ベースが歌っている?「Sundance」
2016年4月リリースの1stアルバムその名もズバリ『D.A.N.』から約2年ぶり。
2018年7月にリリースされた2ndアルバムのタイトルは『Sonatine』(ソナチネ)。
その収録曲が「Sundance」(サンダンス)です。
エモーショナルな歌が前面に押し出された「Chance」に続く3曲目。
約7分の楽曲ですが、歌は全体で1分ほどしかありません。
とくに前半はまるで「ベースが歌っている」かのように踊りやすいビートが特徴的。
タイトルからして「太陽の踊り」や光を表す曲かと思って聴いているとエモーショナルな展開が。
イラストレーターで映像作家のオオクボリュウさんが手掛けたMVもポップだけどシュール。
この一筋縄ではいかない「Sundance」の謎に迫ります。
「Sundance」のMVを見てみよう♪
MVに登場する映像は大まかに分けると4種類あります。
太陽やシマウマなどの「大自然と動物」「建物と建設作業者」「歌詞に関連するもの」「それ以外」。
それぞれ実写映像とアニメーションで展開されます。
オオクボリュウさんによるレトロポップかつシュールなイラストが動き出すわけですね。
これらの要素が混ざり合ってひとつの短編映画みたいに仕上がっています。
ただ「誰が何をした」とはっきりわかるような物語仕立てではありません。
まるで「解釈はご自由に!」といわんばかりの実験映画そのもの。
「これはこういう意味かな?」と想像できるところが醍醐味ですが、その余白が大きいです。
そこで、あくまでひとつの独自解釈という視点でこのMVをじっくり見ていきましょう。
「Sundance」をMVから独自解釈
「Sundance」のMVで最初に飛び込んでくる映像はゲームのリモートコントローラー。
キーボード付きで何やら打ち込んでいる人物の手元がクローズアップ。
「これからゲームを始めるよ」というニュアンスが含まれているのかも。
というのもすでに独自解釈です。
さらにそれが「どんなゲームなのか?」という独自解釈に必要なポイントをまとめました。
太陽
リモコンの映像に続いてアニメーションと実写映像が次々と混ざり合っていきます。
そのうち「Sundance」というタイトルと密接に関わると考えられるのが「太陽の実写映像」。
「昇る太陽」と「沈む太陽」の両方が登場します。これはアニメでも展開。
デフォルメされた人の顔が「昇る太陽」と「沈む太陽」を交互に見つめるアニメもあります。
動物
さらに「Sundance」のダンサブルなサウンドにマッチすると考えられるのが「大自然の実写映像」。
タイトルと太陽の映像から、ネイティブアメリカンの儀式サンダンスを想像することもできます。
でも冒頭がゲームのリモコンという日常的な映像だったので、スピリチュアル寄りではなさそう。
もうひとつの大自然が動物です。
それぞれ実写とアニメで登場するのはシマウマ、トラ、ヤギ、フクロウ、魚、ワニ、ゾウ。
とくにアニメではデフォルメされた動物の模様や特徴が様々な映像手法で溶け合います。
建物と建設作業者
「太陽&動物」という大自然と対照的なモチーフが「建物&建設作業者」。
こちらも実写映像とアニメの両方があり、アニメでは建物も動物みたいに動きます。
そして動物の模様と同じように、建物の窓や屋根といったデザインが溶け合っていきます。
独自解釈
MVには他の要素もたくさんありますが、上記のポイントから「Sundance」を次のように独自解釈!
太陽も動物も建物という人工物でさえも「生きる」という営みは同じ。それこそがサンダンス。
日常的な個人としても、大自然や人工物にまで幅を広げてみても、不安な面はたしかに多い。
ゲームのコマには成り切れないかもしれない。でも生きよう。
といってもスピリチュアルや地球環境のメッセージほど大げさな感じではなく踊るという方法で。
というゲームでも始めてみませんか?……くらいでいかがでしょうか。