいが深くなります。
冷凍保存している状態から常温になり、再度冷やすとプリンの表面には水滴が出てきます。
スーパーからの帰りで一度常温に戻ったのでしょう。おそらく手作りではなく市販で売られているプリンです。
その水分はプリンの生々しさを更に引き立て、美味しそうに見えてしまうのです。
もしかすると、瞳に語りかけているのは主人公ではなく、プリンの方なのかもしれませんね。
瞳に 瞳に 欲望の色づく
冷えた体の中身ほど 心は揺れて Baby
出典: プリン/作詞:星野源 作曲:星野源