心配になってしまう理由
君はすぐ僕が何処か遠く 離れてしまわないかと
心配になっちゃうんだから
出典: エデン/作詞:Fukase 作曲:Fukase
相手もやはり主人公のことを大切に想っているのでしょう。
付き合っているといろいろな心配が頭をよぎるようになります。
相手が何かに巻き込まれていないか、無事に家に帰ってくるか。
これは好きである証明ともいえるでしょう。
相手のことを好きだからこそ、その身を案じてしまう。
自分と付き合っているときに、誰か他の人と良い関係になっていないか不安になったりもするのです。
その心配が行き過ぎてしまうと逆に相手を苦しめてしまうこともあるのではないでしょうか。
人の感情にはストップをかけないと、正の想いですら負の想いに変わってしまうこともあるのです。
そこが人の感情の恐ろしい部分でもあるのではないでしょうか。
醜い感情
一見するとひどい話
こんな事言ったらさ 君は怒るかも知れないけど
僕はさ 君のその涙を見た時に
ちょっとだけ幸せで安心する気持ちになるんだ
出典: エデン/作詞:Fukase 作曲:Fukase
この部分では、闇のイメージを持つアルバムの醍醐味。
人の感情の醜い部分が出てきます。
君が泣いている姿を見ると安堵してしまう。
普通なら人が泣いている時は、心配になったり、助けてあげなければと思うものです。
しかしここではその逆の感情が働いてしまっている。
一体、なぜ主人公は安堵してしまうのでしょうか?
安堵した理由
安堵した理由を知るためには、彼女の泣いていた原因を知ることから始めましょう。
前の歌詞で彼女は主人公がいなくなってしまわないか心配していました。
涙の理由は、心配がゆえの涙だったのではないでしょうか。
主人公のことを想いすぎるがあまりに感情が溢れ、涙に変わってしまった。
泣いている理由がこの理由だとすると、主人公が安堵した理由もみえてきます。
それは心配して涙まで流してくれたことが嬉しかったのでしょう。
第三者から見ると泣いている彼女と幸せそうな彼氏という図になります。
これは確かにひどい彼氏だと、罵倒する人も現れるでしょう。
しかし中身は違ったのです。好きという気持ちが彼女の心配から伝わってきた。
それが何より嬉しく、幸せを感じてしまったのではないでしょうか。
優しい愛
僕は君に出逢えて幸せだよ
出典: エデン/作詞:Fukase 作曲:Fukase
主人公は彼女のことを本当に愛しているのでしょう。
ここでは恋人を大事にしている気持ちが柔らかく伝わってきます。
優しい雰囲気に満ち溢れているのです。
彼女の心配や悩みが一言で吹き飛ぶような甘い言葉。
この言葉を彼女も待っていたのかも知れません。
宇宙にある愛の言葉たちでは、彼女を満足させてあげることができませんでした。
しかしこの言葉には「好き」や「愛」という単語は一切使われていないのです。
ただ自分の心の中の気持ちを言葉に出しただけ。
ありふれた愛の言葉よりも、自分の心の中の素直な気持ちをただ言葉にする。
それこそが想いを伝える最大の手段だったのではないでしょうか。
過去も全て今に繋がっていく
君と出逢う為 ずっと歩いて来たのかと
なんて考えなくもないけれど
ちょっと内緒にしておこう
出典: エデン/作詞:Fukase 作曲:Fukase
今まで主人公と君がそれぞれに過ごしてきた人生は違います。
しかし今は、同じ人生の道を共に歩もうとしている。
ここで伝えたいのは、今までの人生すら今に繋がるための道だったのかも知れないということです。
昔にあったある出来事のおかげでこの道を歩んできたのかも知れない。
何か1つの小さなきっかけで道が大きく変わっていた可能性もあるのです。
現に今、2人は一緒にいます。
しかし、今まで過ごしたお互いの人生のどこか1つでも違っていたのなら。
もしかしたら一緒になることはなかったかも知れないのです。
過去のことは関係ないという人もいるでしょう。
ですがそうではなく、過去があるから今の考え方の自分がいるのです。
そしてその今の自分だからこそ、今の相手を愛することができるのではないでしょうか。
人生の未来の道筋は決まってはいません。
しかし人生の今までの出来事は全て繋がっているのかも知れないのです。