社会では個人のチカラはどうしても相対的に弱々しいものに変えられてしまいます。
それでも人生を切り拓いていくのは個人のチカラです。
その個人、自分自身のチカラを信じてみようと歌います。
少しだけでもいい
出典: 革命を鳴らせ/作詞:ササキハヤト コウタロウ 作曲:永田涼司
多くを一度に変えてしまう社会革命の「革命」ではなく、閉塞した状況を打破しうる最小限の「革命」。
これが「革命を鳴らせ」という曲の一貫とした立場です。
それはジョン・レノンがTHE BEATLESのホワイト・アルバムで歌った「Revolution」とは趣を異にします。
それでもどうにかして鬱屈とした現状を変えてやるのだという思いは同じです。
荒野の砂山へ向かってダッシュ!
革命を鳴らせ
出典: 革命を鳴らせ/作詞:ササキハヤト コウタロウ 作曲:永田涼司
ラストへ向かって加速する「革命」
革命を鳴らせ 臆病な僕を連れて どこまでも遠くへ
白線を越えて 夜が明けた先へ進んで
少しだけでいい 変えてみせるよ
革命を鳴らせ
出典: 革命を鳴らせ/作詞:ササキハヤト コウタロウ 作曲:永田涼司
画面にはラストに向けて疾走するように迫真の演奏を紡ぐ4人の姿が若々しい。
こころ高鳴ります。
MVの前半と後半の違いに注目
前半や中盤では「実力行使」を連想させる、割とバイオレンスな武器による瓶や鏡、テレビジョンの破壊行為。
それが後半ではおよそ凶器になりえないような武器を担いで荒野の砂山に向かいます。
この違いや変化が監督とThe Floorの伝えたい「革命」の姿を物語っているように感じるのです。
私たちにもできる「革命」を蜂起しよう
自分のチカラと少しの助力だけで「革命」を成し遂げたいという思い。
小さな革命でも逼迫した思いでやれば、必ずや現状は変わるのだという意志。
またメジャー・ファースト・シングルのMVでの「船出」の心意気なども感じます。
主人公たる「僕」の革命であり、その「革命」に近くに居てくれる「君」をも連れていくと歌い上げます。
それはThe Floorとファンの皆さんの新たな革命蜂起の誓いでもあるのです。
「革命」に対する初期衝動の発露
The Floorの「革命を鳴らせ」の曲調は聴いていただいたとおり、キャッチーな良質のポップ・ロックです。
万人に愛されるようなサウンドと歌。
ところがMVは明るい日差しのもとではありますが、初期的な破壊衝動を描いてもいます。
こころの暗い部分に巣食うような初期衝動の発露です。
The Floorの明るいサウンドと比して、ちょっと心配になるような怖さもあります。
でも、ロック・ミュージック本来の芽生えるところには必ずなにかしらの破壊への志向があって当たり前です。
このMV「革命を鳴らせ」はそうしたロックに向かう青年たちの根源的なパッションを見事に描写しています。
その一方で弱々しい武器を頼りに、しかし果敢に荒野の砂山を目指すメンバーの姿も映し出すのです。
「革命」は案外、身近なチカラによっても起こしうるものなのだと伝えているのでしょう。