いつか君が話してくれた
夢の続き 気になっていた
キラキラしたあの眼差しを
この街出ても ずっと忘れるな
出典: 大好きな人/作詞:秋元康 作曲:斉門
上記の歌詞から分かるのは、君は大きな夢を持っている人物であること。
ラブソングとして解釈すれば、その夢の邪魔をしないように主人公は告げたと考えることができます。
しかしこの考察は本当に正しいのでしょうか?少々疑問が残ります。
また今後離れ離れになることが決まった2人。主人公が思い出すのは、夢を追う君の姿です。
ここから主人公は、その姿を間近でみることができる関係だったということが分かります。
さらに4行目では具体的な表現が登場。
歌によくある恋愛的な別れではなく、物理的な距離が離れてしまうようです。
これは2人の関係性を紐解くヒントになりそうですね。
変わるものと変わらないもの
そう 大好きだから ここで見送ろう
どんな悲しみよりも 愛は強いんだ
出典: 大好きな人/作詞:秋元康 作曲:斉門
上記の歌詞から主人公はその場所に残り、君は別の場所へ旅立つ。そんな状況が見て取れます。
こちらのシーンもまた、前述した物理的な距離を再確認させる内容です。
対して後半では主人公が抱く愛という感情について言及。
別れ際。一時的に悲しいと思うことはあっても、愛する気持ちが薄れることはありません。
この1文で2人の間にある強固な愛を表現しています。
環境は変わっても、物事の本質は変わらないことを教えてくれるようなこちらの歌詞。
ここまでの状況を振り返りながら、次項では2人の関係性を考えてみましょう。
2人の関係性に迫る
WOW WOW
別れの理由(わけ)は説明つかない
いつか君が言ってた夢が叶う それだけで
涙が報われる
出典: 大好きな人/作詞:秋元康 作曲:斉門
上記の歌詞から、本曲はアイドルとファンの関係を歌った楽曲であると解釈できます。
本曲の君とは、別の夢を追いかけアイドルを卒業することに決めた女の子。
それを応援するファンが主人公である男性です。
卒業を知り悲しくなった時もありましたが、彼はアイドルの幸せが自分の幸せと考えます。
夢が叶わず足踏みをしている推しメンよりも、キラキラと輝く姿が見たい…。
そんな思いから、アイドルの新しい夢を応援する決意をします。
これまでの歌詞にはこの関係性を彷彿とさせる表現が組み込まれていました。
またアイドルが卒業発表を行う際は、その理由について説明があるのが一般的です。
ただしその真意は誰にも分かりません。ファンはアイドルの言葉を信じて応援することになります。
本作に登場する2人は、信頼関係がしっかりと構築されているといってよいでしょう。
ラストフレーズは?
止まらない涙の真相
ずっと思っていたより もっと好きだった
君の泣き顔を見て 心が切なくて…
出典: 大好きな人/作詞:秋元康 作曲:斉門
上記の歌詞から止まらない涙とは、悔し涙ではないかと推測できます。
アイドル人生は山あり谷あり。頑張りが認められず、辛い思いをすることもあるでしょう。
そんな時本人は感情が溢れ出てしまい、止まらないほどの涙を流します。
また中には目標が達成できなかったことに対して、一緒に悲しんでくれるファンもいるでしょう。
本作で登場する涙は、これらの様子を表現していると考えられます。
アイドルはそんなファンの姿を見て心を痛め、この経験を明日への原動力へ変える…。
本曲における涙は単なる悲しみの象徴ではないといえます。
笑顔の真意
でも 大好きだから 無理に微笑(ほほえ)もう
どんな悲しみよりも 愛は強いんだ
WOW WOW
大好きな人 しあわせになれ!
僕は海に向かって大声で叫んだ
涙よ ありがとう
出典: 大好きな人/作詞:秋元康 作曲:斉門
ここでは「笑う」という行動に注目。アイドルが取った行動として解説します。
ポイントは無理矢理笑顔を作っているという状況です。彼女が笑顔を作る理由。
それは、不安をファンやメンバーといった大切な人にに悟られないためと考えることができます。
ではファン目線で解釈するとどうでしょうか?
主人公は今後一切グループで活動する姿を見ることはできない悲しさを感じています。
しかし彼にとってはそんな自分の悲しみよりも、メンバーの夢を大切に思う気持ちの方が重要です。
アイドルには自分の夢を叶えてほしいという思いから、明るく送り出します。
目線は違えど、相思相愛な2人。最後は感謝の言葉で締めくくります。