スピッツ「歌ウサギ」とは?
「歌ウサギ」は2017年7月5日に発売されたスピッツのベストアルバム、
『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』に収録されている楽曲です。
広瀬すず主演映画「先生!、、、好きになってもいいですか?」と「歌ウサギ」のコラボ動画が話題!
2017年10月28日から公開された『先生! 、、、好きになってもいいですか?』は、河原和音の人気漫画『先生!』の実写映画版です。
生田斗真が演じる世界史教師の伊藤貢作に初めての恋をした、広瀬すず演じる高校2年生・島田響の姿を描いた作品で、
「歌ウサギ」とのスペシャルコラボレーション映像は映画の監督を務めた三木孝浩監督の希望によって実現しました。
高校を卒業した後の響が母校を訪れて、初恋の思い出を慈しむように思い返すような表情を見せる広瀬すずさんの演技に惚れ惚れしますね。
映画の時よりも少し髪が伸びた広瀬すずさんの表情は少し大人びて見えて、本当に卒業して何年か後に母校に戻ってきたようです。
では、主題歌として出来上がった際に監督自ら映像化を願い出たというほどの仕上がりだった「歌ウサギ」の歌詞は、どのような内容なのでしょうか。
歌詞の意味を解釈してみます。
スピッツ「歌ウサギ」の歌詞を徹底解釈!
他人に明かせないような恋心でもウサギみたいに弾んでいたのはお互いの心
こんな気持ちを抱えたまんまでも何故か僕たちは
ウサギみたいに弾んで
例外ばっかの道で不安げに固まった夜が
鮮やかに明けそうで
今歌うのさ ひどく無様だけど
輝いたのは 清々しい堕落 君と繋いだから
出典: 歌ウサギ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
二人の恋愛を回想しながら、周りには明かすことができない関係の恋に、後ろめたい気持ちを抱えたままなのに、「ウサギみたいに弾んで」いたのはきっと、二人の心なのでしょう。
「例外ばっか」というのは、恋なんてしないと思っていた響にとってもこんなにも強く先生に惹かれたのは初めてのことであり、先生にとっても、生徒にこんなにも心を揺さぶられたのは初めてだったということでしょう。
そんな二人の恋の道で夜明けの気配を示唆する歌詞は、二人の恋が一度は引き裂かれながらも、想い合い続けたことで、最後には結ばれることを暗示しているのでしょう。
先生と生徒という関係で、なやみもがく日々は他人から見れば無様でも、「清々しい堕落」といえるくらいにまっすぐにお互いを想い続けた日々は振り返れば輝いていたということなのでしょう。
映画の全てが凝縮されたような歌詞ですね。
続きの歌詞も詳しく見ていきましょう。
どれだけ修正しても美談にはならないけど、止まらなかった恋
どんだけ修正加えてみても美談にはならない
恋に依存した迷い子
さんざん転んで色々壊してモノクロの部屋に
残されてた方法で
今歌うのさ フタが閉まらなくて
溢れそうだよ タマシイ色の水 君と海になる
出典: 歌ウサギ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
教え子と恋に落ちたことは、どうしたって美談になんかできないということは重々わかっている苦々しい大人の気持ちがえが枯れている部分ですね。
それでも「恋に依存した迷い子」の響は資料室の「モノクロの部屋」のような狭く暗い世界にいた先生の心に、まっすぐに自分の感情をぶつけ続けました。
そして、何度転んでも、心の壁や、生徒と恋愛はできないという思いなどを「壊して」いったということなのでしょう。
響によって変えられてしまった先生の心は、気づけば「フタが閉まらなくて 溢れそう」なくらいに、響を求めていたのでした。
溢れ出した想いはまるで魂から相手を求めるような、「タマシイ色の水」。
二人の想いが溢れて混ざり合い、「海になる」、そんな恋愛だったということですね。
君と何をしたいとかじゃなく、君への想いだけで
「何かを探して何処かへ行こう」とか
そんなどうでもいい歌ではなく
君の耳たぶに触れた感動だけを歌い続ける
今歌うのさ ひどく無様だけど
輝いたのは 清々しい堕落 君と繋いだから
出典: 歌ウサギ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「何かを探して何処かへ行こう」という歌詞からは前の歌詞に「海」とあることもあり、「君の青い車で海へ行こう置いて来た何かを見に行こう」というスピッツの「青い車」を連想してしまいますね。
「そんなどうでもいい歌」と言っているので違うと思いますが、「何か」とか「何処か」ではなくて、今、ここにある感情を伝えたいということなのでしょう。
つまり、この部分の歌詞には響と何かをしたいというような話ではなく、ただ、響に対する想いをまっすぐに伝えたいという先生の想いが込められていると解釈するのが妥当でしょう。
「君の耳たぶに触れた感動」は、『先生、、、!好きになっていいですか』の予告編でも印象的な二人の初めてのキスの瞬間の感動のことかもしれません。
あの瞬間は、抑え続けていた先生の想いが溢れ出してしまった瞬間でした。
そんな抑えきれないようなどうしようもなく相手を求める恋心、それを歌い続けるといっているのですね。