「テレパシー」の目的は分かり合うこと
Czecho No Republicが発表したメジャー通算5枚目のアルバム「旅に出る準備」。
アルバムより先行配信されて話題になった楽曲「テレパシー」の歌詞を読み、サウンドに注目しました。
キラキラした歌詞とサウンドでリスナーを中毒症状にさせています。
彼らが奏でるドリーミーなサウンドと男女混声のヴォーカル・ワークの神秘。
そして不思議な歌詞、それも特にサビの部分が癖になると評判なのです。
「テレパシー」を使って彼らがリスナーに届けたかった思いを探っていきます。
キーワードは「分かり合うこと」です。
キー・パーソンはソング・ライティングの武井優心
Czecho No Republicで大半の楽曲の作詞作曲を務めるのがベース・ヴォーカルの武井優心です。
聴くひとを異次元へと誘うような彼の作風はこの「テレパシー」にも顕著に現れています。
エレクトロニクスとバンド・サウンドの融合
浮遊するようなシンセサイザーの音から「テレパシー」というタイトルコール。
ドラム音の一撃を合図にエレクトロニクス・サウンド全開のイントロが奏でられます。
この時点で聴くひとを異次元へ連れていくのです。
エレクトロニクス・サウンドとはいっても彼らの場合はひと味違います。
導入部分から彼らの詩世界に引きずり込まれる
涙色した夜を泳いで
そっと背中に触れた
火のないとこに煙登れば
淡い期待は確信へと変化
出典: テレパシー/作詞:武井優心 作曲:武井優心
「テレパシー」の歌詞の導入部分です。
武井優心とタカハシマイによる混声ヴォーカルで歌われます。
歌詞のはじめから詩的感性が横溢する
涙色した夜を泳いで
出典: テレパシー/作詞:武井優心 作曲:武井優心
冒頭のこの詩的なワンフレーズだけで素敵な曲だとすぐ理解されそうです。
同時に孤独の哀しみを感じざるをえないラインになります。
武井優心とタカハシマイによる男女混声ヴォーカル。
哀しいからこそ誰か大切なひとを求めているのだと次のフレーズで気付かされます。
男女混声ヴォーカルが駆けめぐる
そっと背中に触れた
火のないとこに煙登れば
淡い期待は確信へと変化
出典: テレパシー/作詞:武井優心 作曲:武井優心
タカハシマイによるヴォイスが艶めいています。
確かな触感で意識したい誰か大切なひと(たち)が寄り添い立っていたのでしょう。
武井優心がタカハシマイを追いかけます。
ちょっとした矛盾が後半につながる鍵
それにしても不思議なラインですね。
噂のような不確かなものであっても、確かな思いへと変わるのだということでしょう。
この辺りはどこか矛盾を感じます。
この「矛盾」こそが後半部分において重要な役割を果たしますので覚えておいてください。