同じセリフ 同じ時 思わず口にするような ありふれたこの魔法で つくり上げたよ
誰も触われない 二人だけの国 君の手を離さぬように
大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る
出典: ロビンソン/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
そんな帰り道、彼は愛しい彼女を思い出します。
日常のありふれた瞬間の幸せを思い出し、空想の翼を広げるのです。
君と僕だけの国。
仕事も、嫌な人付き合いもない幸せな妄想。
疲れた日々にはありがちなものですが、「空に浮かべる」必要はあるでしょうか。
妄想の舞台はふたりの部屋とかでいいような気もします。
さて、続きを読んでいきましょう。
言い回しが特殊な場面
片隅に捨てられて 呼吸をやめない猫も どこか似ている
抱き上げて 無理やりに頬よせるよ
出典: ロビンソン/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「呼吸をやめない猫」、物騒ですね。
たしかに幼いころに捨てられれば、子猫は自力では生きていけません。
拾う神がいなければ、遠からず、その子は死んでしまうでしょう。
「どこか似ている」とは、誰に似ているのでしょうか。
5月病が末期の彼は、自暴自棄になってしまっているのかもしれません。
しかし最愛の彼女がいるはず…?
なぜこのようなことを考えたのか、その謎の部分が「こわい」といわれている要因なのです。
「こわい」と感じる歌詞
いつもの交差点で 見上げた丸い窓は うす汚れてる ぎりぎりの 三日月も僕を見てた
待ちぶせた夢のほとり 驚いた君の瞳 そして僕ら今ここで 生まれ変わるよ
出典: ロビンソン/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
いつもの交差点の丸い窓、つまりはカーブミラーのことでしょう。
写るか映らないかの位置、つまり「僕」の後ろの低い空に、三日月が浮かんでいるのでしょうか。
さて、次の歌詞が不穏です。
待ち合わせたのは「夢のほとり」なのです。
現実世界で待ち合わせて、彼女に愚痴でも何でも聞いてもらえばいいじゃないですか。
なんなら猫だって一緒に飼えばいいのに。
そう、彼女はこの世のひとではないのです。
そして彼は、そんな彼女に会いに行ってしまったのです。
彼が立っていたのは交差点です。
不運な、それとも故意の交通事故は、彼を彼女のもとへ連れて行ったのかもしれません。
楓
さて、ちょっと気持ちがヒヤッとしたところで、次の曲にいってみましょう。
解説するのはこちらも名曲、1998年7月にリリースされた19枚目のシングルです。
切ない曲調とボーカルである草野さんの優しい歌声が相まって、たくさんの人に愛されている楽曲。
1度聴いたら頭から離れなくなるほど、耳に残る名曲です。
その歌詞とは一体どのような内容なのか、チェックしていきましょう。
MV
基本的にスピッツのMVってあまり意味のあるものはない気がしますね…、音楽に集中しましょう。
このミュージックビデオは、YouTubeでの再生回数がスピッツの楽曲の中でも上位のものです。
心に響く名曲として『スピッツ』というバンドに、なくてはならない存在になりました。
また、この楽曲は様々なアーティストがカバーをしています。
有名な曲だからという理由ではなく、やはり心を引き付ける「なにか」があるのでしょう。
その「なにか」とはこれから紹介する「こわい」部分なのかもしれません。
歌詞
忘れはしないよ 時が流れても いたずらなやりとりや 心のトゲさえも
君が笑えばもう 小さく丸くなっていたこと
出典: 楓/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
さて、「忘れない」ってことは、この曲の「君」は過去のひとなのでしょう。
嫌な予感がしますね…。
ともかく、そんな君の存在で、主人公は深く救われていたことが伝わってきます。