L'Arc～en～Ciel【metropolis】歌詞の意味を解釈！なぜ本当の心を持っていないの？

しかしアンドロイドでは、感情があっても深い繋がりを求めることができないのかもしれません。

なぜなら、見た目がどんなに人間そっくりだったとしても、その身体それ自体は作り物でしかないからです。

互いに深く愛し合う、その精神的な部分は重ね合わせることはできる。

しかし、身体的繋がりを持つまでには至らないのでしょう。

そんな現実にやりきれない気持ちを抱いているアンドロイドは、3行目で思わず本音をこぼしています。

全体的に妖艶な雰囲気が漂うこの楽曲ですが、その中でも際立ってセクシーなのがここの歌詞です。

冒頭でもご紹介した通り、この楽曲は映画「メトロポリス」の影響を受けています。

その影響を感じられるのが、ここの1行目。

これまでのストーリーからすると異質なように見えますが、まさに映画の内容を想起させる部分なのです。

映画では人々が反乱を起こし争う様子が描かれていますが、歌詞1行目からはそんな様子が伝わりますね。

窓の外で続く争いを無視し、部屋の中で愛を求めるアンドロイド。

その深い深い愛情に溺れているさまが、続く2~4行目で表現されているのです。

3行目、赤く燃え盛る炎が表現しているのは燃えあがる恋心ではないでしょうか。

その熱く、誰にも手をつけられないほどに立ち上る炎、すなわち熱い恋心が消えないようにしたい。

だからこそ3行目後半にある通り、離れないように引き寄せているのでしょう。

そして5行目。先ほども登場した言葉ですが、ここでは少し込められた感情が異なるように感じられます。

それは、文頭の感嘆詞による変化でしょう。非常にささやかな、でも確実なものです。

先ほどまでは純粋に、愛する相手との精神的繋がりを求めた行為であったように思えました。

しかしここでは、どこか諦めのような、不可能を悟ったかのような、そんな雰囲気が感じられるのです。

どんなに心を重ね合わせたって、どんなに愛する気持ちを持っていたって、本当に繋がることはできません。

身体的な繋がりを持ってこそ、本当の意味で結ばれると考えているアンドロイド。

そんなアンドロイドにとっては、いまのままでは報われないと感じているのでしょう。

結ばれたいと願い続ける、そんな自分自身のことを心のどこかで嘲笑っているようにも感じられます。

人の感情だけを持っているが故に、報われない恋愛に巻き込まれてしまったアンドロイド。

人の感情なんて持っていなければ、こんなに苦しい想いをせずに済んだかもしれないのに…。

愛という感情を抱く幸福と引き換えに残ったのは、相手と永遠に結ばれることがないという虚しさでした。

技術の発展により、すでに人間そっくりのアンドロイドが作られつつある現代。

近い将来、人の感情を持ったアンドロイドが生まれ、人間との禁断の恋に落ちることがあるかもしれません。

どこかSF感もありつつ、でも現実に起こりそうな、近未来的恋愛を描いた『metropolis』をご紹介しました。

今回紹介した『metropolis』が収録されているCDの、表題曲をご紹介。

実はL'Arc～en～Ciel、デビュー後に1度だけメンバーが変わっているのですが、ご存知でしょうか。

これはドラムのyukihiroさんが正式加入してから初めてリリースされた、記念すべきシングルなのです。

作曲者のテーマは夏、作詞者のテーマは冬という、チグハグなのにピッタリマッチした不思議な楽曲。

『winter fall』の歌詞や動画をお届けします。

先ほど紹介した冬ソング『winter fall』にちなんで、同じく冬をイメージさせるこちらをご紹介。

タイトルだけ見れば完全なる冬ソングなのですが、本当のテーマは実は違っていて…。

この作品における雪は、核の影響で降り注ぐ白い灰のことを意味しているのです。

死の灰が降り積もった世界が、どうなっていくのか…その様子を歌詞とともにお楽しみください。