槇原敬之の詞の世界

槇原敬之歌詞の内容は、主に日常生活のできごとや恋愛模様などをテーマとした、本人が言うところの「ライフソング」。平易でわかりやすい、それでいて選び抜かれたシンプルな言葉が、私たちの感情にストレートに訴えかけてきます。出身は大阪府立春日丘高等学校で、この高校からはあの嘉門達夫(かもん たつお)も卒業しています。

ファンが選ぶベストソングは

槇原敬之ファンが考えるベストソングとはなんでしょうか?ここでは「レコチョク」のランキングからベスト5を調べてみました。その結果は以下の通りで、すぐに歌詞とメロディが浮かび口ずさんでしまう名曲ばかりです。

1 どんなときも。
2 遠く遠く
3 僕が一番欲しかったもの
4 もう恋なんてしない
5 世界に一つだけの花

※2017年9月現在

出典: https://recochoku.jp/artist/2000001453/song/?narrow=0&sort=05

それでは、詞を先に作ってからメロディを考える「詞先」と呼ばれる方法を多用している、マッキーの歌詞の魅力に触れていきましょう。

1位 どんなときも。

1991年6月発売、マッキーのブレイクのきっかけとなった3枚めのシングルがトップにランクインです。同じ年に公開された映画「就職戦線異状なし」や1992年春の高校野球入場行進曲にも採用された曲で、リフレインの歌詞とメロディは多くの日本人の記憶に染み込んでいるでしょう。

その中で歌われているのは、誰の記憶の中にもあるナイーブな青春の一シーン。不安や迷いといったネガティブな要素を提示していながら、後半サビ部分ではポジティブなメッセージに転換しているのが、たくさんの人の共感を呼ぶ秘密ではないでしょうか。

どんなときも どんなときも
僕が僕らしくあるために

出典: https://twitter.com/pico_pico0324/status/900146479293014018

自分が自分らしくあるために、失敗や遠回りはけして無駄ではないんだ、ということを一人称で語りかけ、確認させてくれます。現在進行形で悩んでいる若者にも、過去の自分を懐かしみ振り返る大人にも、老若男女すべての人にとっての応援ソングとなっていることがよくわかります。

2位 遠く遠く

この曲は、1992年発売のアルバム『君は僕の宝物』に収録され、シングルカットはされませんでした。ずいぶん後の2006年ごろのNTT東日本CMソングに採用され、注目を浴びることとなった曲です。新垣結衣(にいがき ゆい)出演の映像も初々しく、いまあらためて見ても涙を誘います。

遠く遠く離れていても
僕のことがわかるように

出典: https://twitter.com/buchiko815/status/904541749267243008

この曲は槇原敬之自身が上京し、まだ売れないころの自分の気持ちを歌った曲ということで、本人も指摘しているように、かなり私的なイメージが強いものですが、だからこそ、故郷を離れがんばっている人々の背中を押す歌となっているのでしょう。

ドラマタイアップ曲が上位に

3位 僕が一番欲しかったもの

2004年7月28日発売の槇原敬之の32枚目のシングルです。天海祐希が主演したTVドラマ『ラストプレゼント~娘と生きる最後の夏~』の主題歌で、自分のいちばん大切なもの、娘の存在に気付くというドラマストーリーにもリンクした曲です。

歌のタイトルから、結婚式などに替え歌として引用されることも多く、ひとりひとり誰にもあるはずの「いちばん大切なもの」に気づかせてくれる、思い出させてくれる・・・そして言葉に出すのは恥ずかしいそのことを歌に代えて伝えることができる曲として支持されているようです。