1番のサビでは、目指していた夢が消えてしまうことへの虚しさのような感情を歌っていました。

しかし2番のサビでは逃げてしまってもいい、「それでもいいんだ」というそんな決意と強い思いを感じます。

そこにあってもなくても、それが真実でも幻でもいい、それでも私の目には映っている。それだけで十分。

そんな儚くも真っ直ぐな気持ちと吹っ切った気持ちのいい思いを感じます。

主人公がその夢がいつか消えてしまってもいいと思えるのは、ようやく夢中になれるものを見つけたからなのです。

大人になるにつれ、若かった頃のように目の前のことに熱中することができなくなっていた。

しかし今ある物に対して若返ったかのように熱中できるようになった。

それがつまり、「君」との恋なのです。

もし「逃げ水」のように目の前から逃げて行ったとしても、必ず追いかけてみせる。

その決意によって、主人公が以前までの自分を客観視するような視点で物事を見ていないことが分かります。

今、まさに当事者としてその恋を楽しんでいるのでしょう。

信じること

大事なものはいつだって あやふやな存在
手を伸ばしても 何も触れられない
でもそこにあるってこと 信じるまっすぐさが
生きてく力だよ

出典: 逃げ水/作詞:秋元康 作曲:谷村庸平

夏が過ぎるのを待っていたあの時の客観的な彼女とは違うことをこのCメロでは感じることができます。

逃げ水のように実際にそこにはない幻だったとしても、そこにあると信じる力。

それが生きてく力、その力が「逃げ水」という儚い希望や夢へと近づいていく力になるはず。

理論的に、現実的に、そんな風に捉えていくことだけが大切なことではないんです。

夢を追う力は「自分の目に映るもの」が糧になる、その真っ直ぐな心を抱き締めていたい、そんなフレーズなのでしょう。

夢はいつか消えていくものだと考えていたそれまでの主人公。

しかし今では自身の目に映っているものをそのまま受け入れることで、それを明日への希望としているのです。

ここには主人公の考え方の変化が表されているといえるでしょう。

主人公にとって、「君」との出会いは考え方を変化させられるほど強烈なものだったのだということが分かります。

大切な出会いを経験したことによって、生きる気力を手に入れたのです。

逃げてしまっても追いかけたいという想い

ミラージュ 遠くから見た時
道の向こう側に 水たまりがあったんだ
近づいたら ふいに消えてしまった
目指してきたのに どこへ行った?あの夢

出典: 逃げ水/作詞:秋元康 作曲:谷村庸平

夢とは「逃げ水」のようであり、見えていても逃げていってしまうもの。

1番の歌詞だけでは、「追いかけても逃げてしまう叶わないもの」というイメージで完結してしまいます。

しかし2番サビとCメロの歌詞を紡いできたあとのラストの大サビ。

1番ののサビと歌詞は全く同じなんです。

しかし、逃げていってしまっても夢を諦めないで追いかけていく、という前向きな歌詞として捉えることができませんか?

 

そして手に届かないものであったとしても、その夢はずっと自分の目には映っているんです。

この映っているものは、それが夢であったり、恋であったり、その人にとって大切なものであったり。

いつの間にか離れていってしまうとしても追いかけていく、その見えている道筋を諦めずに歩いていく、そんな曲なのではないでしょうか。

歌詞が同じでも、その間にある歌詞によってここまで最初と最後で持つ意味に変化を感じるものなのですね。

一夏の熱狂と、いつか消えてしまうかもしれない夢や希望を「逃げ水」という現象に重ね合わせた楽曲

この言葉のマジックは、秋元康ならではといっても過言ではないでしょう。

夢を諦めないことが生きる意味にもなり得るということ。

それを彼は伝えたかったのではないでしょうか。

水というイメージから感じる爽やかさと過ぎ去ってしまうことへの切なさが、夏にぴったりの楽曲だといえるでしょう。

最後に

【乃木坂46/逃げ水】歌詞を徹底解釈!逃げ水=ミラージュの意味とは?あなたもあの夢を思い出せるかも…の画像

乃木坂46楽曲「逃げ水」の歌詞解釈いかがでしたか?

夏を感じる曲というよりも、「あの夏」を思い出す曲のようだなと感じています。

不思議とふとした瞬間に聴きたくなるような綺麗なメロディに浸りたくなりませんか?

夏という特別な感情の芽生える季節、そんな複雑な心をくすぐる切なくも美しい楽曲ですね。

夏曲というと盛り上がる曲が多い印象。

しかし「逃げ水」はそれらと比較すると、爽やかさがありながらもどこか落ち着きも感じられる楽曲です。

切なさを感じる歌詞やメロディは、幅広い年齢層のリスナーの心に刺さる夏曲といえるのではないでしょうか。

乃木坂46、オススメの夏曲!

さて、乃木坂46の夏曲は他にもたくさんあります!

その中でも一押しの夏曲を紹介したいと思います。

12枚目シングル「太陽ノック」

【乃木坂46/逃げ水】歌詞を徹底解釈!逃げ水=ミラージュの意味とは?あなたもあの夢を思い出せるかも…の画像

乃木坂46の顔であった生駒里奈の待望のセンター楽曲。飛び跳ねたくなるような明るい曲調が夏にぴったりです。

これぞ夏曲といった印象を受ける、元気一杯の楽曲といえるでしょう。

夏の暑さを味方に変えてくれる乃木坂46の12thシングル「太陽ノック」。PVや歌詞情報はもちろんのこと、「太陽ノック」に選抜されたメンバーもご紹介しちゃいます!

2018年の夏曲、21枚目シングル「ジコチューで行こう!」

【乃木坂46/逃げ水】歌詞を徹底解釈!逃げ水=ミラージュの意味とは?あなたもあの夢を思い出せるかも…の画像

センターは齋藤飛鳥!ベトナムで撮影されたMV、一人一人が猛烈に可愛くてたまりません!

タイトルにもあるように「自分らしく生きること」を私たちに伝えてくれる楽曲でもあります。