キツネ憑きの唄「序の1」
条文のような歌詞
アノ日ノ僕ハ死ンデシマッタノカナ イヤイヤコンナトコジャ終ワレナインダ
出典: キツネ憑きの唄/作詞:ドイヒロト 作曲:ドイヒロト
彼に一体何があったのでしょうか?
きっと「死んでしまう」様なことがあったのでしょう。
もちろん「死んで」はいません。
若い男が歌う歌詞です。
まずは「失恋」や「別れ」を想像します。
この「僕」が額面通りの「僕」であるとは限りません。
擬人化された「僕」であれば対象は無限です。
MVでは怪しげなキツネの面を付けた女。
面を取った後賭場の盆前に座り、胴を取ります。
メンバーが手本引きの札をそれぞれ賭けていくシーンが流れます。
しかしその居住まいがいかにも素人。
賭場に流れる緊張感の「き」の字もありません。
MV監督が「これで良し」としたのか「これが良し」としたのかは不明です。
しかし、「これが良し」としたのであれば大きな意味があります。
つまり「素人が何か大きな賭け」に出て負けた日のこと。
それを歌詞の冒頭では歌っていると解釈できます。
キツネ憑きの唄「序の2」
カウンターとは?
最低デ最悪ナ傲慢欺瞞ヲ 玉砕覚悟カウンターヲ一発 喰ラッテシマッタ毒ハ極彩 狐ノ窓
出典: キツネ憑きの唄/作詞:ドイヒロト 作曲:ドイヒロト
「僕」はカウンターを喰らってしまいます。
ボクシングなどで喰らってはいけないパンチがカウンターパンチです。
それを僕は喰らってしまいます。
素人なのですから当然といえば当然なのです。
ここで気になるワードが一つ出てきます。
それが「玉砕」の二文字です。
これは第二次世界大戦時に美しくない死に方をした(させられた)もの。
それを隠すために「花と散る」という意味で大本営発表に使われました。
帝国主義における体制ではしばしば言論統制が行われました。
例えば、外来語をすべて日本語にしました。
野球の”セーフ”も”よし”と表現。
さて、極彩色の毒をキツネに喰らわされたのだとすれば、それは一体?
MVでは賭けに負けた素人衆の悔しがる表情が次々に映し出されます。
キツネ憑きの唄「破の1」
漢字だらけの歌詞
三千世界奇天烈解明 奇々怪界創造霊界戦 天災厄災十六夜断罪怨
出典: キツネ憑きの唄/作詞:ドイヒロト 作曲:ドイヒロト
歌詞の順番からすれば、ここはリフレインの歌詞が入ります。
このリフは最後の種明かしに繋がる内容ですので後回しにしましょう。
まずは一つ目の謎解きです。
ラップ調で難しい漢字が並びます。
MVでも、わざわざ筆文字で印象付ける工夫がなされています。
このMVが混沌(カオス)と見えるのはこの映像処理によるものでしょう。
そして歌詞もカオスです。
それは難しい漢字が並ぶからではありません。
読み解いていくと歌詞に大きな矛盾があるからです。
「この世の全てを明らかにし」ています。
しかし、「訳の分からぬオカルティックな」ものと戦います。
そして罰せられるわけの無い「大自然の脅威」。
それに「有罪判決」を下しています。
ここまでを「序の2」であげた「第二次世界大戦」にあてはめます。
そうするととんでもない結論に至ります。
井の中の蛙である日本人。
彼らが傲慢にも大きな賭けに出ます。
すると訳の分からぬ見た事の無いモノ。
まるで大自然の脅威のような兵器で国土を焼かれます。
つまりヒロシマ・ナガサキの原爆ですね。
さらに十六夜(いざよい)は8月16日(新暦)。
敗戦の翌日に当たります。
キツネ憑きの唄「破の2」
ラップで歌う
天上天下唯我独尊 百鬼夜行魑魅魍魎 A級戦犯崩壊消滅開戦前夜
出典: キツネ憑きの唄/作詞:ドイヒロト 作曲:ドイヒロト