Official髭男dismの「Driver」は車がテーマではない?
家族や恋人、友だちとドライブに出かけるときに車で聴きたいのはどんな曲でしょうか。
もちろん人それぞれ好みは違いますが、これをかけておけば間違いなし!というナンバーもあります。
Official髭男dism(以下ヒゲダン)の「Driver」もそんな曲でしょう。
さわやかで元気の出るポップミュージック。ギターとピアノの音色も聴きどころです。
ヒゲダン1枚目のフルアルバム「エスカパレード」と配信限定EP「LADY」に収録されています。
また、メ~テレ(名古屋テレビ)朝の情報番組「デルサタ」のテーマソングにもなりました。
ドライバー(運転手)だけでなく同乗者の気分もウキウキさせてくれる曲。
そう思いながら聴いていると「この曲のテーマは車ではない?」という疑問が浮上する可能性があります。
もしかしたらおなじみのあの娯楽について歌っているのかもしれません。
その娯楽とは何なのでしょうか。
こうした疑問を解決しつつ「Driver」の歌詞を解説します。
歌詞をチェック!
おでかけの朝は大変?
スマートフォンの業務も
全く楽じゃないよな
もうタイムアップだよ
いつまで寝てるの?
大きな声で騒いで
君をベッドから追い出した
着替えを急いでよ
そんな顔すんなよ
出典: Driver/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
冒頭から「業務」という言葉が出てくるので、一瞬仕事の話?ととまどうかもしれません。
ところが実際は主人公の男性が朝、まだ寝ていた君を時間切れだからと起こしている状況です。
最初はスマホのSNSや電話などを駆使して起こそうとしたものの、君はなかなか起きなかったのでしょう。
そのため男性は大声で騒ぐという直接攻撃に出たようですね。
君はまだ眠たいと不満げな表情でも浮かべたのかもしれません。
この男性と君との関係性は幅広く解釈することができそうです。
夫婦でも当てはまると考えられますが、恋人同士のほうがしっくりくるでしょうか。
たとえば仕事がオフの日のデート。
男性は自宅を出るときからワクワクして彼女にモーニングコールをしたのでしょう。
ところが結局、彼女の家に着いても彼女はまだ寝ていたので、パッと布団をめくったとか。
着替えが必要ということからお家デートではなく、どこかへ出かける状況と解釈することができます。
何のコース?
予報は曇りのち晴れ
気温は少し低いけど
行きたいとこへ行こう
遠慮はいらないよ
目的地が決まったら
僕がコースを探し出すよ
たまに間違えるけど
ご愛嬌ってことにしといて
出典: Driver/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
僕と君のデートということはわかってきましたが、行き先はまだ決まっていなかったようです。
少々肌寒いものの天気はまずまずなので、とにかく車で出かけるという話かもしれません。
君の行きたいところへ連れて行ってあげるから運転は僕にまかせてほしいという雰囲気です。
ここで「コース」という言葉が出てくるのが少々引っかかります。
カーナビで目的地までの道順=コースを検索するという意味でしょうか。
その場合、コースよりもルートという言葉のほうがしっくりきます。
さらに「間違える」という表現がわざわざ出てきている点も気になります。
もしかしたら「何かが間違っている」と暗に示しているのかもしれません。
ゴルフの話だった
ドライバーの意味は?
放物線をイメージして
打ちぬけDriver
噂で溢れた街のどこか
君を希望のど真ん中
連れて行くから
何千何億通りの 転がる未来から
1つを選んだら
天井のない世界のどこか
優柔不断の最中 照らし出すから
高く上がったボールの
その先へ行こう
It's a beautiful beautiful day
yeah
It's a beautiful beautiful sky
出典: Driver/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
さあ、歌詞のとおりに「放物線」を思い描いてみましょう。
ドライバーとはゴルフクラブのことだったのかと腑に落ちたのではないでしょうか。
たしかにドライバーでゴルフボールを打つと弧を描いて飛んでいきますね。
僕が探すコースとはカーナビのルートではなくゴルフコースのことでした。
ゴルフボールをカップインさせるように、ご希望どおりのデートコースへ連れて行くという意味もあるでしょう。
どこへ行くかは未定でしたが、ゴルフをすることは決まっていたわけです。
そのため朝早い出発で彼女はなかなか起きられなかったという展開でした。
車とゴルフ、どちらにも当てはまる抽象的な表現を重ねて、徐々にゴルフの話だとわかる流れが秀逸です。
ただ「優柔不断」という表現もあるので、車とゴルフのどちらかの話に決めるのは時期尚早かもしれません。
ヒゲダンが連れて行く?
歌物語としては「寝ている君を起こして、僕がゴルフに連れて行く」という内容です。
要はおでかけソングになっています。
車とゴルフのダブルミーニングと解釈することもできるでしょう。
そして「僕と君」は恋人同士とは限らず、夫婦、家族、仲間など様々な間柄が当てはまることもわかりました。
さらに一歩踏み込むと「ヒゲダンがリスナーを世界のどこかへ連れて行く」という解釈もできるかもしれません。
ヒゲダンの音楽を聴いて、まるで目が覚めたみたいにハッとさせられたリスナーも多いのではないでしょうか。
もしかしたらこれまで眠っていたのでは?と気づかせてくれるほど、その豊かな音楽性にはパワーがあります。
彼らの音楽を聴くことを選ぶと日々の暮らしが輝きだし、空高く舞い上がるような気分になることでしょう。
ところがヒゲダンはまだまだ先へ行く!とリスナーに語りかけているようなイメージが浮かびます。