Suspended 4thのGIANTSTAMPを解説
ストリート系4ピースバンドSuspended 4th(以下サスフォー)の強みは、圧倒的な演奏力にあります。
中心となるのはHiromu FukudaさんのベースとDennis Lwabuさんのドラムというリズム隊。
そこへKazuki WashiyamaさんとSeiya Sawadaさんのツインギターが絡むという編成になっています。
名古屋・栄での路上ライブから音楽活動を始め、数々のライブハウスでもお客さんを熱狂させてきた彼ら。
辿り着いた初の全国流通盤が2019年7月にリリースされたミニアルバム「GIANTSTAMP」です。
「ストラトキャスター・シーサイド」などの人気曲も含まれますが、今回ご紹介するのは表題曲。
タイトルの意味や歌詞の内容についてはあまり語られないサスフォーですが、この曲は違います。
ライブのMCでもこの曲に関してはタイトルの由来が明かされているのです。
つまり、この曲にはWashiyamaさんおよびサスフォーのストレートなメッセージが込められているということ。
その点も踏まえて歌詞を解説します。
冒頭の歌詞はこちら!
タイトルの意味
歌詞を見ていくまえに、タイトルの意味を確認しておきましょう。
まず「大きな1歩」を英語に訳すと「Big step」になります。
「巨大な1歩」だと「Giant step」。
ところがこの曲のタイトルはステップではなくスタンプになっています。
スタンプというとSNSのマークやスタンプラリーを思い浮かべる方が多いかもしれません。
その意味は「印、印鑑、切手」など。
要するに「大きな1歩」を意味するタイトルではあるけれども、単純に直訳した英語にはなっていないわけです。
わかりやすい言葉のようで、実はひねりが効いているということ。
逆にタイトルをそのまま日本語に直訳すると「大きな印鑑」になります。
つまりあえて二重の意味に受け取れるタイトルがつけられたという話です。
そこに至るまでのエピソードについてはミニアルバム「GIANTSTAMP」の特設サイトでも紹介されています。
実際に印鑑が由来ということです。
価値はわからない?
踏み出した一歩 この声が届くか
辿るべき場所見つけて
大胆な一歩 その価値がつくのは
生き絶える時までわからない
出典: GIANTSTAMP/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Kazuki Washiyama
基本的にこの曲ではサスフォーというバンドの意気込みが語られています。
並々ならぬ演奏力を武器にストリートでライブを始めたときも、最初の1歩だったわけです。
さらにHi-STANDARDの横山健さん率いるレーベル<PIZZA OF DEATH RECORDS>からミニアルバムを発売。
しかも初めての全国流通盤です。
これまで自主制作で地道なステップを積み重ねてきた彼らにとって、「大きな1歩」に違いありません。
その表題曲の最初の言葉です。
バンドとして大きな転機を迎えたけれど、音楽が伝わっているかどうか。
リスナーに確認し呼びかけています。
この大きな始まりが果たして本当にすごいことになるかどうかは、終わってみないとわからないけれども。
そんな注釈もついています。
謙遜のようで、実は逆にものすごく大それた発言かもしれないことをさらっとつけ加えているわけですね。
サビの歌詞はこちら!
「大きな1歩」のサイズ感
足跡が残せるように
踏み降ろしたその足は
GIANTSTAMP 地球へ刻め
出典: GIANTSTAMP/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Kazuki Washiyama
案の定、サスフォーらしいスケールの大きな話へと飛躍します。
サビではタイトルそのものも登場しますが、その「大きな1歩」を繰り出す先が「地球」です。
もちろん実物大の人間のままで小さな1歩を踏み出しても、地球にスタンプを押したことになります。
ただ、やはり1つの惑星規模の話となると、それに匹敵するサイズ感の巨人が想像されるのではないでしょうか。
現実にはあり得ない、アニメで描かれるような途方もなく大きな人物がドカドカと足を踏み鳴らすイメージです。
その重みで地面に巨大なクレーターができてしまう絵も浮かびます。
よくよく歌詞を読み込むと、決して巨人とは限らないわけですが、思い込みを刺激され、錯覚が起きるようです。
未体験ゾーンの先へ
誰も知らない未知のZONE
未到達の次のGRADE
GIANTSTAMP 地球へ刻め
出典: GIANTSTAMP/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Kazuki Washiyama