ミクスチャーロック?
皆どこかを目指してひた走る
この身守るためにゃツバを飲め
ってな具合だよ
そんな状況
繰り返される日常の狭間で
勝った、負けた、
離れて、くっついた。
すったもんだ
ラチはあかねえな
耳塞いで、目を瞑ったなら
突っ走れよ、混沌的東京
出典: Tokyo Rendez-Vous/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
キングヌーでJ-POPやラブソングに挑戦する!と宣言したものの、そもそも芸術家肌なわけです。
日常的な勝ち負けの比較とか、惚れた別れたの恋愛はどうしようもないことと感じているご様子。
競争社会の自己保身や下世話なウワサ話なんかは放っておこう!と呼びかけています。
突っ走るために……。ここはキングヌーというバンドとしての大暴走を意味しているでしょう。
「混沌的東京」=「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」。
キングヌーの音楽性を表しています。いわゆるミクスチャーロックとも言い切れません。
常田大希さんのソロ活動やSrv.Vinci、リズム隊2人のブラックっぽさ……混沌としています。
「東京で新たに生まれた、幅広い音楽要素をミックスした音楽性」を一言で表すと「混沌的東京」。
歌物語としては、混沌とした世の中を上手く切り抜けよう!というメッセージになるでしょう。
あなたって誰?
この身一つを投げ出して
キザなセリフを投げ売って
触れてみたいの
見てみたいの
夜に紛れて
あなたの元へ遊びに行くよ
眠れない街の
無意味な空騒ぎにはうんざりさ
トーキョー
出典: Tokyo Rendez-Vous/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
キングヌーはとにかくポジティブ!ディスるような歌詞もありますが、内容は前向きです。
「無意味な空騒ぎ」とはストレス発散のためのどんちゃん騒ぎを意味しているでしょう。
東京が舞台のラブソングとして考えると「あなた」は愛する女性。
キングヌーのメッセージとして解釈すると「あなた」はリスナーです。
わかりやすいJ-POPのラブソングにしておもしろい音楽をお届けしちゃうぜ!くらいでしょうか。
悩みを解消するためのネガティブな音楽で騒ぐようなこともしないよ!という含みも感じます。
ぐるぐる回る音楽
中毒性が高まる
“君とトーキョーランデブー”
満員電車に飛び乗って
ぐるぐる回ってりゃ目は回る
“君とトーキョーランデブー”
皆どこかを目指してひた走る
この身守るためにゃツバを飲め
この身一つを投げ出して
キザなセリフを投げ売って
触れてみたいの
見てみたいの
出典: Tokyo Rendez-Vous/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
わざわざ山手線を出してきた理由を深読みすると、ぐるぐる回る音楽にしたかったから。
同じフレーズを少しずつ変化させながらループすると、独特のグルーヴが生まれます。
その結果、サウンドの中毒性が高まるわけですね。歌物語と音楽性の両立を意図したのでしょう。
独りよがりではない音楽を
あなた塗れで
どこまででも飛んでいけそうさ
彷徨う事で
自分自身を失ってしまっても
夜に紛れて
あなたの元へ遊びに行くよ
眠れない街の
無意味な空騒ぎにはうんざりさ
トーキョー
“君とトーキョーランデブー”
出典: Tokyo Rendez-Vous/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
歌物語としての愛する女性に浸りつつ、「あなた」はリスナー説でも考えてみましょう。
そもそも芸術家肌の常田大希さんがリスナー重視を決意!その結果が「あなた塗れ」です。
わかりやすいJ-POPのラブソングなら幅広く聴いてもらえるはず!という意味になりそうです。
その反面、崇高な芸術性や考え方は失うことになるだろうけれども……と。
独りよがりではない、ポップな音楽を目指す!という意志表示にも受け取れます。
キングヌーは一筋縄ではいかないと言われる理由はこの辺り。この音楽性がカッコイイです。