HATE LIKE POISON
出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫
曲のタイトルは【POISON.】です。
これは和訳すると、「毒」。
つまり同曲は毒をテーマにしているといえます。
ではここでいう毒とはなんでしょうか。
今までの歌詞を見る限り、嘘や他者への猜疑心などが挙げられます。
そしてこの歌詞で明確に毒について語られています。
嫌悪感は毒に似ている
出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫
この歌詞の通り、毒は「嫌悪感」だと考察できます。
これより前の歌詞でも、主人公は常に嫌悪感を抱いていました。
嘘にまみれた社会、その中で当たり前のように息をする人々。
主人公はきっとこうした環境全てに嫌気がさしているのでしょう。
毒の正体
ケラケラ笑ってら
まだかかってな"POISON"
世間"NOSEASON"
出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫
となると、毒の正体はほかならぬ嫌悪感ということになります。
主人公は自らのネガティブな気持ちに侵されているのです。
同じような経験のある方もいるでしょう。
他人を憎んだり、嫌がるのは中々大変なことです。
マイナスの感情を持つと、自分自身にもダメージが加わります。
嫌な人のことを考えたり、嫌な過去を思い出すだけで疲れるものです。
嫌悪感にとらわれると、まさに毒に侵されているような状態になります。
主人公が言いたいのはまさにこのことでしょう。
嫌な気持ちに苛まれ、四六時中心が痛む。
そんな状態を、まさに毒をくらった状態だと比喩しているといえます。
しかし歌詞を見ると、毒に侵されているのは自分だけではないといった表現も。
他者に対して投げかけるような言葉があります。
このことから、同曲でいう毒は一義的なものではないのかもしれません。
主人公が憎む社会や他者もまた、別の毒に侵されているのかもしれませんね。
敵の存在
敵とは誰なのか
敵と適当に溺れて
ねえ?ねえ?ねえ?
出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫
冒頭から、「敵」という表現があります。
これは一体誰のことなのでしょうか。
おそらくそれは、主人公が憎む社会や他者のことでしょう。
主人公は世間に反感を抱いています。
とはいえ、社会と全く関わらずに生活することはできないでしょう。
少なからず、買い物をしたり働いたりする中で他者との関わりは必須です。
だからこそ、敵とも適当に付き合うことが必要だといえます。
この歌詞の示す意味は、きっとそういうことでしょう。
敵視しつつも、付かず離れずの関係を保つ主人公。
興味はないものの、仕方なしに付き合っているという感じでしょうか。
もちろんこれは主人公だけの話ではありません。
社会とのつながりにうんざりすることは、誰にでもあります。
厭世的な考えの人から多くの共感を呼ぶ歌詞ですね。
主人公の苦悩
SURRENDER 僕の REASON だから
まだ過ぎていない時を待っている
出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫
主人公は敵と関係を保ちつつも、嫌悪感に苛まれます。
つまり社会との接点を持つほど、不満や疑問が生まれるのです。
これは生きるうえで非常に辛いことでしょう。
自分の思うままに、正直に生きることができればどんなにいいか。
主人公はきっとそう考えているはずです。
歌詞を見てみましょう。
英語の単語は和訳すると「降伏」。
つまり主人公が白旗を上げていることが分かります。
その次の英単語は「理由」。
つまり直訳すると、自分の理由が降伏しているという文章です。
これを意訳すると、次のような文章が考えられます。
「自分の生きる意味がない。」。
つまりこんな嘘ばかりの世間じゃ、自分が自分として存在している意味がない。
そんな主人公の切実な苦悩がうかがえます。