「エストエム」Acid Black Cherry
アルバム「L-エル-」収録曲
Acid Black Cherryの「エストエム」をご紹介します。
アルバム「L-エル-」の収録曲で3曲目です。
この他、ライブアルバム「2015 arena tour L-エル- LIVE CD」にも収録されています。
突き刺さるようなサウンドと、緩急のついたアレンジで非常にノリやすいナンバーです。
ヘドバンのお供にいかがでしょうか。
歌詞の意味を独自解釈!その1
ろくでなしでエスなアイツ
泣いてばっか 痛いよちょっと
だけど たまに優しいんだって
ろくでなしでエスなアイツには 私がいなきゃいけない
出典: エストエム/作詞:林保徳 作曲:林保徳
泣かされてばかりの主人公。
たまに見せる優しさに弱いようです。
しかし、どんなろくでなし男もたまには優しさを見せるもの。
完全に騙されていると推測します。
暴力的で、だらしがない、そんな彼には私がいなきゃダメになってしまう……。
気持ちはわかりますが、やっぱり騙されていますね。
ああ、可哀想な主人公。
でも、そんな私も嫌いじゃないかもなんて思っているのではないでしょうか。
SもMもナルシシズムと密接な関係があるように思います。
こんなにメチャクチャにされちゃって恥ずかしい。
でも、それが気持ちいなんて本当に私ってちょっと変。
そしてそんな私が大好き。
というような感情です。
さらにそのような嗜好には、パートナーの存在も不可欠となります。
パートナーもまた、同じように自分にも相手にも酔える必要があるのです。
そのような関係には、お互いに深い依存が成立すると思います。
お互いに、相手がいなければ自身の嗜好が成立しないことになるためです。
引用「私がいなきゃいけない」は、母性本能的でもあります。
ただ、お互いの存在を正当化する理由付けともとることができるのです。
I’m happy 蹴られても
Though here’s hell 誰がなんて言おうと 私はあなたを見捨てはしない
出典: エストエム/作詞:林保徳 作曲:林保徳
殴られても、蹴られても、幸せ。
周りから見たら異常事態ですね。
でもそんなことは気にしてはいられないのです。
彼を見捨てる訳にはいきませんから。
痛みなんて……。
どうせだって 痛みなんて一瞬で
あれと紙一重で
何度もくり返していれば 次第に愛に見えてくる
出典: エストエム/作詞:林保徳 作曲:林保徳
痛いのは最初だけ。
筋トレやスポーツでもいえますね。
だんだん快感に変わってくるのです。
このような愛情表現も習慣化されてくることで二人にとって自然なものになっていくのではないでしょうか。
そして二人にとって自然な習慣は、刺激が強いほど中毒性が強いものです。
気が付いたらやめられなくなっていた。
そうです、病みつきになってしまっているのです。
はたから見ると異様なものに見えてしまうでしょう。
しかし、そのような異常な情景をさらりと書いてあるあたりがこの歌詞の面白いところでもあります。
I’m happy 目を閉じて
Though here’s hell
あなたの好きな場所だったら 私はなんでも知ってるわ
出典: エストエム/作詞:林保徳 作曲:林保徳
相手の喜ぶことを知り尽くしています。
引用「場所」にかかる言葉が「なんでも」とあるので、ポイントやスポットという意味だけではなさそうですね。
ここは解釈のしようですが、攻守が入れ替わっている気がします。
さぁ天国へ
さぁ天国へ行こう 私が連れてってあげる
脳を貫いて 夜をまとえば
ほらエストエムが 入れ代わって 快楽の先 迷路
出典: エストエム/作詞:林保徳 作曲:林保徳
やはり入れ替わっているようです。
「私が連れて〜」とあるところから、彼女が主導権を握っていると考えられます。
「迷路」なので、入れ替わった末に本人たちが迷ってしまったということでしょう。
タイトルはSとMだとして、入れ替わることなんてあるのでしょうか。
そもそも人間はその二つを両方とも持っているものだと考えるからです。
二人の間で、二つの感情を行ったり来たりできるとしたら息はピッタリということになります。
相性は、バッチリですね。
殻を破り 灰になるまで まだ突き上げて
私以外 誰があなたを救えるの?
ほら声を出して 私の名前を
出典: エストエム/作詞:林保徳 作曲:林保徳