往年のファンからも再評価が進む「野ばらのエチュード」

松田聖子11枚目のシングル

松田聖子【野ばらのエチュード】歌詞の意味を解説!少女から大人へ…愛を知った心は強さと美しさをくれるの画像

本稿をご覧になる方で「野ばらのエチュード」をリアルタイムで体感した人は少ないことでしょう。

かくいう私もその1人です。

松田聖子さんが11枚目のシングル「野ばらのエチュード」をリリースしたのは1982年

歌詞にも出てくるように松田聖子さんが20歳の節目を迎えたタイミングでリリースされた楽曲です。

ポッキーのCMソング♪

リリース当時はポッキーのCMソングとしてもお馴染みだったそうです。

CMには松田聖子さん本人が出演し話題を呼びました。

現在に照らすと三代目J Soul Brothersの「シェアハピ?」を見ているような感覚だったのでしょう。

サビの「チュルリラ~」が印象的な「野ばらのエチュード」。

近年、かつてより歌謡曲を追いかけている方の間でも再評価が進んでいるそうです。

果たしてどのような魅力を秘めた曲なのでしょうか?

「四季」の移ろいを表現した楽曲

”キャンディボイス”が美しい

野ばらのエチュード/松田聖子

「野ばらのエチュード」の前作として発表されたのは「小麦色のマーメイド」

「小麦色のマーメイド」は若い世代の方にも比較的認知度が高い楽曲ですね。

それに比べるとある意味地味といいますか...通好みとして愛聴されている「野ばらのエチュード」。

しかし一聴するとお分かりになりますが当時の松田聖子さんのキャンディボイスを味わうのに絶好の楽曲です。

同じく名曲として語り継がれる「風立ちぬ」に匹敵する美しさを持っています。

松本隆&財津和夫コンビが生んだ名曲

松田聖子【野ばらのエチュード】歌詞の意味を解説!少女から大人へ…愛を知った心は強さと美しさをくれるの画像

8枚目のシングルに当たる「白いパラソル」はご存知でしょう?

洒脱なシティポップスに乗せて少し大人びた恋を歌った名曲です。

松田聖子さんの声をキャンディボイスと呼ぶようになったきっかけともいわれる楽曲。

「白いパラソル」は松本隆さんが作詞を、財津和夫さんが作曲を手掛けた名曲です。

その後の4作は作曲大瀧詠一さん呉田軽穂さん(松任谷由実さんの変名)が担当。

「野ばらのエチュード」は1年ぶりの松本&財津コンビでの制作曲として歌謡曲好きに知られています。

耳タコかもしれませんが松本隆さんは元はっぴいえんどの名作詞家。

財津和夫さんはチューリップのリーダー兼作曲家として知られています。

90年代に「サボテンの花」がリバイバルヒットしたのが懐かしいですね。

「野ばらのエチュード」制作に際して嘘か真か面白い逸話があります。

ヴィヴァルディの「四季」をイメージした曲を依頼され困り果てた財津さん。

チューリップ時代のボツ曲を提供したらしいのです。

結果は不思議なもので松田聖子さんの歌声と松本隆さんの歌詞との相乗効果で大ヒットを記録します。

ここからは松本さんの綴った歌詞の世界を見ていきましょう。

タイトルに込められた意味

恋の痛みから立ち直る練習曲

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通常楽曲のタイトルは誰が付けるのでしょう。

一般的には作詞家が付けていると思われますが何しろクレジットされません。

「野ばらのエチュード」は歌詞に同様の表現が用いられることから松本隆さんだと推察します。

エチュードとはクラシックでしばしば”練習曲”という意味で用いられます。

野ばらの練習曲?解釈に困りましたので野ばらというワードにスポットを当ててみることに。

ドイツの詩人ゲーテが「野ばら(Heidenröslein)」という̪詩を残していました

そこで野ばらとはゲーテが恋に落ちた女性を指しています。

また野ばらの花言葉は”痛みからの回復”という意味を持つそうです。

これらの情報を整理すると”恋の痛みから立ち直るための練習曲”というキーワードが浮かび上がります。

20才になり大人になった松田聖子を表現

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