「DEARS」「TEARS」って??
瞳が大きすぎて瞼が開ききっていない印象を受ける美しいお顔と、アジアンな香りや時にはパンクロックテイストも感じるシンガー・中島美嘉さん。
自分の声が大きく聞こえたり、耳がふさがった感じがしたりする病気(耳管開放症)と闘いながらも、音楽活動を休んだことはあっても現在まで継続しているその熱意は敬意を示すべきといえるでしょう。
2017年現在、彼女のシングル作品数は38枚。今回は、その38枚に収録されヒットした曲を中心に詰め込んだベストアルバム「DEARS」と「TEARS」についてご覧いただきましょう。
スタンダードバージョンでそれぞれ2枚セット、DVDつきで3枚セットと大ボリューム!しかしその美声を聴いていたらあっという間に聴ききってしまうはずです。
「DEARS」収録曲は?
dearsはdearの名詞扱いですから、「いとしい人たち」「親愛ものなるたち」という意味になります。つまりリスナー全員ととらえてもいいかもしれません。
そんな愛にあふれた一枚のうち、これは聴くべきという楽曲をコレクトしてみることにします。
『NANA』主題歌「GLAMOROUS SKY」
筆者としては中島美嘉さんといえばNANA starring MIKA NAKASHIMAなのですが、「GLAMOROUS SKY」は「TEARS」のほうにピックアップされています。
この曲はご自身が主演の映画『NANA』で使われた作品です。原作は矢沢あい先生の同タイトルの漫画で、「GLAMOROUS SKY」の歌詞は矢沢先生が書いたのだそう。しかも作曲がL'Arc〜en〜CielやVAMPSのボーカリスト・hydeさんという、スーパーゴージャスな曲なのです。
『NANA』では大崎ナナ(二人のNANAのうちパンクバンドBLACK STONESで活動していたほう)がそのまま漫画から飛び出してきたかのようなドンピシャはまり役でした。
PVのほうでも、主人公が好んで身に着けていたVivienne Westwoodのアイテムに身を包み、「リアルナナ」オーラ全開・違和感ゼロで見ていて気持ちいいですね。
アニメエンディングテーマ「火の鳥」
天才漫画家・手塚治虫先生の作品が原作のアニメ『火の鳥』で使われた、エンディングテーマ曲「火の鳥」も特筆すべき上作です。
原作やアニメの「復活編」や「未来編」、「異形編」などから感じるSF的な壮大というよりも、「黎明編」や「太陽編」でとくにハッキリ示されているような、われわれ人類にとっての普遍の真理を優しく描いた穏やかさが全面に出ている曲といえるでしょう。
PVの途中でついつい「火出てるで!!火!!」とツッコんでしまうのですが、火の鳥の羽根を連想させるひらひら感たっぷりの衣装とヴィンテージなセッティングが素敵ですね。
上述のVivienne Westwoodのオーブリングがちらりと出てくるのもグレイトです!
「TEARS」収録曲は?
こちら「TEARS」の収録曲は、タイトル通りしっとり系の曲が多い印象です。
アルバムの締めが「CRY NO MORE」というのも秀逸。