GANG PARADE【夜暗い夢】歌詞付きMVを考察！夜の宴に溺れちゃう！？極楽の遊びがここにある

「夜暗い夢」のMVを監督したのはVJとしても活躍するホンマカズキ。

アップアップガールズ、PASSPO☆、リリカルスクールのMVでお馴染みの方です。

ギャンパレの遊び場としての特異性を活かした「とろいくらうに食べたい」のMVもホンマカズキでした。

退廃的な映像とキラキラしたCGを融合した独自の世界観はギャンパレの美学と一致。

遊女の怨念のようなグラフィックとレディーボーイの退廃的な日常描写を織り交ぜた見事なMVが完成したのです。

タイトルの「夜暗い夢」は「ヨルクライム」と読むと思われます。

「Hill Climb（ヒルクライム）」の対義語として「夜のクライム（crime＝犯罪）」という造語。

アニメ「弱虫ペダル」で描かれた「ヒルクライム」は丘を登る競技です。

いわば上昇志向へのメタファーととれるでしょう。

ちなみにラッパーの「Hilcrhyme（ヒルクライム）」の代表曲に「春夏秋冬」があります。

そこにもダブルミーニングでかけているのでしょう。

続くバースですが通常「四季折々」と記載するのですが「夜暗い夢」では「織る」と綴られます。

その後の歌詞にかかっていると思われますので解釈は一旦保留しましょう。

「夜暗い夢」は花街で使われた花魁詞（おいらんことば）が全編で使用されます。

「私」は「あちき」、「あなた」は「おてき」と発音。

これらは夜の世界で暮らす女性の出身地が分からないように作られた言葉だといわれています。

つまり「夜暗い夢」の歌詞は夜の世界で暮らす女性の心情を歌っているのです。

そしてこれまでのギャンパレの歴史を花魁に重ねたのではないでしょうか？

ギャンパレの衣裳は常に戦闘服＆特攻服をイメージした好戦的なものでした。

「織る」と当てられたフックはこのギャンパレの衣裳についてのメタファーだと推察されます。

一見華やかに見えるアイドルの生業。

しかしギャンパレのこれまでの歴史は苦難の連続でした。

2人組ユニット「プラメニ」としてデビューするも1年弱の活動で解散。

その後新メンバーとして4人を加えた5人組ユニット「POP（ピオピ）」として再デビューします。

しかし続くメンバーの脱退。繰り返されるメンバーの交代劇。

さらにWACKにはBiSHというモンスターグループが君臨するためギャンパレの存在は目立ちません。

まさに救済のない夜の時代が続きます。

その心情を江戸の花魁に重ね綴られたのが「夜暗い夢」なのです。

そしてここで歌われる「おてき」は影で彼女たちを支えたファン、つまり遊び人を指すのでしょう。

「おてき」のために華麗なダンスを踊るギャンパレ。

この命尽きるまでギャンパレは美しく咲き続ける。

そんな決意を感じさせる歌詞が続きます。

「みんなの遊び場」として過激なパフォーマンスを繰り返す中、確実に上がってゆくスキル。

その自虐的ともいえる活動はまるで自傷行為のようにも見えるほど痛々しいものでした。

それでも「あちき」は「おてき」のそばに居たい。

どれほど苦痛を感じてもくじけないことを誓うのです。

そんな想いが「夜暗い夢」の歌詞に込められているのではないでしょうか？