欲しかったのは、こんなアルバム
発売当時、直近で出たコンセプトアルバムで個人的にピンとくるものになかなか出会えていなかったのですが、この作品「Lーエルー」は違いましたね。
読むのにえらい時間がかかるリーフレットを熟読して、さてどんなものかと再生。
そうしたらあの感じです、青天の霹靂の映像。あるいは夜中に家の超近所で落雷してじわりと汗がにじむような硬直感。
一曲目のタイトルが「Round & Round」だから、いったいどれくらい眩暈がするヘヴィな曲が来るのだろうと思ったら…黎明を告げたのは繊細でドラマチックすぎるメロディでした。
ガッツリ作りこまれてミッチリ濃厚に詰まっているのに、決して濁ることのないABC特有のバラード。そこにマイナーコードの湿気と壮大なストーリーが混ざり合います。
「これは今までのABCの作品とは違う」、「久々にキタ」。こう確信しました。
室温が25度なのに鳥肌が止まらなくて寒い…。
アルバム作品が映画!?
そしてこの「Lーエルー」、なんと映画化しております。DVDも2017年8月に発売されました。
「アルバム作品を映画にしました」って、なかなかお目にかかれない企画ですよ。ABCの楽曲と絡み合う美しくも孤独な物語を堪能あれ。
「Lーエルー」の書籍もあるよ
CDのリーフレットでも十分世界観を楽しむことができますが、さらに感動を深めたい方・ロングランで楽しみたい方はぜひ書籍も併せてどうぞ。
音の「L」と映像の「L」、イラストの「L」、そして文字の「L」。表現方法の違いではありますが、ここまで多角的視野からひとつの作品を眺めることができる機会も珍しいと思います。
「Lーエルー」収録曲は?
筆者の独断と偏見でピックしましたが、コンセプトアルバムですから楽曲のつまみ食いは無用!時間はかかりますが、全部聴くのがいちばんの近道です。ズボラしてはこのアルバムの良さはちっとも見えてきません。
そしてブックレットのストーリーに触れてしまうと「ネタバレ」になってしまうので、ここでは敢えてコンセプトとは切り離して純粋にコメントを加えていきますね。
1曲目「Round & Round」については冒頭にて触れたので、2曲目から見ていくことにしましょう。
「liar or LIAR ?」
これはアカンと思いましたね、勿論いい意味で。
まずイントロ~Aメロのヘヴィなリフと闇の深いバックコーラスがツボをくすぐってきます。そしてぐさぐさ刺さって胸がズタボロになるくらい素晴らしい歌詞。そして泣きまくりのギターソロで完全にやられました。
すでに感動しすぎて降参状態なのに、おいおいまだ12曲もあるよ、心臓持つかしら…と本気で心配になりました。
「エストエム」
イントロの「Ahー」は全員必ず口ずさむこと!そしてヘッドバンガーズ・ヘドバンギャーズ(BABYMETAL風)の方々が喜びそうなリフが続きます。
そしてサビのヌケ感と、その後のつなぎ部分の怪しさ満点な感じ。本当にもう「Round & Round」と「liar or LIAR ?」から興奮しすぎてゼーゼーですよ…‼
▼ちょっぴりABCの別作品「ピストル」を想起させるメロディも嬉しいですねえ。