そして、太った人、痩せた人
そして、背の高い人、背の低い人

そして名もなき人々も
そして立派な人々も

たくさんの人々が必要だなんで思いもしなかったんだ

出典: Five Years/作詞:David Bowie 作曲:David Bowie

主人公はセンチメンタルになっている様子です。

音楽もどことなくクリスマスソングのような、寂しい空気が流れていますね。

地球にはたくさんの人が生きています。

争いが絶えない地球では、全ての人に価値があるということは感じにくいかもしれません。

しかし、あと5年で地球が滅亡してしまうということが事実になると、見える景色も変わります。

昨日まで憎しみあっていた人々も、別れがたい雰囲気になるのではないでしょうか。

全ての人がいてよかった。

思いもよらない事実に主人公は気がつくのです。

1人の少女

とりみだす

A girl my age went off her head
Hit same tiny children
If the black hadn’t a-pulled her off
I think she would have killed them

出典: Five Years/作詞:David Bowie 作曲:David Bowie

主人公が街中を進んでいくと、彼の前にある光景が現れます。

滅亡を予感させる不吉な光景。

一体、どんな光景なのでしょうか。

和訳はこちらです。

わからない

私と同い年の女の子は頭がいかれてしまった
同じ小さな子供達を襲ったんだ
黒人が彼女を引き離していなかったら
彼女は子供達を殺していたと思う

出典: Five Years/作詞:David Bowie 作曲:David Bowie

街の荒廃した人々が描かれています。

地球滅亡の恐怖で、気がおかしくなってしまったのでしょうか。

子供達を殺そうとする女性。

このアルバムがリリースされた1972年、デヴィット・ボウイは20代中盤でした。

主人公も彼が扮しているキャラクターと捉えると、年齢も20代くらいなのではないでしょうか。

その彼と同い年の女性が、子供を攻撃している姿は恐ろしいですね。

資源がなくなっているということで、今までのストレスが溜まりに溜まった状態なのかもしれません。

優しさ理性を失ってしまった人間の姿がそこにあります。

不思議な光景

奇妙な路上

A soldier with a broken arm, fixed his stare to the wheels of a Cadillac
A cop knelt and kissed the feet of a priest
And a queer threw up at the sight of that

出典: Five Years/作詞:David Bowie 作曲:David Bowie

そして、さらに主人公が進んでいくとまたもや奇妙な光景が続きます。

社会の荒廃が、進行していることが伝わってきます。

和訳はこちらです。

あべこべな光景

腕を骨折した兵士がキャデラックの車輪をじっと見ている
警官はひざまずいて司祭の足にキスをしている
同性愛者がその光景を見て吐いたんだ

出典: Five Years/作詞:David Bowie 作曲:David Bowie