続いて、曲の中でもより印象的なサビの部分です。

アンバランスなKissを交わして
愛に近づけよ
君の涙も哀しい嘘も
僕の心に眠れ

出典: アンバランスなKissをして/作詞:山田ひろし 作曲:高橋ひろ

ここでキスを「アンバランス」という表現で今の二人の気持ちを歌っています。

僕は君を愛していても、君は僕のことを愛していない。

そんな気持ちのズレをアンバランスという表現にしているのですね。

そして、君の哀しい嘘とあります。「自分は平気だよ」と君は僕に嘘をついたのでしょうか。

この時点でまだ君は僕に心を許すことができていないのが窺えます。

でもそれを含めて君の全てを僕の心で受け止めてあげたいと言っているのですね。

一番のサビでは実は僕の一途な想いがこんなにも強く込められていました。

すこし怖く感じてしまうような一方的な想いですが、曲を聴いてると不思議とそんな感じは全くしません。

離れていく君とそれでもまだ想い続ける僕

一番は切ない僕の想いとお互いの気持ちが分かる歌詞になっていました。

離れていく君の心を歌うAメロ

続いて二番になると展開が少し変わった様子が伺えます。

昨日へのMerry-go-round
君を運んでゆく
止めたくて 止めたくて
僕は鍵を探してる

出典: アンバランスなKissをして/作詞:山田ひろし 作曲:高橋ひろ

「メリーゴーランド」が昨日へというのは、一回聴いただけだとよくわからないのではないでしょうか。

おそらくメリーゴーランドは多くの人が楽しい・キラキラしているというようなイメージを持っていると思います。

きっと君は昨日までは楽しい日々を送っていたのでしょう。

そして、そんな楽しかった昨日に君の心が向いてしまう、自分の方には向いてくれなくなってしまう。

それを止めたくて鍵を探すというのが二番のAメロになります。

ここでいう鍵とはなんなのか。

それは君が僕に振り向いてくれるキッカケのことだと思います。

どうしたら昨日を忘れて前を向いてくれるか。

僕の気持ちに答えてくれる鍵はあるはずだと僕は探しています。

それでも君を想う僕の気持ちを歌うBメロ

ここまで君のことを想って尽くしてきたけれど、君の心はまだ僕に振り向いてくれない。

崩れ落ちそうな空を支えて
ひとり立ち尽くす
ただ君の 君の側に いたいよ

出典: アンバランスなKissをして/作詞:山田ひろし 作曲:高橋ひろ

けれど僕の想いは何一つ変わりません

「今にも壊れてしまいそうでひとり自分の世界にこもっている君の側にいたい。」

こんなにも一途に想える理由はなんなのでしょうか。

君と僕との関係性は歌詞からは断言することができません。

それでも僕が君を想い続ける気持ちは変わることはない

それが最後の一行です。 高橋ひろさんの透き通った歌声と哀愁纏わせる歌い方が聴く人を魅了します。

サビ前のたった一行の部分ですが、何度聴いても飽きることはないでしょう。

君の気持ちを感じ取った僕の気持ちを歌うサビ

今までは僕の君への一途な想いがこれでもかというくらいに歌われていました。

アンバランスなKissで書かれた
ふたりのシナリオ
愛と呼ぶほど強くなくても
君の全てが 痛い

出典: アンバランスなKissをして/作詞:山田ひろし 作曲:高橋ひろ

しかしここで初めて二人の関係性から生まれる哀しみを感じた僕の気持ちが表現されています。

これまで僕の一方的な想いで作られてきた二人の物語。

一方的な想いは愛よりは脆い関係性でしかないでしょう。

この先君が僕を必要としてくれるかもわかりません。

僕の想いに気付いてくれないもどかしさもあると思います。

君をそんな状態にさせている哀しみと、その哀しみの影響でできた今の二人の関係性。

二人に愛はなくてもこの哀しみは僕に痛いほど伝わってくるよということが表現されています。

ラストのサビからも分かる強い一途な想い