アルバム「タイム・ラプス」リリース!
2018年9月12日、きのこ帝国のニューアルバム「タイム・ラプス」がリリースされましたね!
10周年を迎えたバンドにとって、まさに記念すべきアルバムとなるでしょう。
ヴォーカル、佐藤千亜妃はこの作品を「自分たちにとって普段着のようなアルバム」とコメントしています。
というのも、今までの作品は自分たちにとって、かっこつけたり背伸びしたりの内容になっていたとのこと。
これは人前に立つアーティストとしては至極当然のことでしょう。
しかし、10年経って浮きあがって来たものは「等身大のきのこ帝国」でした。
このことは、結局のところどんなに着飾ってもオリジナリティは根底の部分にあるということを感じさせますね。
アルバム制作までの濃密な時間
今回のアルバムの制作にあたって、マネージャーから「1月中に18曲仕上げてください」という指示があったといいます。
そのこともあり1日に3曲仕上げるなど、かなり集中した曲作りの期間があったようです。
また、同じ時期に佐藤も改めて音楽の勉強をしたいと思うきっかけがあったらしく、まさに音楽漬けの日々だったことが伺えます。
きっかけは「森亀橋」
佐藤が音楽に対する姿勢を改めたきっかけになったのが2017年2月に行われた「森亀橋」というイベントです。
森俊之、亀田誠治、佐橋佳幸という、3大プロデューサー主催のこの企画。
そこに単身呼ばれた佐藤は、CharaやEGO-WRAPPIN'、小田和正などのそうそうたる出演者に圧倒されたとのこと。
「もう一回歌と向き合わないと、死ぬまでにあの境地に行けないと思った」と語っています。
このことと、アルバムに向けての製作期間が佐藤に濃密な時間をもたらしました。
その期間を経て、一回り成長した姿を聴かせるのが今回のアルバム「タイム・ラプス」。
やってきたことは裏切りません。楽曲への期待も高まりますね!
先行配信もされたリード曲「夢みる頃を過ぎても」
そして今回紹介するのはアルバムのリード曲「夢みる頃を過ぎても」です。
この曲のタイトルが2017年10月から翌年4月にかけて行われた10周年ツアーのタイトルにもなっています。
音源化される前からツアータイトルになっていたとは、相当な思い入れを感じさせますね!
この曲はアルバムリリース前の8月29日に同じくアルバム収録曲の「金木犀の夜」と共に先行配信。
アルバムに寄せられる期待感にも大いに貢献したのではないでしょうか。
共同プロデューサーは河野圭
またこの曲の特別なところは、共同プロデューサーに河野圭氏を迎えていること。
アーティストの魅力を引き出すのがプロデューサーの仕事です。
そのサウンドにも多大な影響を及ぼしていることでしょう!
楽曲を考察
歌とギターのシンプルな組み合わせに、メロディの哀愁。
冒頭部分では、それらが相まって懐かしいフォークソングのイメージを彷彿とさせます。
と思いきや、うねるようなベースとドラムを合図に躍動し始めるバンド。
そしてまた静的なアレンジに戻るという、目まぐるしい展開を立ち上がりから見せます。
ここからすでにインパクト全開。ばっちりの掴みですね!
佐藤の歌が映えるAメロ
バンドのセンスが際立つBメロ、サビ
Bメロに入ると、ベースの動きのあるフレーズが楽曲を盛り立て始めます。
ここでのギターの音色が浮遊感を湛えていて非常にクール!
イントロで聴かせた良い意味でチープなサウンドといい、音選びにおいて抜群のセンスを感じさせます。
サビは冒頭部分と同じメロディにして、雰囲気は全く別物。
バンドとストリングスの組み合わせがメロディの切なさをグッと引き立てています。
この辺り、ポップスに精通したプロデューサーの技を感じさせられますね。