ふたりを魅了し、話してくれない「ステージ」という魔物。

様々な感情と葛藤しながらもステージに上がることは辞められません。

そんなステージの「魔物」と、ふたりはどう付き合っていくのでしょうか。

魔物のスリルを楽しんでいる?

板の上の魔物コイツは俺の友達
大きな口を開けて待ち構えてる奈落 底なし
奴は俺の泳いだ目が好き 震える手が好き
暇さえあれば俺を殺しに来るだけどソコが良い
時にどうしょうもない不測の事態に姿変えて
時に反応もないシラけた空気に姿変えて
時に名前も無い誹謗や中傷に姿変えて
時に生暖かい 内輪ノリに化けて

出典: 板の上の魔物/作詞:R-指定 作曲:DJ松永

この「魔物」について「俺の友達」と言い放つR-指定。

魔物は大きな口を開け、ふたりを底なしの奈落に誘います。

魔物は緊張するR-指定の様子を見るのが好きで、隙を見てはR-指定を殺しに来る。

不測のトラブルやシラけた空気、誹謗中傷に化けながら、魔物はふたりを攻撃します。

そんな魔物を「友達」というのは「一生コイツと付き合っていく」との覚悟。

R-指定にとってある種「持病」のような、諦めの感情すら見えます。

身がもたないほどの鍛錬と戦う

日々ステージに上がるということは、日々魔物と向き合うこと

確かな実力を持つふたりでも、時には重圧に耐えられないこともあります。

そんな身を亡ぼすほどの日々も、ふたりにとっては鍛錬の種なのです。

緊張が舌に絡みついて
上がったテンションが喉を焼く
焦りが体内の水分を奪い肺を締め付ける
息も絶え絶え やべーやべー
コレじゃ身が持たねぇ
みたいな日々の鍛錬が飯の種

出典: 板の上の魔物/作詞:R-指定 作曲:DJ松永

ステージ上の緊張はR-指定の舌や喉を傷めつけるもの。

そんな姿も魔物は楽しんでいるのでしょう。

緊張で息も上がり、そんな日々に身体も限界を迎えそうになります。

しかしそんな日々も鍛錬と考え、音楽を生業とするふたりの糧となるのです。

魔物に対する反抗

確かなスキルで魔物に立ち向かう

ステージ上の魔物に対して、ふたりも丸腰のままではいられません。

ラジオやTVにも出演するふたりは、ステージの魔物へ手段も選びません。

R-指定が早口で一気にまくしたてるこのバースで、確かなスキルの高さもうかがえます。

TVやラジオ、手段は選ばない

あ から ん から AからZまで巧みに使いこなし
ほらヤワなメッキじゃ剥がれ落ち真っ逆さまアイツの胃の中に収まる
井の中の蛙じゃ意のままに操られて終わる
いつか手なずける 悪いが手段は選ばねえ
例えばradioから 深夜のTVshowまで
異常なトークショーから
いつものこのステージ上まで
毎日ベロ、筋肉痛 で操るマイクロフォン
売れまくりのピンサロ嬢か俺ぐらいのもん

出典: 板の上の魔物/作詞:R-指定 作曲:DJ松永

R-指定は全ての言葉を巧みに使いこなし、ガチガチに武装して魔物に挑みます。

手段は選ばない」とラジオやTV、様々な媒体で活躍する彼ららしいリリックも。

そんな中でR-指定は日々喋り続け、舌も筋肉痛になるほど。

最後には「舌を筋肉痛にしてマイクを握る」ということをピンサロ嬢に例えるジョーク。

この気の利いたジョークがなんともR-指定らしいですね。

つまらないと言われ続けた人生

この魔物に「つまらねぇ」と言われ続けた人生、しかしふたりは武器を磨き続けます。

その結果徐々にCreepy Nutsの名は売れ始め、結果で応えたR-指定。

このバースでもR-指定はその豊富な知識でリリックに仕掛けを施します。

そんな聴き応えのあるバースの歌詞や小ネタを解説します。

何重にも手の込んだリリック